人妻との不倫の罪とリスク|バレた時の慰謝料と対処法

監修者 弁護士法人キャストグローバル
離婚部弁護士
目次
目次を表示人妻との不倫関係が相手の配偶者に発覚した場合、法的な責任や社会的な制裁など、多くのリスクに直面します。
特に慰謝料請求は、自分と相手の婚姻関係が破綻する可能性があるなど、両者のその後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、人妻との不倫が法的にどのような問題になるのか、発覚した際に生じる具体的なリスク、慰謝料の相場、そして実際に請求された際の適切な対処法について解説します。
問題に直面した際に冷静に行動できるよう、事前に知識を得ておくことが重要です。
不倫は法律的にどのような罪なのか
不倫は、刑事罰の対象となる「犯罪」ではありません。
かつては姦通罪という刑法上の罪がありましたが、現在は廃止されています。
しかし、法律上の問題が全くないわけではありません。
配偶者以外の人と肉体関係を持つことは、自身の配偶者に対する民法上の「不法行為」に該当します。
不法行為とは、故意または過失によって他人の権利や利益を侵害する行為であり、不倫の場合は平穏な婚姻生活を送る権利を侵害する行為とされます。
不倫をした当事者は、不法行為による損害賠償として慰謝料を支払う民事上の責任を負うことになります。
人妻との不倫が発覚した際に生じる4つのリスク
人妻との不倫が明らかになった場合、上記の慰謝料請求だけでなく、自身の生活を揺るがす様々なリスクが生じます。
自身の家庭や社会的な立場にも深刻な影響が及ぶ可能性があります。
ここでは、不倫の発覚によって起こりうる代表的な4つのリスクについて具体的に解説します。
これらのリスクを認識することが、問題が生じたときの対応を考える第一歩となります。
不倫相手の配偶者から高額な慰謝料を請求される
不倫が発覚した場合に直面する最も直接的なリスクは、不倫相手の配偶者からの慰謝料請求です。
法律上、不倫は「共同不法行為」とされ、不倫をしたご自身と不倫相手の双方が、それぞれの配偶者に対して損害賠償責任を負います。
この賠償は、精神的苦痛に対する慰謝料という形で金銭によって行われます。
慰謝料の額は、不倫の期間や悪質性、夫婦関係への影響度合いなどによって変動し、場合によっては数百万円にのぼる高額な請求を受けるケースも少なくありません。
この金銭的負担は、少額ではありませんし、その後の生活に大きな影響を与える可能性があります。
自身の家庭が崩壊し離婚に至る可能性がある
自身も結婚している場合、人妻との不倫が自身の配偶者に知られると、家庭が崩壊するなどの深刻な事態を招きます。
不倫は、法律上の離婚事由である「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当するため、自身の配偶者から離婚を請求される可能性が高くなります。
その場合、不倫相手の配偶者への慰謝料だけでなく、自身の配偶者に対しても慰謝料を支払うことになります。
さらに、離婚に伴う財産分与や、子どもがいる場合は養育費や親権の問題も発生し、これまで築き上げてきた家庭生活の多くを失うことになりかねません。
親や子どもからの信頼を失い関係が悪化する
不倫の事実は、配偶者だけでなく、親や子どもといった他の家族の信頼を失いかねない行為です。
特に、子どもに与える精神的なダメージは大きく、親の不倫を知ったことで心に深い傷を負い、その後の親子関係に悪影響を及ぼすことがあります。
また、自分の親や兄弟、親族にも知られることになれば、軽蔑されたり縁を切られたりと、これまで良好だった関係が大きく損なわれる可能性があります。
家族からの信頼を失うことは、精神的に大きな孤立感と苦痛を伴います。
職場での信用を失いキャリアに傷がつく
不倫の事実が何らかの形で職場に知られた場合、社会的な信用が大きく損なわれるリスクがあります。
社内不倫でない限り懲戒事由になることはないものの、「プライベートを管理できない人物」「倫理観に欠ける」といったネガティブな評価につながり、昇進や重要なプロジェクトから外されるなど、キャリアに傷がつく可能性があります。
特に、社内不倫であった場合や、取引先が関係するようなケースでは、より厳しい処分が下されることも考えられます。
一度失った信用を回復するのは容易ではありません。
不倫がバレた時に絶対にしてはいけないNG行動
不倫が発覚した直後は、動揺や混乱から不適切な対応をとってしまいがちです。
しかし、初期対応の誤りが事態をさらに悪化させ、最終的に自身が受ける不利益を大きくしてしまうケースは少なくありません。
ここでは、慰謝料請求などのトラブルに発展した際に、絶対に避けるべき行動を解説します。
冷静さを保ち、感情的な行動を控えることが、問題を複雑化させないために不可欠です。
証拠があるのに嘘をつき通そうとする
相手方が不倫の証拠を提示しているにもかかわらず、事実を認めずに嘘をつき続けることは最悪の対応の一つです。
言い逃れや否認は、相手の感情を著しく害し、怒りを増幅させるだけです。
これにより、本来であれば示談で解決できたはずの問題がよりこじれて、訴訟へと発展するなどの可能性が高まります。
また、不誠実な態度とされ、慰謝料の増額要因となることもあります。
明らかな不倫の証拠がある場合は、真摯に謝罪の意を示すことが、その後の交渉を円滑に進める上で重要です。
相手方からの連絡や要求を完全に無視する
不倫相手の配偶者から電話や書面で連絡が来た際に、恐怖や気まずさからこれを無視し続ける行為は事態を悪化させます。
相手方は話し合いによる解決の意思がないと判断し、弁護士に依頼して訴訟を起こすという次の手段に移行する可能性が高まります。
裁判になると、時間や費用がさらにかかるだけでなく、裁判所からの呼出状を無視すれば、相手の主張が全面的に認められた判決が下される可能性があります。
不誠実な対応は、自らの立場をより不利にする行為です。
感情的に反論したり相手を脅したりする
相手方から厳しい追及を受けた際に、冷静さを失い、感情的に反論したり、逆上して相手を非難したりすることは避けるべきです。
例えば、「そちらの夫婦関係が破綻していたからだ」といった責任転嫁の発言や、「これ以上騒ぐなら、こちらも黙っていない」などの脅迫的な言動は、相手の怒りを買うだけでなく、交渉の余地をなくしてしまいます。
場合によっては、脅迫罪といった別の刑事事件に問われるリスクさえ生じます。
常に冷静な態度を保つ必要があります。
求められるまま示談書にすぐサインしてしまう
不倫が発覚し、相手方から示談書を提示された場合でも、その場で安易にサインしてはいけません。
提示された示談書には、法外な金額の慰謝料や、非現実的な支払条件が記載されている可能性があります。
示談書に署名・捺印してしまうと、その内容に法的に拘束され、後から「納得できない」と覆すことは原則として不可能です。
必ず内容を注意深く確認し、少しでも疑問があれば、その場でのサインは保留して持ち帰り、弁護士などの専門家に相談することが賢明です。
不倫で請求される慰謝料の相場は?ケース別に解説
不倫の慰謝料には法律で定められた明確な金額はなく、個別の事情によって大きく変動します。
ただし、過去の裁判例などから、ある程度の相場は存在します。
慰謝料の金額を左右する最も大きな要因は、不倫によって相手の夫婦関係が「離婚に至ったか、至らなかったか」という点です。
ここでは、その2つのケースに分けて、慰謝料の一般的な相場と、金額が増減する具体的な要因について解説します。
離婚しない場合の慰謝料相場:50万円~100万円
不倫が原因で夫婦関係が悪化したものの、最終的に離婚には至らず、婚姻関係を継続する場合の慰謝料相場は、50万円から100万円程度が一般的です。
離婚する場合と比較して金額が低くなるのは、夫婦関係が完全に破綻するには至らなかったと評価されるためです。
ただし、これはあくまで目安であり、不倫の期間が非常に長いなど、悪質性が高いと判断されるケースでは、この相場を超える金額が認められることもあります。
不倫が原因で離婚する場合の慰謝料相場:100万円~300万円
不倫が直接的な原因となり、相手の夫婦が離婚や別居に至った場合の慰謝料相場は、100万円から300万円程度とされています。
婚姻関係を破綻させたという結果の重大性から、精神的苦痛の程度が大きいと判断され、慰謝料は高額になる傾向があります。
特に、長年連れ添った夫婦を離婚させた場合や、幼い子どもがいる家庭を崩壊させた場合などは、慰謝料が高額化する要因となります。
300万円は高額であり、請求された側は、人生を大きく左右するほどの金銭的負担となる可能性があります。
慰謝料の金額が増減する具体的な要因
慰謝料の金額は、基本相場を基準としながらも、様々な要因を考慮して個別に決定されます。
金額が増額する要因としては、不倫の期間が長い、肉体関係の回数が多い、不倫関係において主導的な立場だった、相手が妊娠・中絶した、などが挙げられます。
逆に、減額される要因としては、不倫期間が短い、肉体関係が一度きり、真摯に謝罪し反省の態度を示している、相手の夫婦関係が不倫前から既に破綻状態にあった、などがあります。
これらの事情を総合的に判断し、最終的な金額が算出されます。事例別の慰謝料相場については、下記の記事もご参考ください。
慰謝料を請求された場合の正しい対処ステップ
ある日突然、内容証明郵便などで慰謝料を請求された場合、多くの人はパニックに陥ってしまいます。
しかし、このような時こそ冷静になり、順序立てて正しく対応することが、被害を最小限に抑えるために重要です。
感情的な行動や誤った初動は、事態を不利にする可能性があります。
ここでは、慰謝料を請求された際に踏むべき具体的なステップを解説します。
一つ一つの段階を確実に行うことが、適切な解決への近道となります。
まずは冷静に請求内容(書面)を確認する
慰謝料請求は、多くの場合「慰謝料請求通知書」などの書面が内容証明郵便で送られてきます。
まずは慌てずに書面を開封し、その内容を正確に確認することが第一歩です。
具体的には、「誰が」「誰に対して」「どのような理由(不貞行為の事実)で」「いくらの金額を」「いつまでに」「どのように支払うこと」を求めているのかを把握します。
特に請求金額と支払期限は重要なポイントです。
相手の主張する事実関係に、自分の認識と違う点がないかどうかも冷静にチェックします。
不倫の事実関係を正確に把握する
請求書の内容を確認したら、次に自分自身の行動を客観的に振り返り、事実関係を整理します。
相手の主張する不倫の期間や内容に間違いはないか、肉体関係があったことは事実かなどを正確に把握してください。
もし、肉体関係はなく食事に行っただけなど、不貞行為の事実がない場合は、その旨を主張する必要があります。
逆に、事実を認める場合は、相手方がどのような証拠を持っている可能性があるかを想定することも重要です。
この事実確認が、後の交渉の方向性を決める基礎となります。
当事者間での話し合いの場を設ける
事実関係を認め、慰謝料の支払い義務があると考えられる場合は、相手方との示談交渉に進みます。
まずは真摯に謝罪の意を伝え、その上で請求された金額が妥当であるか、支払い方法(一括か分割か)はどうするかといった具体的な条件について話し合います。
この際、高圧的な態度をとったり、相手の言い分を全く聞かなかったりすると交渉は決裂してしまいます。
相手の感情にも配慮しつつ、自身の支払い能力なども踏まえて、現実的な落としどころを探る姿勢が求められます。
交渉が難しい場合は弁護士に相談する
当事者同士での話し合いでは、感情的になってしまい交渉がまとまらないケースも少なくありません。
また、請求された金額が法外に高額である場合や、相手の要求が威圧的である場合、事実関係に争いがある場合などは、早期に弁護士に相談することを推奨します。
弁護士が代理人として交渉することで、法的な観点から妥当な解決策を探ることが可能になります。
また、相手方と直接顔を合わせる精神的負担も軽減され、冷静な話し合いを通じて、訴訟を回避し示談での解決を目指すことができます。
人妻の不倫に関するよくある質問
人妻との不倫問題は、法律的な知識や複雑な人間関係が絡むため、多くの疑問や不安が生じやすいテーマです。
ここでは、不倫の当事者となってしまった方から寄せられることの多い質問について、簡潔に回答します。
不倫の慰謝料は必ず支払わなければいけませんか?
不貞行為の事実があれば、原則として支払い義務が生じます。
しかし、不倫関係を持つ前から相手の夫婦関係が完全に破綻していた場合など、例外的に支払いが不要になるケースも存在します。
また、請求された金額が高額すぎる場合は、全額を支払う必要はなく、減額交渉を行うことが可能です。
キャストグローバルが解決した離婚・慰謝料事例の一部をご紹介します。
夫との関係が冷え切っている場合でも有責配偶者として離婚に不利になりますか?
原則として有責配偶者として離婚に不利な立場になります。
法的に婚姻関係が継続している以上、夫婦には貞操義務があり、家庭内別居などで関係が冷え切っていても法的保護があるとされるためです。
ただし、長期間の別居があり、客観的に見て夫婦関係が破綻していたと認められる場合は、慰謝料の支払いが不要になったり、大幅に減額されたりする可能性があります。
不倫をやめたいのに、相手が別れてくれません。どうすればいいですか?
まず、別れたいという明確な意思を相手に伝えましょう。着信拒否やSNSのブロックなどで連絡を絶つことが有効な場合もあります。
相手が職場に押しかけるなど、つきまとい行為をする場合は、警察や弁護士に相談してください。
関係を清算しない限り、慰謝料請求などのリスクは継続するため、早急な対応が求められます。
まとめ
人妻との不倫には、高額な慰謝料という金銭的なリスクだけでなく、自身の家庭や社会的信用を失うなどの代償が伴います。
万が一、不倫の事実が発覚し、慰謝料を請求された場合には、決して感情的になったり、無視したりしてはいけません。
まずは冷静に事実関係を確認し、誠実な態度で交渉に臨むことが重要です。
当事者間での解決が困難な場合や、法外な請求をされている場合は、一人で抱え込まず、速やかに弁護士などの専門家に相談し、法的な助言を仰ぐことが、問題を適切に解決するための最善の策となります。
キャストグローバルでは、離婚専門部があり、不倫慰謝料を含む離婚問題に多くの実績を持つ弁護士が、あなたの気持ちに寄り添いながら対応します。
一人で悩まず、不安を感じたらまずはお気軽にご相談ください。
▶ 慰謝料を請求された方へ
請求額は妥当か、減額できる可能性はあるのか、支払義務があるのかなど、法的な整理が必要です。
請求内容が法的に妥当かどうかを判断するためにも、早い段階で弁護士に相談し、対応方針を整理することをおすすめします。
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