コラム

モラハラやDVでは離婚できない?離婚する方法と準備

  • 離婚・慰謝料

女性からの離婚原因の上位に挙げられるものとして、夫から生活費を渡してもらえない(経済的暴力)、精神的虐待を受けている(精神的暴力)、暴力を振るわれる、(肉体的暴力)があります。

これらは、すべて広い意味での家庭内暴力であり、モラハラDVという言葉で呼ばれることもあります。今回は、このようなモラハラやDVを理由に離婚する方法等について解説します。

配偶者からの暴力はDV

DVとは何?

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、家庭内における配偶者間の暴力のことをいい、その典型は、一方配偶者から他方配偶者に対する家庭内での肉体的暴力ですが、それ以外の暴言や侮辱などの精神的暴力なども含まれます。

DVの2つの特徴

DVは通常の暴力にはない2つの大きな特徴があり、その特徴のためにDVトラブルの解決の難しさをもたらしています。

DVは外部から発見されにくい

第1に、DVは外部から発見されにくいという特徴があります。それは暴力が家庭という閉鎖的なところで起きていることによるのと、家庭問題を外部に知られるのは恥だという感覚から被害者が外部の者に被害を訴えないまま我慢するケースが多いためです。

また、被害者が加害者である配偶者からの心理的圧力のため、被害を受けている自覚すら覚えないこともあり、それも家庭内暴力が外部から発見されにくい原因になります。

DVは家庭の問題として処理されてしまう

第2に、DVは、たとえ外部の者に発見された場合でも、家庭内の問題として済まされてしまいがちであり、トラブルの解決につながりにくい点に特徴があります。

その1つの原因は、被害者である配偶者が、相手方配偶者の家庭内の暴力の実態を外部に全て正確に伝えるのは難しいという点にあります。つまり、普通、いちいち家庭内の出来事について証拠を残すことなどしないですから、外部の者に被害の実態の全てを正確に伝えることは難しいため、家庭内の問題として、配偶者と話し合ってくださいなどの対応で終わってしまうことがあるのです。

また、警察には民事不介入というルールがあり、犯罪につながる問題でない限り、ちゃんとした対応をしてくれないこともあります。

そのため、特に、肉体的暴力以外の家庭内暴力については、行政機関などもちゃんとした対応をしてくれないことがあるのです。

暴力を伴わない苦痛はモラルハラスメントとも

モラハラとは何か?

モラハラはモラルハラスメントと略であり、肉体的暴力のように目に見える形での暴力とは異なり、罵声、侮辱、人格否定などによる一方的価値観の押し付けとして行われる精神的暴力のことです。また、ドメスティックバイオレンスにも精神的暴力を含むところ、より程度が酷いものをドメスティックバイオレンスといいます。

モラハラの特徴

モラルハラスメントの特徴は、肉体的暴力とは異なり目に見えず、形の残らないため、肉体的暴力と比べてより一層外部から認識することの難しい暴力である点です。それに加えて、モラルハラスメントは言葉による暴力であるため、一般的な夫婦喧嘩の延長に過ぎないと捉えられることが多いため、たとえ外部に助けを求めた場合でも、事態の深刻性に気づいてもらうことができない可能性が高いのです。

法律のもと保護される必要がある

DV防止法とは何?

DVの被害者を保護する法律として、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)というものがあります。

DV防止法の目的は、配偶者間の暴力の防止及びその被害者の保護にあるため、適用対象となるのは、法律上の夫婦及び事実上の夫婦(内縁の夫婦)に限られます。夫婦である以上は、配偶者の国籍は問われません。
DV防止法において、保護の対象となるのは、配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準じる心身に有害な影響を及ぼす言動の被害者です。

具体的には、どのように保護してくれるの?

DV防止法は、加害者である配偶者との接触を断絶するため接近命令又は退去命令の2つの方法により、被害者である配偶者を保護します。また、被害者に対する接近命令の出せる場合には、同時に、被害者の子に対する接近命令を出すことができます。

相手方配偶者が命令に違反した場合はどうなるの?

保護命令の発令された場合には、警察官は、被害者の保護その他配偶者からの暴力の防止に努める必要があります。したがって、加害者である配偶者が保護命令に反するような行動に出た場合には、直ちに警察に連絡して保護を求めることができます。

また、DV防止法は保護命令に違反する行為につき罰則を設けていますから、警察官は、保護命令に違反する行為に対して、逮捕することができますし、最終的に処罰を科すことにより、その実効性を確保することもできます。

一人ではどうしようもないことも

DVの被害者は、加害者からの暴力から身を守るため、すぐに行動を起こすことができないケースが多いです。被害者自身、DVは家庭内、夫婦の問題であると考えてしまい、外部の協力を得るより前に、まずは自分自身の力で何とかしなければと思いがちになるからです。

あるいは、外部に助けを求める行動により、加害者の暴力が更にエスカレートするのではないかという恐怖のため、問題を家庭内にとどめてしまうこともあります。

他方、DVの加害者は、罪悪感を持たず、被害を訴えたところで聞く耳を持ってくれないことも多いですから、一人では、どうしようもないことも多いのです。

安心してご相談ください

DV被害に遭っていると感じたら、自分ひとりで悩まないことです。その場合には、一度、外部の第三者に家庭内暴力の実態について話をして、客観的な目からのアドバイスを受けることが大切です。

そして、第三者の協力を得ながら、その解決のために適切な方法を検討するのです。そして、守るべきものの優先順位を明確にし、ときには、何かを捨てなければならないこともあるでしょう。

そんなとき、一人で問題を抱えるのは非常に辛いことですし、ときには、そのために解決を諦めてしまうこともありえます。事が起きてからでは手遅れです。ですから、最悪の事態に至る前に、一度、当事務所の弁護士までご相談ください。

もちろん、相談を受けた弁護士には守秘義務が課せられていますし、相談したからといって、すぐに具体的行動を起こさなければならい訳ではありません。

安心して、まずは相談してみることからはじめてみてください。