膝関節には関節を支え、左右前後のズレを防止している靭帯の他に、関節の動きを滑らかにし、クッションの役目を担当する半月板という組織があります。大腿骨と脛骨の間に存在し、もんこイカの刺身をイメージさせる色と硬さの軟骨のクッション、上下の圧力を分散し、関節軟骨を保護しているのです。医学的には、細胞外線維性基質と説明する軟骨の一種です。

美しく優しい組織なのですが、一たびこれが割れたり切れたりしようものなら、めくれこんで関節軟骨を削ったり、骨と骨の間に引きずり込まれたりして大暴れをするのです。
交通事故では、膝を曲げた状態で捻った際に、半月板が大腿骨と脛骨の間に挟まれて、損傷を受けるのです。

症状

痛みや炎症による腫脹、膝のロッキング等が認められます。
半月板の辺縁部には血管が存在し、損傷が、血管の存在する辺縁部まで達したときは、関節内に出血します。
可動域制限や膝を曲げるとグキグキの異常音を発します。

診断

  1. マクマレー・テスト

    仰向けで、膝を最大限曲げ、ゆっくりと足を医師が動かすと、膝に激痛やグキグキの異常音が聞こえます。

  2. グリンディング・テスト

    うつ伏せで、膝を90度屈曲し、踵を下に押しつけながらまわすと痛みを発します。

上記のテスト以外に、単純XP撮影、CTスキャン、関節造影、MRIなどにより診断をしていますが、MRIがとても有効です。関節鏡検査は、直接、半月板の損傷を確認することができます。

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