浮気や不倫は、離婚・慰謝料の請求の根拠になります。

しかし、もし夫や妻が浮気や不倫の事実を認めなければ、証拠により、その事実を証明しなければ、泣き寝入りになってしまいます。
したがって、浮気や不倫を理由に離婚や慰謝料を求める場合には、あらかじめ、その証拠を徹底的に探し、収集・保全しておく必要があるのです。

今回は、こうした浮気や不倫の証拠の集め方について解説します。

浮気や不倫の証拠を集める際にチェックすべき場所

スマートフォンの中をチェック

現在社会において、もはやスマートフォンは、単なる電話としてのツールではなく、インターネット検索やメール、SNSなど日常生活における重要な他者とのコミュニケーションツールのひとつになっており、それは日常生活において当たり前のものとして溶け込んでしまっていると言っても過言ではありません。

そのため、浮気や不倫の証拠を探すには、まずは、夫や妻が何気なく浮気相手や不倫相手とのコミュニケーションのために使用している可能性の高いスマートフォンの中をチェックすべきです。特に、通話履歴、メール、SNSのやりとりは重要です。もし、その中に浮気や不倫相手との具体的なやりとりが残っている場合には全て写真や転送などによりデータ保存しておきます。

鞄や服、財布の中身をチェック

スマートフォンの次にチェックすべきは、鞄や服、財布の中身です。浮気や不倫の痕跡となりうるラブホテルのライター、ホテル利用の領収書、アクセサリー、香水、口紅など、様々なものは、夫や妻の鞄や服、財布の中に残されていることがあります。

他方、このような証拠は、浮気や不倫の疑惑を生じさせるものではありますが、決定的な証拠にならないこともあります。ですから、鞄や服、財布の中身のチェックにより得られた証拠だけをもって浮気や不倫を証明できるとは限りません。

パソコンやスマートフォンの検索履歴も要チェック

パソコンやスマートフォンの検索履歴をチェックすることも大切です。たとえば、浮気や不倫のために利用するホテルを探すためにインターネットの検索を利用することがありますし、デートのための店を検索することもあります。

こうした検索履歴も、直接的に浮気や不倫に結び付くものではないですが、その後の証拠探しに役立つことがあります。たとえば、浮気や不倫を疑って、検索履歴を調べたところ、ある特定のホテルを検索していることを知ったのならば、再びそのホテルを利用する可能性のある日に待ち伏せしておくことも可能です。

ドライブレコーダーやGPS機能付端末も調べてみましょう!

ドライブレコーダーやカーナビ、スマートフォンなどのGPS機能付端末により知ることのできる位置情報も浮気や不倫の重要な証拠となることがあります。

たとえば、ドライブレコーダーにラブホテルの駐車場に入るところが映っていれば、決定的証拠になるでしょうし、GPS機能による位置情報としてラブホテルを利用したことが明らかになることもあります。

また、GPS機能を利用して夫や妻の行動をリアルタイムに追跡し、現場に急行した上、証拠を押さえることもできます。

浮気の証拠となるのは不貞行為の存在を示すもの

ここまで浮気や不倫の証拠の集め方について説明してきましたが、集まった証拠の中には使える証拠と、使えない証拠があります。浮気や不倫の証拠として使えるのは、不貞行為すなわち異性との肉体関係を示すものです。

ですから、たとえば、スマートフォンの中に保存されていた異性との単なるツーショット写真だけでは浮気の証拠としては使えない可能性があります。もちろん、その他の証拠から浮気の疑いは相応にあり、そこにツーショット写真があれば、合わせて浮気の証拠になることもあります。

浮気の証拠を集める際の留意点

たとえ自分の夫や妻でもプライバシーは存在する

浮気や不倫の証拠は隠したいものです。ですから、夫や妻は、スマートフォンの中に浮気や不貞に関する証拠がある場合でも、それを隠すためにロックを掛けたりすることがあります。このような場合、特殊な技術等を使い、無断でロックを解除して、中身を見ることは法的にはプライバシー侵害に当たる可能性があります。
なお、浮気や不倫の証拠を集める過程においてプライバシー侵害等軽微な違法行為を行ったとしても、民事の裁判において、その証拠を使用することが禁止されることはありません。

ただし、相手が浮気していないのに相手を疑い詮索していることが、相手との信頼関係を棄損し、夫婦関係が悪くなる可能性があります。 

どうしてもうまく証拠が集まらないときは探偵を使うことも考える

もし、夫や妻が浮気をしている事実を巧妙に隠し、証拠を一切残さなかった場合、このままでは泣き寝入りになる可能性が高いです。そのようなときには、探偵を使って、夫や妻を尾行してもらい、浮気現場の証拠写真を撮ってもらうよう依頼することも考えましょう。

もちろん、そのためには、相応の費用の支払は覚悟しなければなりません。それでも、どうしても納得できない場合には、そこまでしなければ、浮気や不倫の証拠を集めることができない場合があるという現実は知っておくべきです。

まとめ

浮気や不倫は、離婚の原因であり慰謝料請求の根拠になります。しかし、夫や妻が、その事実を否定して争えば、証拠により、その事実を証明しなければなりません。

ここで問題とされる浮気や不倫とは、基本的には、異性と肉体関係を持った事実ですから、集めるべき証拠は、異性との肉体関係を持ったことを示すものでなければなりません。

このような証拠は夫や妻が日常生活において身近に携帯しているスマートフォンや鞄、財布の中身をチェックすることやインターネットの検索履歴やGPS機能による位置情報などを手掛かりにすることもできます。

また、もしも、どうしても自力での証拠収集が困難であるような場合には、探偵を利用して証拠を収集することも1つの選択肢として検討してみるべきです。

弁護士であれば、法律の専門家として、どのような事実を証明すれば、最終的に浮気や不倫の事実を証明することができるのか、そして、そのために収集すべき証拠、その収集の具体的方法について事案に応じて判断できます。

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