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離婚・慰謝料 解決事例、コラム

当事務所で解決した離婚・慰謝料事例の一部のご紹介となります。

女性
性別:
女性
年代:
20代
子ども:
あり

夫の浮気相手に対して慰謝料を請求したい

1 本件の概要

結婚から数カ月で、夫の不貞行為が発覚し、夫とは離婚する方向に・・・。
不貞相手に対して慰謝料を請求したいというご依頼でした。
婚姻期間も短く、不貞の期間としても1か月程度でしたが、不貞行為発覚後に、一度依頼者様から直接不貞相手に対して不貞関係を精算するようにと通告していたにもかかわらず、その後も関係を継続している様子がうかがわれるというケースでした。
また、不貞相手の資力にも不安がありそうな状況でした。

2 依頼者様のご希望

依頼者様としては、①出来るだけ早期に解決したい。②きちんと認めて反省して欲しい。③離婚する方向ではあるが、きちんと不貞関係を精算して欲しい。というご要望でした。

3 具体的な交渉過程

住所の特定等に若干時間がかかりましたが、それでもご相談から2カ月以内のスピード解決が出来ました。慰謝料額についても多額とまではいきませんが、交際期間や婚姻期間等から考えると妥当な額(相手方の当初の提示の2倍の額)の慰謝料を一括で支払ってもらう形(もちろん、謝罪文言や接触禁止約束も含めた内容)での解決となり、依頼者様にも喜んで頂きました。
交渉過程としては、弁護士からの通知に対し、不貞相手もすぐに弁護士を依頼したようで、当初から相手方弁護士との交渉を行いました。当初は求償権放棄と引き換えにした減額請求や資力を理由にした減額請求、不貞については夫側に責任がある等の主張がなされました。しかし、依頼者様としては求償権放棄の要望が一切なかったことから、仮に夫側が積極的に不貞相手との交際を望んだとしても(関係を強制された等自由意思に基づくものといえないケースを除き)、妻側からは全体の損害を主張できる(減額理由にならない)こと等を主張し、最終的には納得できる和解に至ることができました。

4 不貞行為の慰謝料請求について

不貞行為の慰謝料請求は、配偶者(このケースでは夫)及び不貞相手の双方に請求しても構いませんし、どちらか一方にだけ請求しても構いません。ただ、両方に請求すれば二倍の慰謝料が請求できる・・というわけではなく、慰謝料額が仮に200万円だとすると、請求する側はその200万円を不貞相手から回収しても夫から回収しても構わない(半分ずつ回収しても構わない)ということです。仮に夫側が不貞行為の主導権を握っていたなど、夫側の責任が重いとしても、不貞相手が妻に対して支払う慰謝料減額の根拠にはならず、妻は不貞相手に慰謝料全額を請求できます。一方で、妻に200万円全額の慰謝料を支払った不貞相手は、そのうち自分の責任部分(負担割合)を超える部分については、夫に対して請求することができます(求償権)。不貞相手と夫との間でどちらが責任が重いかというのは、この求償権行使の段階で不貞相手と夫との間で解決すべき問題だということになります。

今回のケースで、不貞関係について夫の方に責任があるという相手方の主張が、被害者である妻からの慰謝料請求に対して減額を求める理由にならないというのは、どちらの方が悪いかは被害者である妻には関係ないということです。
ただ、不貞相手に対する慰謝料請求の際に、求償権放棄を前提として慰謝料額の減額交渉をするということは、実務上はよくあります。夫婦が離婚しない場合には、200万円を不貞相手から受領したものの、不貞相手から夫に対して(例えば夫の方が負担割合が大きい等と主張して)140万円の求償権行使をされると、夫婦の財産としては結局60万円しか入らないという結果になる場合もあります。そうすると、求償権を放棄させたうえで100万円を慰謝料として受領した方が良いというケースもあります。また、求償権行使を理由に不貞相手と夫が連絡を取り合ったりお金のやり取りをされる等、何らかの関わり合いを持たれるのが嫌だという場合もあります。
ご家庭の問題や慰謝料請求など、依頼者様の優先されたい条件やご要望に沿った解決は、依頼者様ごと、ケースごとに違ってきますので、どのような解決を望まれるのかじっくりお話させて頂いて最適な解決が出来るように尽力いたします。こんなこと言いにくい・・と思わずに、まずは一度ご相談ください。