自動車検査無資格者問題にみる日本の構造の根本的な問題

スバルや日産が犯したのは、端的に言えば道路運送車両法違反です。

確かに、法令違反はやってはいけません。しかし、本件は、安全性になんら無関係であり、安全性への影響は皆無です。安全性に影響がないから、違法でもいいと言いたいのではありません。

現在の状況を無視した検査を義務付けられているです。実際、輸出用の車両の生産や出荷には何ら影響していません。なぜそんな無駄なことをさせるのか、なぜなくならないか、が問題です。

なぜか、国交省やその関連組織(主に車検関係の天下り先)の既得権益を守るためです。

日本には、役人の既得権益を守るため、状況に合わない無理な制度設計が多数なされています。そして、中には、制度違反をすることを前提とした制度があり、役人がそれらの違反を見ないふりすることで制度維持を図っているというむちゃくちゃなものがあります。

この一つが本件です。他で最近騒がれたのが、パチンコの釘問題です。国民は、政治家と役人に、なめられ続けています。

これらの是正をするきっかけに大きく貢献できるはずのマスコミは、何も考えずに違法だと騒ぎ立てます。サル以下です。状況は良くなりません。ここで、国民が真実を知り、騒ぎ立てれば、さすがに是正せざるを得ません。そんな良い機会でしたが、結局、意味はなさそうです。むしろ、また、無駄な規制が出来る可能性すらあります。

弁護士 飛渡 貴之