• WEB問い合わせ
  • お電話はこちら

離婚・慰謝料 解決事例、コラム

当事務所で解決した離婚・慰謝料事例の一部のご紹介となります。

女性
性別:
女性
年代:
30代
婚姻歴:
1年
子ども:
あり

夫が子どもを置いて自宅を出て行ってしまいました。

 夫が子どもを置いて自宅を出て行ってしまいました。その後、夫の弁護士から連絡があり離婚を強く迫られています。子供の今後もあるのでどのよう対応すればよいのでしょうか?

1 事情

 結婚して1年余り、Xさんと夫は性格の不一致から結婚直後から口論が絶えず、子供が生まれたばかりであるにもかかわらず夫婦関係はよくありませんでした。

 ある日、夫から離婚を切り出されましたが、Xさんに離婚する意思はありませんでした。Xさんは夫婦関係を修復するためけんか腰にならず話し合う姿勢をみせました。しかし、夫は離婚条件等について話し合うこともせず自宅から出ていき、子供を置いたまま一方的に別居を開始しました。

その後、夫の代理人からXさんに対し電話連絡があり、早期の離婚を強く迫られました。

2 当事務所の対応

 Xさんは生後間もない子供を実家から遠く離れた場所で、自分独りで育てなければならない状況に追い込まれてしまったことや夫の代理人の強圧的な態度等に強いショックを受け、今後、相手方に対しどのように対応すればよいのかわからず非常に困惑した状態で当事務所に相来所されました。そもそも離婚意思も全く固まっていない状態でしたので、弁護士は今後の方向性を協議する時間を確保するため、夫の代理人に受任通知を送りました。

 その後、弁護士は本件の方向性(離婚意思の有無、離婚条件の希望)についてXさんと時間を掛けてじっくりと協議を重ね、次のような方針を取ることとしました。

  1. ①離婚するのは仕方ないが子供のために相当額の養育費の支払いを求めたい
  2. ②曖昧になっていた婚礼費用等の清算をきちんと行いたい
  3. ③調停や裁判ではなく早期に協議により解決したい。

 当事務所の弁護士が、相手方代理人に対し、Xさんの離婚意思の有無を明確にせず離婚条件の提示を求めたところ、①及び②について到底納得することの出来ない回答が来ました。

 ここで全く離婚に応じないという対応を行うことも考えられました。しかし、離婚に応じないという対応をとると解決まで1年以上かかるというデメリットがあります。この点、Xさんは③協議による早期解決を第一希望の条件として望んでいましたので、離婚をしたいという相手の希望には譲歩することとし、交渉をつうじて①及び②を勝ち取っていくことにしました。

 そこで、弁護士は、相手方代理人に対し、①提示額の倍額の養育の支払い及び②婚礼費用の清算を強く求めました。

 

3 結果

 弁護士と相手方代理人の間で数回に渡るやりとりがなされましたが、当初、相手方代理人は算定表を盾にこちらの要求に応じることはありませんでした。

しかし、粘り強い交渉により、最終的には、①養育費は、最終的には当初の提示額の約1.6倍の養育費の支払うこと、②婚礼費用の支払いについてもほぼ当方の要求が通った内容、③受任から解決まで約4ヶ月のスピード解決と、Xさんの希望に沿った条件で協議離婚を実現することができました。

 小さな子供をひとり抱えた母親が不安や動揺で相手方代理人の提示した離婚条件でそのまま合意してしまうケースが散見されています。しかしながら離婚条件の中でも特に子供の養育費の支払いはその子が成人になるまで継続するものですので、子の福祉の観点から慎重に金額を決定する必要があります。

養育費の金額は裁判所が作成した算定表を基準に決定することが一般的ですが、これは絶対的なものではありません。今回の事例のように夫が離婚を強く希望している場合等こちらに有利な事情がある場合には基準額以上の支払いの合意することも十分に可能です。

 弁護士であれば、依頼者の代理人として慌てることなくしっかりとした法的対応をとることができます。また経験に基づく相場観により建設的な話し合いが可能になり、双方が納得した内容での迅速な解決が可能となることも少なくありません。離婚条件等でお悩みの方は早急に弁護士にご相談ください。