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モラハラ夫に勝つ方法~離婚の準備から成立まで~

モラハラの証拠収集

モラルハラスメントにより、夫婦関係が客観的に破綻し、やりなおしができない状態になった場合には、一連のモラルハラスメントは婚姻を継続し難い重大な事由となり、離婚が認められることになります。

離婚の方法としては、裁判所を介さない協議離婚、裁判所を利用した調停離婚、裁判離婚があります。夫のモラハラを理由に妻側が離婚を希望しているが、モラハラ夫が離婚に応じない場合(モラハラ夫は往々にしてモラハラをしている自覚がなく、自身に非がないと思っているため、応じない可能性が高いです)には、離婚を要求している妻側が、夫のモラルハラスメント及びそれにより夫婦関係が客観的に破綻しやり直しができない状態になっていることを、立証しなければなりません。また、仮にモラハラ夫が離婚に同意している場合であっても、モラハラを理由として慰謝料を夫に請求するときには、同様に妻側がこれらの事実を立証しなければなりません。

この点、モラハラは、家庭内という人目のないところで行われる上、身体的暴力と異なり、客観的証拠が残りにくいという特徴があります。また、モラハラをする人は知恵の働く人が多いため、裁判所のような公的な場では紳士的にふるまい、モラハラ的な発言をしたことを全面的に否定するということも多々あります。そのため、別居前に妻側で証拠を積極的に収集しておくことが、離婚の準備の第一歩となります。

また、モラハラの場合、身体的暴力と異なり、一つ一つの行為の程度はそこまで重くないため、相手方のモラハラを基礎づける具体的な発言内容とそれを基礎づける証拠を継続して収集しておくことが重要となります。

具体的な方法

具体的には、日ごろから夫の発言内容を録音等をして残しておくこと、夫から送られてきた人格否定的、侮辱的な内容のメッセージ等の電子メールやLINE、X等のSNSでのやり取りを残しておくこと、夫が物等を投げつけきて家の中の物が破損等した場合にはその写真を残しておくこと等が重要です。また、録音等が難しい場合は、録音に比べると証拠としては一段劣りますが、夫からされた侮辱的な発言等を日記等に残しておくことも有用です。妻の症状によっては、心療内科を受診し、診断書を作成してもらうことも有用です。これらの証拠を積み重ねていくことで、夫の人格否定的・侮辱的な言動が一度きりのものではなく、長期間にわたって繰り返し行われているものであること、これらの言動が積み重なることで加害の程度が深刻化し、夫婦関係が破綻していることを立証することができます。

なお、モラハラによる被害が深刻で、切迫しているような場合には、
証拠収集よりも自身の心身の安全を優先して、別居等の身を守る行動を優先してください。

離婚の準備~別居~

モラハラ被害から逃れ、心身の平穏を確保して、安心して離婚の準備を進めるには、通常の離婚事案と同様に、別居をすることが有用です。

また、モラハラを離婚原因とする場合、上述した通り証拠を収集した場合であっても、なお立証のハードルは高く、モラハラの事実だけでは離婚が認められにくいケースもあります。そのような場合、別居期間が一定期間に及ぶことが、婚姻を継続しがたい事由に該当し、離婚が認められることがあります。この意味からも、別居しておくことは有用です。

別居を進めるにあたっては、まず、別居先と別居時期を決めましょう。
そして、別居後の生計を考えることも重要です。別居後は、夫に対して婚姻費用の請求ができますが、婚姻費用の支払いに夫がすぐに応じることはあまりなく、支払いまである程度の時間がかかります。この間の生活費用を確保しておくことが重要となります。現在、お仕事をされている方の場合には、現在の収入で生活を維持できるのか、収入を増やす必要はないのか、また、現在、お仕事をされていない方については、求職活動を行うこと等を検討する必要もあるでしょう。なお、別居後に請求する婚姻費用に関連して、別居前に行うべき準備として、夫の収入や夫名義の財産について調べておくことが有用です。夫の収入や夫名義の財産を予め確認しておくことで、別居後に婚姻費用を請求したり、離婚の交渉の中で養育費、財産分与の請求をする際に有利に手続を進めることが期待できます。

別居から離婚成立まで

別居をしたら、夫への婚姻費用の分担請求を行いましょう。安心して離婚の準備を進めるには、まずは経済的に生活を安定させることが重要となります。婚姻費用は、一般的には、請求したときから支払義務が発生すると考えられています。そのため、夫がすぐに支払いに応じてくれそうにない場合でも、別居後速やかに請求をし、婚姻費用分担請求調停や審判などの裁判手続を利用することで、請求時に遡って婚姻費用の支払いを受けることができます。また、婚姻費用の支払義務は離婚の成立又は別居が解消されるまで発生し続けるため、婚姻費用の請求をすることで、夫側に金銭的に離婚に向けてプレッシャーをかけることができます。

離婚の方法については、協議離婚(交渉)、離婚調停、離婚裁判(離婚訴訟)の3つがあります。このうち、協議離婚(交渉)については、モラハラのケースの場合、モラハラ夫と妻が対等に話すことが難しいことも多いです。自身でモラハラ夫に対峙することが難しい場合は、弁護士等のサポートを受けることを検討されるとよいでしょう。
交渉で離婚がまとまらない場合は、離婚調停の利用を検討しましょう。離婚調停では、調停委員が間に入って進めるため、モラハラ夫と直接話すことなく、離婚の話し合いを進めることができます。そして、離婚調停で解決できない場合は、離婚裁判を検討しましょう。離婚裁判では、離婚の原因である婚姻を継続し難い重大な事由として、モラハラの事実を妻側が立証しなければなりません。上述したとおり、モラハラの立証はハードルが高いため、弁護士等の専門家のサポートを受けることが必須となります。
モラハラ夫の場合、多くの場合自身がモラハラをしているという認識がなく、自身に非がないと思っているため、交渉、調停ではまとまらないケースも少なくありません。離婚裁判によらざるを得ないケースもあることを考えると、別居前から弁護士等の専門家に相談し、証拠収集等の準備を進めておくことが重要となります。夫のモラハラを理由に離婚を検討されている方は、弁護士への早期の相談を是非検討してください。

離婚・慰謝料について、安心してご相談ください。

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