「コインハイブ事件」で無罪判決

「【速報】コインハイブ事件、男性に無罪判決 横浜地裁」

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/amp.bengo4.com/topics/9429/%3Fusqp%3Dmq331AQPCAEoAZgBge-a9umo1sII

 

以前、このブログでも取り上げた、「無断マイニングプログラム」の使用について、いわゆるウィルス罪に当たるとして警察から摘発され刑事裁判になっていた件について、無罪判決が出されました。

 

無罪判決の理由については詳細にはわかりませんので、現時点で判決の中身についてどう評価すべきかは何とも言えませんが、結論としては妥当だと思います。

 

しかし、一方でこんな事件も。

「無限アラートをコピペした中学生補導が物議、Google Chromeのセキュリテイ周知担当者「意味がわからない」」

https://www.danshihack.com/2019/03/06/junp/unclosable-popup-prank.html

終了ボタンを押しても何度も「無駄だよー」というようなメッセージ付きのアラートが繰り返し立ち上がる、無限アラートと呼ばれるプログラムのリンクを貼った中学生が、兵庫県警に補導された、という事件。

NHKの当初の報道ではどんなプログラムなのか詳細がわからなかったものの、どうやら「×」を押せば閉じて終了できる程度の、いわゆるジョークプログラムの類にすぎず、ブラウザクラッシャーとも呼べないような程度のものとのこと。

補導の理由の詳細はわかりませんが、もしこの件だけでウィルス罪扱いで補導したとすると、明らかにやりすぎでは、と思います。喩えとして適切かわかりませんが、ひと昔前だったら「子どもが110番にイタズラ電話して、応答する前にガチャ切りする」程度のイタズラを、業務妨害罪扱いで摘発するみたいなものかなと。ここのところのこの手のネットマナーのケシカラン罪化は、少し度を越している気がします。

ここ日本では「警察に摘発・逮捕される=人間失格」という烙印を押す傾向が強いだけに、たとえ後で無罪となっても、十分な名誉回復が測れません。警察には初動の段階で専門家の意見をしっかり聞くなど、より慎重な対応を願いたいです。

弁護士 松田 健人