浪費癖、生活費を渡してくれない
浪費癖が離婚理由
入ったら入っただけ使う。貯金が全くできない。
老後の糧、子どもの学費、日本では一定程度将来のために貯蓄するといった考えが一般的ですし、ライフプランに係る重大な問題ではあるのですが、直ちに離婚できるか、裁判離婚の理由となるかというと、そうではありません。
ここでも、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たるかが問題になります。つまり、客観的な証拠と浪費の程度が問題です。
浪費癖の客観的な証拠
浪費であることを、他人が分かるように、証拠を集める必要があります。
- レシートや領収書で買ったものがわかるもの
- ブランド物の写真
- ローン等の契約書
- ギャンブルをした証拠(馬券、宝くじ券、舟券、パチンコ店への出入り)
その他これらに近いものを何枚も集めてください。一度二度では、癖とまでいえません。さらに、その浪費が、夫婦生活に大きな影響をもたらすものでることを示す必要があります。収入が多い夫婦ですと浪費といえない場合もあります。
- 源泉徴収票
- 確定申告書の写し
- 通帳の異動明細
- 世帯の所得証明書
浪費によって生活できない
浪費かどうか価値観によるところが大きいため、判断が難しい場合があります。しかし、生活費を割り込むほど消費し、生活に必要な消費でないのであれば、浪費との判断が容易となります。この場合は、生活費が足りないことがわかる証拠が必要です。
- 家賃、光熱費等必要経費の領収書等
- 衣服費、食費の領収書
生活費を渡してくれない
夫婦は、互いに支え合い夫婦生活を成り立たせる義務があり、生活費を2人で分担する義務があります。一方が生活費すべてを負担し、相手にも収入があるにも関わらず、すべて好きに消費しているという場合は、この義務に違反しています。相手に対して、生活費(婚姻費用)を渡すように要求できます。
生活費(婚姻費用)の具体的金額は、互いの収入等によります、裁判所のホームページ等で、算定表が掲載されていますので、参考にしてください。生活費(婚姻費用)は、法律婚状態であれば、同居・別居問わず、渡さなければなりません。
したがって、どちらかが一方的に出て行った場合でも支払う必要があります。勝手に出て行ったのだから、相手が悪いのであって、払うのはおかしいという相談をよくお受けします。しかし、生活費の支払いは夫婦である以上当然であり、どちらかが悪かったら払わなくていいという問題ではありません。
そもそも、出て行った方が悪いとはいえません。出ていかざるを得ない状況まで追い込まれている可能性もあります。暴力を受けていて出ていくしかない等です。もちろん、他に相手を作って勝手に出ていく等、出て行った方が悪いという場合もあるでしょう。
いずれにしろ、出て行ったから悪いとはならないでしょう。
婚姻費用を請求する(調停を申し立てる)
離婚の話をする前または同時に、相手に対して、生活費(婚姻費用)を払うように交渉します。交渉に応じないときや、話をすることもできないような状況なら、家庭裁判所に婚姻費用を払うように求める調停を申し立てます。家庭裁判所は、生活費(婚姻費用)の額を決めるにあたって、双方の収入を基礎として、互いの生活状況、別居の理由などを考慮します。
離婚について話を進める
生活費(婚姻費用)を要求しつつ、離婚の話を進めていきます。離婚すれば、生活費(婚姻費用)を払う必要がなくなるため、相手に対して、離婚をした方が良いと思わせる一つのプレッシャーになります。
間違えないようにしていただきたいのが、養育費とは別です。養育費は、離婚後も払い続けないといけません。結婚しているときは、生活費(婚姻費用)に養育費を含んでいます。