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後遺障害用語辞典

後遺障害等級認定に関する用語を集めました。

異議申立いぎもうしたて
後遺障害等級などについて、自動車保険料率算出機構に対して行う不服申立て。
意見書いけんしょ
後遺障害など医学的なことが争点となった訴訟や異議申立で、立証の手段として、専門家(医師)からもらうコメントのこと。「鑑定意見書」「私的意見書」などとも呼ぶ。
過失相殺かしつそうさい
事故の態様によって、被害者にも事故発生の一因が認められる場合に賠償額の一部を減額すること。例えば、被害者30%、加害者70%の過失割合の場合、被害者は損害額の70%(100%-30%)のみを受け取ることになる。判例タイムズ別冊38号などに詳細が掲載されているが、詳しくは弁護士に相談するのが良い。
くも膜下出血くもまくかしゅっけつ
脳を保護する膜の一つくも膜と、脳との間のスペースであるくも膜下にある血管が、交通事故のケガや病気が原因で痛んで切れ、出血する状態。その結果、くも膜下に流れている脳脊髄液に血液が混じる。高次脳機能障害の原因の一つとなる。
供述調書きょうじゅつちょうしょ(供述書、供述録取書)
刑事手続において、警察官や検察官が、被疑者、被害者又は参考人から事情を聴取して作成した文書。民事訴訟では、事故態様を知るための貴重な(場合によっては被害者にとって有害な)証拠となる。
後遺障害こういしょうがい
治療を継続しても改善が認められない状態において残存する支障や障害。交通事故では、1~14級と非該当の15種類に分けられ、どの等級の後遺障害に当たるかの認定基準は労災の基準に準拠している。
後遺障害慰謝料こういしょうがいいしゃりょう
後遺障害を負ったことによる精神的苦痛を慰謝するために認められる損害の費目。
後遺障害等級認定こういしょうがいとうきゅうにんてい
後遺障害の状態を記載してもらうための診断書。自賠責保険会社に提出する前に弁護士にチェックしてもらったほうが良い。複数の診療科で治療をしていた場合には全ての診療科で診断書を作成してもらった方が無難。
後遺障害診断書こういしょうがいしんだんしょ
後遺障害が残った場合、医師に後遺障害診断書の作成を依頼し、保険会社→損害保険料率算出機構の審査を経て、後遺障害の程度=等級が認定される。この等級に応じて、自賠責保険による障害補償や慰謝料が支払われる。保険会社リードで行われるので、弁護士に相談しながら適切な補償を獲得するようにしたい。認定結果については異議申立ができる。
後遺障害表こういしょうがいひょう(後遺障害等級表)
後遺障害等級認定の基準となる表。障害のある身体の部位、障害の系列、障害の等級(序列)で、14等級、140項目に分類されている。
示談じだん
相互の互譲により和解すること。交通事故の示談で相手方が保険会社の場合、弁護士に依頼しないと低額な合意となってしまう例が多い。
実況見分調書じっきょうみぶんちょうしょ
警察が作成する事故現場の状況や事故の発生状況を図面化した調書。加害者の指示説明しかない調書が多いが、民事裁判ではこれを前提に過失割合を決定する。
自動車損害賠償保障法じどうしゃそんがいばいしょうほしょうほう
自動車事故で人の命や身体が害された時の、損害賠償を補償する制度を確立することで、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的に制定された法律。この法律に基づき、自動車事故被害者への最低限の補償のため、国が設けた保険システムが、自賠責保険(俗称強制保険)。
自由診療じゆうしんりょう
健康保険などの公的医療保険を使用せずに、医療機関と患者の相対で決めた単価で診療を受けること。健康保険等使用時よりも、単価が2~3倍になる。
症状固定しょうじょうこてい
治療を継続しても改善が見込まれないこと。
損害賠償金そんがいばいしょうきん
交通事故の場合は、主に、医療関係費、慰謝料、損失利益、休業損害などに対して支払われるもの。損害額の算定や請求書の作成は被害者自身でしなくてはならないので、弁護士に相談する方が安心。
損害保険料率算出機構そんがいほけんりょうりつさんしゅつきこう
日本で営業活動を行うすべての損害保険会社の出資で設立された特殊法人。保険会社からの依頼を受けて、後遺障害の等級認定を含む、自賠責保険の損害調査を行う。
着手金ちゃくしゅきん
弁護士に事件を依頼する際に最初に支払う弁護費用。
脳挫傷のうざしょう
交通事故の衝撃が脳を直撃して、脳の機能が損傷を受けた状態。高次脳機能障害、遷延性意識障害、外傷性てんかんなどの深刻な後遺障害の原因となる。
パラリーガルぱらりーがる
弁護士の業務をサポートして処理効率を高めるため、弁護士の指示・監督のもと法律業務を行う、法律事務専門職のこと。特に交通事故や多重債務の分野での活躍が注目されている。
びまん性軸索損傷びまんせいじくさくそんしょう
交通事故などで、脳全体が頭蓋骨の中で強く揺すられたような状態になり、神経軸索が広範囲に渡って損傷され、高次脳機能障害などの深刻な後遺障害の原因にもなる。CTの画像所見と臨床症状が合わない場合があるので、事故直後の検査や、後遺障害診断書の作成を依頼する際などに注意が必要な症状である。