顔ペイントが違法行為?

法って何、ということを考えさせられる話です。

「おなじみ「顔ペイント」に法の壁? 大道芸W杯in静岡」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171031-00000035-at_s-l22

サッカーの試合などでもサポーターが顔にペイントを塗って応援するのはすっかり一般的になりましたが、このフェイスペイントを人にやってもらうときには、美容師の免許がなければ違法ですよ、という話。

同じような話でもっと深刻な事例として、少し前にタトゥーアーティストの事件もありました。こちらは、医師免許なく人の体に彫り物を入れるのが医師法違反として摘発され、刑事罰まで出ています。

「タトゥー施術に医師免許「必要」 彫り師に有罪判決」

http://www.asahi.com/sp/articles/ASK9W4FHVK9WPTIL00M.html

医師法は刑事罰があるので、タトゥーアーティストの方たちにとっては死活問題です。
かなり以前から風営法とダンス規制も問題となっていて、クラブ経営者が摘発されるという事件もありました。もっともその際は、法規制のあり方が実情と乖離しすぎている点に批判が集まり、無罪判決が出て、その後の風営法改正にまで繋がって行ったわけですが、タトゥーは医療行為とされ違法とされてしまいました。
どの事例も法の文言そのまま当てはめてしまうとオーバーキルになるという意味では、解釈する側が適切な限定解釈をすべきと思えます。

ちなみに、記事によると、くだんのフェイスペイントイベントは、来場者にペイント剤を購入してもらう形をとって、ペイント剤の使用指導の形式をとって開催するとのこと。これならデパートの化粧品売り場と変わらないんだから問題ないでしょ、という立論です。

この辺の解決方法はいかにも弁護士らしいというか、きっと誰か知恵を出した法律家の人がいたんだろうなと思いました。つい、法に反するからなんでもダメ、と、弁護士としてはアドバイスしがちになりますが、こういう解決方法を示すのも弁護士の大切な仕事だと思います。

弁護士 松田 健人