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離婚・慰謝料 解決事例、コラム

当事務所で解決した離婚・慰謝料事例の一部のご紹介となります。

男性
性別:
男性
年代:
40代
婚姻歴:
13年
子ども:
あり

より有利な条件で離婚を

1 事情

Aさんは結婚歴13年、子どもが4人いる平穏な家庭を今まで築いていました。しかし、ある時期を境に妻の態度が急変。妻から「別れてほしい」と急に迫られたことから不審に感じたAさんはその理由を問いただしたところ、妻の不貞が発覚した。妻とは離婚したいものの、妻側の親戚も話合いに参加してきて、離婚協議が進まず困っているというケースです。

2 当事務所の対応

Aさんは妻の裏切りに強いショックを覚えつつも、どのように離婚の話を妻と行い解決すべきかわからないためアドバイスがほしい、また不貞の相手方に対しては慰謝料請求を行いたいということでご来所されました。Aさんのご要望としては、

① 妻とは現在同居しているが速やかに離婚したい。
② 不貞について妻及び相手方に対して慰謝料請求をしたい。
③ 子どもたち4人の親権は自分が獲得して現在居住する家での生活を守りたい。
④ 財産分与の話をより有利に進めたい。

というものでした。
弁護士が面談にてご相談をお聞きした時点で、妻側も親権について決めかねている様子でした。他方で、妻は、Aさんが離婚の件を強く切り出せば切り出すほど、金銭的な条件を厳しくすればするほど現状に耐え兼ねて子どもたちを連れて家を出てしまう恐れがあるという状況でした。近年、男性側の親権が監護の実績や子との関係性等を慎重に判断して以前よりも比較的認定されやすい傾向にあるとはいえ、妻の監護状況に特段問題がなかった本件で妻に子どもを連れて出られた場合、Aさんが親権を獲得することは極めて困難であると言えました。
弁護士の対応としては、離婚協議全般について受任し、Aさんの代理人として①〜④の全要望を徹底的に主張するという方法も考えられました。長年連れ添った妻による突然の裏切りを考えれば、こうした主張ももっともであるとも思われます。しかし、Aさんとしては親権を獲得して今後も子どもたちと一緒に生活するという点(要望③)に何よりも重きを置いておられたことから、妻に対する強い要求は得策ではないと考えました。
そこで、金銭的に余裕がないと思われる妻にはあえて不貞慰謝料を請求せず、Aさんが親権者となり責任をもって子どもたちを養育するという内容で速やかに離婚協議を行い、不貞慰謝料は相手方から請求してはいかがでしょうかとご提案しました。もっとも、子どもたちの養育にはそれなりの費用がかかることから、その分の費用を考慮に入れて財産分与するよう協議してみてはどうかとも併せてご提案しました。
Aさんは、離婚協議書の内容に不備があっては困るが協議書の作成には自信がない、仕事で多忙な中協議書を作成する余裕がないとのことでした。そこで、弁護士は、妻との離婚案件について離婚協議書の作成業務を行うという形でサポートし、妻との離婚が成立次第、不貞相手に対する慰謝料請求の交渉を行うという方針で打ち合わせを行いました。

3 結果

Aさんの要望が可能な限り実現できるよう弁護士が離婚協議書を作成し、Aさんにご提示しました。結果、離婚協議書をもとにAさんは妻との間で離婚協議を行い、弊所にご依頼をいただいてからひと月が経たない間に離婚協議がまとまりました。子どもたちの親権は無事Aさんが獲得することとなり、現在はお子様たちとの新たな生活を始められています。
仮に、今回の事案で妻と親権の争いになった場合、親権者を定めるために調停及び審判を行うこととなりますが、こうした手続きが開始された場合解決までに1年以上かかったとしてもおかしくはありません。夫婦が離婚するにあたって子どもの親権の所在は、最も重要な事項となっているため親権者が定まらない限り離婚もできません。また、万一子どもたちを妻に連れて出られた場合、Aさんは子どもと離れた生活を強いられる上、多くの場合男性側は養育費の支払い義務が発生します。離婚協議を速やかにまとめることができなかった場合、不貞による精神的苦痛の中、さらに辛い状況に置かれるといったこともあり得る事案でした。結果として弁護士が協議書作成をサポートすることで、親権を獲得するという希望を達成しつつスピード解決ができたことから、ご依頼いただいた価値がある事案だったと思います。
今回離婚協議の際、妻に対する不貞慰謝料請求は名目上行わなかったものの、子ども名義の預金は子どものために親権者たるAさんが管理することにする等工夫を行いました。不貞をされた当事者からすれば可能な限り裏切りの代償を支払ってもらいところではあります。もっとも、裁判上、不貞慰謝料として認められる金額の相場は不貞を行った当事者二人で総額100〜200万円と決して高いと言える金額ではありません。だからこそ、どのような解決が結果として最良であるのかを適切に判断できる弁護士が協議をサポートすることは意味があると本件を通じて感じました。

4 感想

夫婦がいざ「離婚をしたい」と思っても、親権・養育費・財産分与・面会交流・年金分割等、離婚前に決めておくべき事項は多岐にわたります。そして、どの点は譲ることができてどの点は譲ることができないか、各人が最も重視している事項はご依頼者様によって異なります。そのため、事案によっては本件のように弁護士が代理人として表立って協議を行うべきか悩ましい・むしろ逆効果である場合も当然あり得ます。そのような場合、弊所では、離婚協議の全事項につき代理人として協議を進めるフルサポートプランはもちろんのこと、本件のように離婚協議書作成のみをさせていただく離婚協議書作成プラン(公正証書化する場合は公正証書作成プラン)、離婚の話合いはご自身で進めつつも継続的に弁護士が状況を把握してアドバイスさせていただくバックアッププラン、離婚後に年金分割の審判手続きもしくは子の氏の変更手続きをサポートさせていただくアフターケアサポートプラン等、個々の事案やご依頼者様の要望に合わせて適切なプランがございます。個々の事案に適した解決策をご提案させていただけることと思いますので、ぜひご気軽にご相談いただければと思います。