離婚時の財産開示手続|相手が拒否しても隠し財産を暴く全手段を弁護士が解説

監修者 弁護士法人キャストグローバル
離婚部弁護士
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目次を表示離婚にあたり、相手が財産を正直に開示してくれず、「このままでは不当に少ない財産分与で合意させられてしまうのでは」と強い不安や憤りを感じていませんか。
相手が財産の開示を拒否していても、諦める必要はありません。
この記事を読めば、ご自身の状況で利用できる法的な財産調査の手法がわかり、隠された財産を明らかにして、適正な額の財産分与や養育費を確保するための具体的な道筋が見えてきます。
この記事でわかること
・ 離婚の進行状況(協議・調停中/離婚後)で利用できる財産調査の手段
・ 相手が財産を隠す際に使いがちな典型的な手口
・ 弁護士だからこそ可能な財産調査の方法と依頼するメリット
離婚の財産分与で相手が財産を隠す…「財産開示手続」という言葉の正しい意味とは?

「財産開示手続」とは、一般的に相手の財産を明らかにする手続き全般を指す言葉として使われがちですが、法律上は限定的な意味を持ちます。
法的に厳密な「財産開示手続」は、離婚が成立し、慰謝料や養育費の支払いが確定した後、相手が支払いをしない場合に、その財産を明らかにするため裁判所を通じて相手の財産を明らかにさせる法的手続きです。
離婚協議中や調停中に使える制度ではありません。
離婚協議中の財産分与などの話し合いで相手が財産の開示を拒む場合に財産を開示させる手続きは、情報開示命令です。
離婚の進行状況によって、利用できる財産調査の方法は異なります。
離婚のフェーズで全く違う!相手の財産を明らかにするための法的手段

離婚手続きのどの段階にいるかによって、相手の財産を調査するための法的な手段は異なります。
離婚に向けた話し合いの段階である「離婚協議・調停中」と、すでに離婚が成立し金銭の支払いが滞っている「離婚成立後」では、利用できる制度が明確に区別されています。
それぞれのフェーズでどのような手段が有効なのかを正しく理解することが、財産の特定につながります。
【離婚協議】に使える「弁護士会照会」と【裁判手続き】で使える「調査嘱託」「情報開示命令」
離婚協議の段階で相手の財産を調査するには、「弁護士会照会」という方法です。
弁護士会照会は、弁護士が依頼を受けた事件について、所属する弁護士会を通じて企業や団体に必要な情報を照会する制度です。
金融機関に口座の有無や取引履歴の開示を求めることができます。
一方、裁判手続きにおいては、これまで調査嘱託がメインとなってきましたが、2026年4月1日からは、裁判所が相手に対して財産の開示を命令することができるようになりました。
いずれも相手の同意なく財産を調査できる可能性があります。
【離婚成立後】養育費や慰謝料の不払いに対応する「財産開示手続」
離婚が成立し、調停調書や判決で養育費や慰謝料の支払いが確定したにもかかわらず、相手が支払わない場合に利用できるのが、民事執行法に基づく「財産開示手続」です。
これは、債権者の申立てにより、裁判所が債務者を呼び出すなどして財産状況を陳述させる手続きです。
開示に応じない場合や虚偽の陳述をした場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰が科されるようになり、実効性が大幅に強化されました。
また、2020年の法改正により、確定判決などの「執行力のある債務名義」があれば、離婚調停の段階で作成された調停調書でも申し立てが可能になりました。
これにより、離婚成立後に相手が財産を隠しても、預貯金や勤務先などの情報を第三者機関から直接取得できる「第三者からの情報取得手続」への道が開かれ、差し押さえによる確実な回収が期待できます。
第三者に対して相手の財産を照会できる「情報提供命令」とは

離婚調停で財産分与を話し合う際、相手が預貯金や不動産などの財産を開示してくれないケースがあります。
このような場合、裁判所を通じて、第三者に対して財産を開示するよう命令を出してもらうことができます。
なお、「情報提供命令」は、民事執行の一部であり、債務名義、執行力のある債務名義を持っている必要があります。
従来の「調査嘱託」との違いと申立てにおける注意点
調査嘱託は、裁判所が金融機関などの第三者に対して、必要な事項を調査・回答するよう依頼する手続きです。
離婚調停中に相手が財産資料を提出しない場合には、調査嘱託によって金融機関などから情報を得られる場合があります。
一方、情報提供命令は、第三者に対して、本人の給与等の情報を開示する命令です。
本人に対する命令である財産開示命令とは異なり、第三者に対して求めるものです。
第三者でありますから、嘘をついたり、開示しないことのメリットはありませんから、正しい適切な情報が開示されます。
相手が財産を開示しない場合は、現在の手続きの段階と調べたい財産を整理したうえで、適切な手続きを検討することが重要です。
「通帳を紛失した」は嘘?配偶者が使いがちな財産隠しの典型的な手口

相手が非協力的な場合、典型的な財産隠しの手口を知っておくことも重要です。
財産分与を有利に進めようと、財産を隠す配偶者は少なくありません。
「その口座は解約した」「残高は0円で放置しており、通帳はどこに置いたか忘れた」といった言い訳は、財産開示を拒否するための常套句である可能性があります。
正直に財産を開示しない相手に対しては、よくある隠し方のパターンを把握しておくことが、隠匿された財産を発見する第一歩となります。
手口を知ることで、法的な調査手続きをどこに集中させるべきかの判断材料にもなります。
手口①:タンス預金や貸金庫に現金を隠す
最も原始的かつ発見が困難な方法の一つが、銀行口座から現金を引き出し、自宅のタンスや貸金庫に保管する手口です。
金融機関の取引履歴には出金の記録しか残らないため、その現金の行方を追跡するのは容易ではありません。
ただし、別居前に不自然な多額の出金がある場合、その使途を説明するよう求めることで、相手を追及する糸口になることがあります。
貸金庫の存在が疑われる場合は、金融機関への照会で契約の有無を確認できる可能性があります。
手口②:親や兄弟など第三者名義の口座に資金を移動させる
自身の口座から親族など第三者の口座へ資金を移し、自分の財産ではないように見せかける手口も頻繁に用いられます。
これも取引履歴を精査し、不自然な大口の送金がないかを確認することが重要です。
送金の事実が判明した場合、それが財産分与を免れるための意図的な財産隠し(詐害行為)であると主張できる可能性があります。
ただし、第三者名義の口座情報を直接照会することは原則として困難なため、立証には高度な専門知識が求められます。
手口③:株式、投資信託、保険や暗号資産などの金融資産を申告しない
預貯金以外の財産、例えば株式、投資信託、生命保険や学資保険の解約返戻金などを意図的に申告しないケースも多く見られます。
これらの財産は存在自体を把握しにくいため、見落とされがちです。
証券会社や保険会社からの郵便物、確定申告書の控え、あるいは銀行口座からの引き落とし履歴などが、これらの隠し財産を発見する手がかりになります。
また、暗号資産を海外の業者を使って保持している場合は、特定がとても困難です。
もっとも、マネーロンダリングの観点から、世界的に規制がなされており、本人確認と税務署への報告義務が課され始めているため、特定できるようになってきました。
弁護士会照会や情報提供命令は、証券会社や保険会社に対しても利用可能です。
手口④:「借金がある」と嘘をついて全体の財産を少なく見せる
実際には存在しない借金を主張し、プラスの財産から差し引くことで、財産分与の対象額を減らそうとする手口です。
親族からの借金などを口実にすることが多いですが、本当に返済義務のある借金でなければ、財産分与の計算上考慮されません。
借用書の有無や、実際のお金の動きを確認し、主張の信憑性を厳しくチェックする必要があります。
単なる口約束だけでは、法的に有効な負債とは認められないケースがほとんどです。
専門家に依頼する前に、自分自身でできることもあります。
弁護士に依頼する前に!自分でできる隠し財産の調査方法と法的な限界

弁護士に依頼する前に、まずは自分自身で収集できる情報がないか確認することも大切です。
同居している、あるいは別居後間もない段階であれば、相手の財産に関する手がかりが自宅内に残されている可能性があります。
ただし、自力での調査には法的な限界があり、一線を越えると違法行為になりかねないため、何ができて何ができないのかを正しく理解しておくことが不可欠です。
自宅にある郵便物や書類から財産のヒントを探す
自宅に届く郵便物は、財産の宝庫です。
銀行や証券会社、保険会社からの取引残高報告書、クレジットカードの利用明細、固定資産税の納税通知書、給与明細、源泉徴収票などは、相手の資産や収入を把握するための直接的な証拠となり得ます。
これらの書類は、コピーを取ったり、スマートフォンで撮影したりして、記録を残しておくことが重要です。
ただし、封緘された郵便物を勝手に開封する行為は、信書開封罪にあたる可能性があるため注意が必要です。
給与明細や源泉徴収票から正確な収入を把握する
財産分与の基準時の財産を確定させるだけでなく、養育費や婚姻費用を算定するためには、相手の正確な収入情報が不可欠です。
給与明細や源泉徴収票は、その最も確実な証拠となります。
特に、給与から天引きされている財形貯蓄や持株会の情報なども記載されている場合があり、隠れた資産を発見する手がかりになることもあります。
これらの書類が見つからない場合は、勤務先の名称と所在地だけでも正確に把握しておくことが、後の法的手続きで役立ちます。
【注意】違法な調査は絶対NG!無断でのPC確認や探偵依頼のリスク
財産を突き止めたい一心で、相手のパソコンやスマートフォンにスパイウェアを仕込んだりする行為は、不正アクセス禁止法違反などの犯罪になる可能性があります。
また、GPSを無断で相手の車に取り付ける行為も、プライバシー侵害やストーカー規制法に触れる恐れがあります。
探偵に調査を依頼する場合も、調査方法が合法的な範囲内で行われるかを確認する必要があります。
違法な手段で集めた証拠は、裁判で証拠として採用されないだけでなく、逆に相手から損害賠償を請求されるリスクもあるため、避けるべきです。
自力での調査には限界があり、法的な手続きを進めるには専門家の力が必要です。
泣き寝入りを防ぐ!財産を開示させる手続を離婚専門弁護士に依頼するメリット

相手が財産開示に非協力的で、自力での調査も限界に達した場合、泣き寝入りせずに適正な財産分与を受けるためには、離婚問題に精通した弁護士への依頼が極めて有効です。
弁護士は、法律の専門家として、個人では利用できない強力な調査権限を行使できるだけでなく、複雑な法的手続きを正確に進め、相手との交渉を代行することで、精神的な負担を大幅に軽減します。
メリット①:「弁護士会照会」という専門家だけの強力な調査権限が利用できる
弁護士に依頼する最大のメリットの一つが、「弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会)」制度を利用できることです。
これは、弁護士が所属する弁護士会を通じて、金融機関や企業、官公庁などに対して必要な情報の開示を求めることができる制度です。
個人では回答を拒否されるような内容でも、弁護士会からの照会には多くの機関が応じるため、相手が隠している預金口座や生命保険、株式などの存在を突き止められる可能性が格段に高まります。
メリット②:膨大な取引履歴から不審な出金や送金を見つけ出せる
たとえ銀行の取引履歴を入手できたとしても、数年分にわたる膨大なデータの中から、財産隠しにつながる不審な金の動きを見つけ出すのは至難の業です。
離婚事件の経験が豊富な弁護士は、どのような出金や送金が財産隠しや財産の使い込みにあたるのかを的確に判断するノウハウを持っています。
多額の現金出金や特定の個人・法人への不自然な送金などを洗い出し、法的に追及するための証拠として整理することが可能です。
メリット③:相手との精神的に疲れる交渉や法的手続を全て一任できる
財産を開示しない相手と直接交渉することは、精神的に非常に大きなストレスを伴います。
感情的になり、話し合いが進まないことも少なくありません。
弁護士に依頼すれば、そうした精神的負担の大きい交渉の窓口を全て任せることができます。
また、調査嘱託や情報提供命令、財産開示手続といった複雑な裁判所への申立て手続きも、正確かつ迅速に進めることが可能です。
法的な後ろ盾を得ることで、心理的にも安心して離婚手続きを進められます。
離婚時の財産情報取得手続に関するよくある質問

離婚時の財産調査について、多くの方が抱く疑問にお答えします。
離婚協議中でも、相手の財産を法的に調べる方法はありますか?
協議の段階では、相手の協力なしに法的に財産を調べる強制力のある手段はありません。
離婚調停を申し立てれば、家庭裁判所を通じて「調査嘱託」や「情報提供命令」といった手続きを利用し、金融機関などに財産情報を照会することが可能です。
弁護士に依頼すれば「弁護士会照会」も利用できます。
財産開示手続で相手が嘘の報告をした場合、何か罰則はありますか?
はい、あります。
離婚成立後に行われる民事執行法上の「財産開示手続」において、債務者が正当な理由なく出頭しない、宣誓を拒否する、または虚偽の陳述をした場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰が科される可能性があります。
これにより、制度の実効性が担保されています。
相手の退職金や年金も財産開示手続で明らかにできますか?
はい、明らかにできる可能性があります。
退職金や年金も婚姻期間に対応する部分は財産分与の対象です。
離婚調停や訴訟の段階であれば、「調査嘱託」や「情報提供命令」を利用して勤務先や年金事務所に照会できます。
離婚後に支払いを求める場合は、勤務先等を第三債務者として情報提供を請求することが可能です。
離婚問題と財産調査には、高度な専門知識と経験が不可欠です。
離婚の財産分与で弁護士法人キャストグローバルが選ばれる理由

当事務所は、離婚問題、特に財産分与における財産調査において、多くのご依頼者様をサポートしてきた実績があります。
複雑な財産問題を解決に導くためには、法律知識だけでなく、交渉力、調査能力、そしてご依頼者様に寄り添う姿勢が不可欠です。
キャストグローバルが持つ専門性と組織力が、難しい状況を打開する力となります。
理由①:離婚問題に特化した専門部署が担当
弁護士法人キャストグローバルでは、離婚問題のみを専門的に取り扱う「離婚専門部」を設置しています。
離婚事件は、財産分与、親権、慰謝料など、論点が多岐にわたり、高度な専門性が要求されます。
幅広い分野を扱う弁護士とは異なり、離婚事件に特化した弁護士が対応することで、最新の判例や法改正にも迅速に対応し、質の高いリーガルサービスを提供することが可能です。
離婚問題の解決事例については「離婚・慰謝料 解決事例」で詳しく紹介しています。
理由②:相談実績6,200件超!離婚専門部の集合知で隠し財産を徹底追及
当事務所の離婚に関する相談実績は6,200件以上にのぼります。
この豊富な経験は、個々の弁護士の知識にとどまらず、「離婚専門部」全体で共有されるデータベースとして蓄積されています。
多様な財産隠しの手口や、各金融機関の照会への対応傾向など、組織としての集合知を最大限に活用し、ご依頼者様一人ひとりのケースに最適化された戦略で、隠された財産の徹底的な追及を行います。
理由③:グループ内の士業連携により不動産や自社株の評価もワンストップで対応可能
キャストグローバルグループには、弁護士だけでなく、税理士、司法書士、土地家屋調査士といった多様な専門家が在籍しています。
財産分与では、不動産の評価や名義変更登記、非上場株式の価値算定など、法律以外の専門知識が必要となる場面が多々あります。
当事務所では、これらの手続きをグループ内で完結させるワンストップサービスを提供しており、スムーズかつ正確な財産評価と手続きの進行が可能です。
まとめ:隠された財産を諦める前に、まずは離婚問題の専門家へご相談ください

配偶者が財産開示を拒んでいるからといって、適正な財産分与を諦める必要はありません。
離婚のフェーズに応じて、弁護士会照会、調査嘱託、情報提供命令、そして財産開示手続といった様々な法的手段が存在します。
これらの手続きを適切に利用することで、隠された財産を明らかにし、正当な権利を確保できる可能性は十分にあります。
しかし、どの手続きを選択し、どのように進めるべきかを個人で判断するのは困難です。
財産隠しが疑われる場合は、手遅れになる前に、豊富な知識と経験を持つ離婚問題の専門家である弁護士に相談することが、最善の解決への第一歩です。
離婚問題全般については「弁護士法人キャストグローバル離婚相談」で詳しく紹介しています。
弁護士法人キャストグローバルによる離婚時の財産調査サポートのご案内

弁護士法人キャストグローバルでは、離婚に伴う財産分与、特に相手方の財産調査に関するご相談を積極的にお受けしております。
初回のご相談は無料です。
相手が財産を隠している、開示に応じないといったお悩みを抱えている方は、一人で悩まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
専門の弁護士が、状況を丁寧にお伺いし、最適な解決策をご提案します。
監修者
弁護士法人キャストグローバル 離婚部
離婚に関する記事は、当事務所の弁護士・専門スタッフが監修しています。離婚・男女問題のご相談を中心に、これまで6,200件以上のご相談に対応してきました。
離婚・男女問題で不安や悩みを抱えながら一歩を踏み出そうとしている方へ、法律のことはもちろん、心に寄り添う対応を心がけています。夫婦カウンセラーの資格を持つスタッフも在籍し、傷ついた心にも寄り添ったサポートを提供しています。