事故により下半身不随になってしまった

自車:原動機付自動車(原付バイク)
相手:普通自動四輪
態様:自車が信号のある交差点を青信号で直進していたところ、相手が対向車線から右折をしようとしてきて、衝突したというもの

  • 《取得金額 1億2805万4626円》
  • 胸腰椎脱臼骨折、左鎖骨遠位端骨折、両側気胸、多発肋骨骨折

  • 後遺障害等級1級1号

事例に近いお悩みをお持ちの方、
まずご相談ください

1 相談内容

 「事故に遭った」とご家族からのお電話でした。ご本人はICU(集中治療室)におられるとのことで、詳細がわからないものの、ひとまず原付バイクと普通自動四輪との右直事故であること、おそらく今後歩くことができないであろう後遺障害が残りそうな大怪我をされたことを把握しました。こちらからは交通事故事件の一般的な流れをご説明し、ご本人が集中治療室を出られてから一度、ご家族と面談させていただくお約束をしました。
 面談の日、事故の状況やお怪我の状況、ご本人の様子などを詳しくお伺いし、こちらからも交通事故事件のお手続き、特に後遺障害の等級に関してご説明させていただきました。弁護士費用特約を付けておられなかったのですが、ご家族だけではお手続きをするのにご不安があるとのことでしたので、弊所でご依頼いただくこととなりました。

2 解決までの流れ

(1)物損

 自車の評価額、着衣損害と相手の車両修理額とを過失割合95:5で相殺するという内容で解決しました。なお、事故態様からすると基本の過失割合は85:15ですが、直近右折(直進車の至近距離で右折をすること)の修正がかかり、過失割合は95:5となりました。

(2)人損

 お怪我の治療としては、まずは事故直後に手術を受けられ、その後入院をしながらのリハビリを続けられ、事故から約9ヶ月後に症状固定となりました。症状固定時の自覚症状としては、「両下肢完全麻痺、感覚脱失、排尿・排便困難」。検査の結果としても「感覚脱失、両下肢完全麻痺、下肢腱反射消失」、「神経因性膀胱、直腸障害があり、排尿・排泄が困難」と判断され、後遺障害等級としては1級1号「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」に該当すると判断されました。その後、ご自宅に戻られるまでの間、障害者支援施設で生活をされながら、日常生活の動作をできるだけ自力で行えるようにリハビリを続けられました。
 本件で代理人弁護士としてさせていただいたお仕事は大きく2つあります。
 ひとつめは生活環境の調整です。障害者支援施設の職員の方、役所の方やリハビリ担当の方らと話し合いをして、ご依頼者さまのお身体の様子やリハビリの状況を共有したうえで、申請できる役所での手続き関係の整理をしたり、自宅で生活するために必要な器具などの整理をしたり、リフォームが必要な箇所を整理するなどして、将来的にご依頼者さまが障害者支援施設を出てご自宅で生活をされるための環境を調整する会議に代理人弁護士として参加しました。我々は現状の相手方保険会社との交渉の状況や、今後見込まれる賠償についてご説明させていただき、さらに相手方保険会社に賠償金を請求するために必要な書類などをご案内させていただいて、特に生活に必要な器具やリフォームの必要にかかる資料を取り付ける準備をしました。
 ふたつめは、相手方保険会社との交渉です。相手方保険会社にも代理人弁護士が就いていましたので、いわゆる弁護士基準でお話し合いをしました。傷害部分については、これまでにすでに発生している損害ですので、算定が比較的容易であるものの、後遺障害に基づく損害については将来発生しうる損害を算定しなければいけないので、容易ではありません。そこで我々は過去の裁判例を調査し、請求額を裏付ける理由を固めました。また、代理人弁護士の仕事は相手方代理人に請求するだけではありません。交渉をまとめていくことも必要ですので、折り合いを付けられる項目、つけるべき項目や訴訟提起に踏み切るべきラインの見定め、交渉でまとめるメリット・デメリット、訴訟提起をしたときのメリット・デメリットをご依頼者さまにご提示させていただきながら、ご家族も交えて何度もお打ち合わせをさせていただきました。
 最終的には、交渉でも合意可能なラインに達しましたので、訴訟提起をせず交渉でまとめ事件を集結させることとなりました。

3 まとめ

 突然交通事故に遭って、お身体はお怪我で思うように動かないのに保険会社からは頻繁に連絡が入るし、保険会社からいわれる専門的な用語は難しいし、今後の流れもわからないし・・・ストレスがかかりすぎているという方、弁護士にご依頼いただきましたら、まずは保険会社からの連絡の窓口をお引き受けできますので治療に専念していただけるかと思います。また、何回でもご納得いただけるまでご説明差し上げますし、手続き関係も基本的には弁護士にお任せいただくことができます。さらに、弁護士が介入することにより賠償額の増額の可能性も高くなりまし、本件のように将来の生活環境の調整もお手伝いさせていただけることがあるかもしれません。交通事故に遭われてお困りの際は是非、弊所にご連絡くださいませ。どのような些細なご相談でも丁寧に対応させていただきます。

監修:弁護士法人キャストグローバル
   人身傷害交通事故担当