無限アラート事件が不起訴に

以前紹介した、いわゆる無限アラートのプログラムが仕込まれたページへのリンクを貼った人が警察に摘発された事件、どうやら不起訴となったようですね。

「弁護士ドットコム」で、記事になっています。

「「アラートループ」で書類送検の男性2人、不起訴処分 弁護人「検察はお茶を濁した」」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190529-00009697-bengocom-soci

感想としては、上記の記事での弁護人のコメントと同様で、

裁判にならずに済んでよかった、とともに、灰色解決(起訴猶予とは、検察としては有罪と考えるが諸般の事情を考慮してあえて起訴しない、という意味)となったことに残念さもあります。

なお、不起訴になったのは成人の事件で、以前の記事で補導された中学生については少年事件として扱われるので、まったく表には情報がでてきていません(非行事実ありとして家庭裁判所で処分を受けていたとしてもわかりません)。

やはり、こんな結末になるのであれば摘発時点でもっと慎重に判断できなかったものか……という思いがどうしてもぬぐい切れない事件です。

弁護士 松田 健人

裁判デジタル化へ

2020年、クラウドによる書面の提出、ビデオ会議が利用できるようになるとのこと。

OECDの中でもって、遅いスピードですが、やっとこさ進みそうです。

裁判手続きの迅速化、手間の省略などは、結局、弁護士の為にも必要で、業界のために不可欠です。

こういった提案を弁護士会ができないものなんでしょうか、弁護士会は、市民や弁護士業界の発展に目を向けてほしいです。

弁護士 飛渡 貴之

2019年度憲法記念の集い

4月20日、憲法記念の集いに参加してきました。

弁護士、ジャーナリスト、学者の先生方や、当事者の方、ご遺族の方など、さまざまな方の多方面からのご意見を聞くことができる、大変充実した機会となりました。

えん罪を争うためには、一生をかけなければならず、ご高齢となる方や、お亡くなりになる方も出る中、裁判が続くという状況はあまりに過酷です。それにもかかわらず、ご本人様にも、弁護士にも、支援が不足していること、えん罪を争うことが難しいことなど、諸外国の例や、実際の体験談をもとに、様々なお話をお伺いしました。

特に、ご本人様や遺族の方の訴えは身に迫るものがありました。なぜ無罪なのに自白をするのか、捕まってみればわかるというお話がありました。当人にしか分からないことがあるものの、それを理解しようとする気持ちを決してなくしてはならないとの気持ちを新たにしました。

私は今回、運営側として参加をさせて頂きましたが、学ぶことばかりでした。

現時点においては、日野町事件も、湖東記念病院事件も、決着がついておりません。皆様の再審事件への関心が高まり、二度と同じことが繰り返されぬよう、様々な制度改革が実現される日がくればと思います。

 

弁護士 山本 典佳