タトゥー裁判、控訴審で逆転無罪!

タトゥーの彫り師が、医師免許を持たずに医行為を行ったとして医師法違反に問われた事件で、昨日、大阪高裁で逆転無罪判決が出ました。
https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/muzai?fbclid=IwAR13z-7orG7VHDZl1PnVaez8kqADUlj1fo542ZWsmvZTcwurrFpMYduM5H8

一審の有罪判決と控訴審の無罪判決の判断を分けたのは、タトゥーを彫る行為が医師法で規制している医行為に当たるかどうかでした。
控訴審は医行為に該当しないと判断し、タトゥーの文化的歴史的価値も評価した上で、医師しかタトゥーを入れられないとすると実質的には禁止に等しく、憲法で定められた職業選択の自由を侵害するおそれがある、と判断したとのことです。

この裁判については、NOON裁判(クラブオーナーが、許可なくダンスをさせた罪に問われ、一審から最高裁まで一貫して無罪の判断が出た裁判)の際の弁護団でご一緒させていただいた亀石倫子弁護士が主任弁護人を務めておられ、裁判中の費用をクラウドファンディングで集めるという手法にも注目を集めた事件でもあり、お伝えしたいことはたくさんあるのですが、、、、

NOON裁判でも、タトゥー裁判でも、表現の自由や職業選択の自由といった憲法上の権利が国家権力に不当に侵害されることのないようにという価値判断が行われている点にも注目していただきたい。

憲法が何のためにあるのか。
私たちの人権が守られているのは当然だと思いがちですが、その当然の権利を国家権力による侵害から守る最後の砦が憲法です。

タトゥー控訴審逆転無罪判決を受けて、NOON裁判を闘った金光さんは、「私は「日本の司法は死んでいる」と諦めてしまう事の方が残念だと思っている。」とFacebookでコメントされていました。コメント全文も是非読んでみて下さい。https://www.facebook.com/1340874331/posts/10211652350927912/

司法は死んでいる、と諦めてしまう人が1人でも少なくなるように、、という思いで弁護士を志したことを忘れず、これからも日々精進していきたいと思います。

弁護士 奥井 久美子