離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類あります。いずれの方法による離婚の場合でも、弁護士に相談・依頼した場合は弁護士費用が必要です。

また、調停離婚・裁判離婚による場合には、別途、裁判所に手続のために必要となる印紙・切手を購入するための諸費用を負担することになります。

それでは、一体、離婚するためには、どれくらいの費用を負担することになるのでしょうか。ここでは、一般的な弁護士費用についてご説明いたします。

離婚のために発生する諸費用

弁護士費用

法律相談料

法律相談料とは、弁護士に離婚事件について相談する際に発生する費用のことです。

着手金

着手金とは、弁護士に離婚事件を依頼する際、事件処理の着手のために必要となる費用のことです。この着手金は、事件処理の結果としての成功・不成功を問わず、必ず発生する費用になります。

報酬金

報酬金とは、弁護士の離婚事件の処理の結果として依頼者に利益をもたらした場合に発生する費用のことです。

そして、離婚事件における依頼者の利益は、慰謝料、財産分与、養育費等に関する金銭的利益のほか、親権、面会交流等に関する非金銭的利益の2種類になります。

時間制報酬

時間制報酬とは、弁護士の離婚事件の処理に要した時間に応じて発生する対価です。通常、時間制報酬を採用する場合には、1時間あたり〇〇円の単価を設定しており、着手金+報酬金の弁護士費用は発生しません。

日当

日当は、離婚事件の処理に際して生じる弁護士の時間的拘束に対する対価です。通常、短時間の時間的拘束に対する対価は、着手金に含まれていますから半日以上の比較的長時間の拘束が生じるとき、日当が発生することになっているようです。

なお、時間制報酬を採用している場合には、日当にあたる費用は既に時間制報酬に含まれていますから別途日当は発生しません。

裁判手続費用

離婚調停の手数料

離婚調停の申立には、1,200円の手数料を要します。この手数料は、1,200円の収入印紙を購入することにより納めることになります。

離婚訴訟の手数料

民事訴訟を提起する際には、訴訟のための手数料を請求内容に応じた額の収入印紙を購入する形により納めることになります。そして、離婚訴訟を提起する場合には、最低13,000円の収入印紙を購入する必要があります。

切手代

離婚調停の申立、裁判離婚の提起の際には、裁判書類の送達のために必要となる切手を購入して裁判所に納める必要があります。必要となる切手の総額は、5,000円程度になるものの細かい部分は、各裁判所により異なるため事前に電話・窓口において確認する必要があります。

なお、当然、不要になった切手は最終的には返却され、また、不足すれば追加の納付を求められます。

その他

その他、離婚調停、離婚訴訟を起こす際に必要となる戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)などの書類を取得する費用など書類取得費用を負担することになります。

離婚の種類に応じた費用の目安

協議離婚のケース

協議離婚のケースでは、弁護士に相談・依頼することなく当事者間の話し合いにより全て解決できれば、費用は全く発生しません。離婚届を取得するための費用は掛かりません。

他方、弁護士に相談・依頼した場合の費用の目安は、以下のとおりになります。

法律相談料

弁護士の法律相談料の目安は30分5,000円です。但し、離婚事件の法律相談については、初回のみ無料、30分のみ無料など割引されていることがあるようです。

着手金・報酬金

協議段階においては、弁護士の着手金の相場は、25万円程度であり、報酬金の相場は得られた経済的利益(養育費の場合は2年分)の10%~20%、非金銭的利益の場合は10万円程度のようです。

時間制報酬

時間制報酬の目安は、1時間2万円です。

日当

日当の目安は、半日の場合は3万円~5万円、1日の場合は5万円~10万円です。但し、協議段階では、裁判手続のための時間拘束はないため日当は、原則として発生しません。

調停離婚のケース

調停離婚の場合の費用については、上記の弁護士費用のうち、まず着手金は協議着手金に加えて必要となり40万円程度になり、調停に同席してもらう場合は長時間の拘束になる可能性があるため日当の発生するケースがあるでしょう。

なお、協議段階から既に依頼している場合、多くの法律事務所・弁護士は、着手金を割引するようです。

また、離婚調停は、家庭裁判所を利用する裁判手続であるため別途、調停手数料1,200円、切手代5,000円前後、戸籍謄本取得代450円などの実費を要します。

裁判離婚のケース

裁判離婚の場合の費用については、上記の弁護士費用のうち、まず着手金は協議離婚・調停離婚に加えて必要となり、50万円程度になります。但し、協議段階・調停段階から依頼している場合の着手金は、割引になることが多いです。

さらに、離婚訴訟において当事者・証人を尋問する場合、弁護士は、数時間は拘束されるため日当が発生する可能性があります。

また、弁護士費用とは別に訴訟手数料として最低13,000円、切手代5,000円前後を必要とします。

離婚のために要する諸費用の一覧表

費用項目 相場
法律相談料 30分5000円
着手金 協議段階 20万円程度
調停段階 上記に加えて20万円~30万円(協議段階から依頼の場合は割引)
裁判段階 上記に加えて30万円~40万円(協議段階・調停段階から依頼の場合は割引)
報酬金 金銭的利益 経済的利益の10%~20%
非金銭的利益 10万円~
時間制報酬 1時間あたり2万円
日当 半日 3万円~5万円
1日 5万円~10万円
その他 調停手数料 1200円(収入印紙)
訴訟手数料 1万3000円~(収入印紙)
切手代 5000円前後(切手)
書類取得料 戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)の場合1通450円

弁護士費用は自由化されているためよく検討をするべき

離婚のためにかかる諸費用には、以下があります。

  • 離婚のために必要となる費用は、弁護士費用と裁判手続費用(実費)の2種類ある
  • 弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金、時間制報酬、日当など
  • 裁判手続費用は、調停手数料、訴訟手数料、切手代、必要書類取得費用など
  • 当事者同士での話し合いにより全て解決できれば費用は掛からない
  • 弁護士に相談・依頼した場合には相談料などの費用が掛かるが、相談のみの場合初回無料を利用すれば費用は掛からない
  • 弁護士費用は依頼する段階に応じて異なり、協議より調停、調停より裁判の段階になるにつれて増額する

このように、離婚を決意して具体的手続を踏む段階になれば、弁護士や裁判所を利用する段階において費用を負担しなければなりません。弁護士費用は自由化されており、法律事務所・弁護士により様々ですから相談・依頼する前に確認しておくと良いでしょう。

ここまで、一般的な弁護士費用をご説明させていただきましたが、当事務所では、バックアッププランからフルサポートプランまで、お客様の情況やご要望に応じた幅広い料金プランをご用意しております。無料の電話相談も行っておりますので、まずはお客様の情況とご要望をお聞かせください。離婚に詳しい弁護士が「どうするべきか」アドバイスもいたしますし、料金についてもわかりやすくご説明させていただきます。悩む前にまずは一度ご相談ください。

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