不倫誓約書の法的効力と正しい書き方|無効を防ぎ、必須条項とテンプレートを弁護士が解説

監修者 弁護士法人キャストグローバル

離婚部弁護士

パートナーの不倫が発覚し、「二度と裏切られたくない」という思いから、確実な約束の証を残したいと考えている方も少なくありません。
この記事を読むことで、自分の状況に最適な誓約書のテンプレートを入手し、法的に有効で不備のない書面を完成させられる状態になります。

この記事でわかること

・不倫誓約書が持つ法的な意味と再発防止における役割
・無効化のリスクを回避して法的効力を担保する必須条項
・違約金の未払いに備えて実効性を高める公正証書化の手続き
・相手が署名を拒否した際に円滑な合意形成を図る対処法

不倫誓約書が持つ法的な意味

不倫誓約書が持つ法的な意味

不倫における誓約書とは、不倫の事実を加害者が認め、謝罪した上で、今後の行動(不倫関係の解消、接触禁止など)や慰謝料の支払いなどを約束する内容を記した契約書です。
当事者間で合意した内容を書面に残すことで、法的な証拠としての効力を持ちます。

これにより、「言った・言わない」といった後のトラブルを防ぎ、約束の履行を促す心理的なプレッシャーを与える効果が期待できます。

示談書と誓約書の違い

誓約書は、一方が相手に対して約束する書面であり、一方的に書くものです。
他方、示談書はある約束を両者が合意したことを証する書面です。

約束内容によって、示談書か誓約書かと変わるものではありません。

いずれも、不倫によって生じた損害賠償の問題を解決し、紛争を終結させる目的で作成されるのが一般的です。
また、慰謝料の支払いだけでなく、不倫関係の清算や今後の接触禁止など、未来に向けた約束事を定め、関係修復や再発防止を主な目的とする場合にも用いることができます。

夫婦関係を修復する誓約書を作成する目的

夫婦関係の修復(再構築)を目指す上で誓約書を作成する主な目的は、第一に不倫の再発を防止することです。
書面で「二度と会わない」「連絡を取らない」と約束させ、違反した場合の違約金を定めることで、約束を破ることへの強い抑止力となります。

また、不倫をした側が事実を認めて謝罪し、具体的な約束を形にすることで、裏切られた側の精神的な区切りとなり、関係再構築へ向けての一歩を踏み出すきっかけにもなります。

法的に有効な不倫誓約書に盛り込むべき必須条項

法的に有効な不倫誓約書に盛り込むべき必須条項
不倫誓約書に法的な効力を持たせるためには、当事者の合意内容を明確かつ具体的に記載する必要があります。
特に、不倫の事実、今後の関係断絶、慰謝料や違約金に関する取り決めは、後のトラブルを避けるために不可欠な項目です。
これらの条項を正確に盛り込むことで、誓約書は単なる約束事ではなく、法的な裏付けを持つ重要な証拠となります。

不貞行為における具体的な事実関係の明記

誓約書の冒頭で、誰が、いつからいつまで、誰と不貞行為(肉体関係を伴う不倫)を行っていたのかを具体的に記載します。
この事実関係を双方が確認し、認める旨を明記することで、後になって不倫はしていないと主張されることを防ぎます。

この部分は不倫の事実を確定させる重要な証拠となるため、曖昧な表現は避け、客観的な事実を正確に記すことが求められます。

不倫相手との接触を断つ誓約

不倫の再発を防ぐため、不倫相手との一切の接触を禁止する条項を設けます。
具体的には、直接会うことはもちろん、電話、メール、LINEなどのSNSを含め、全ての通信手段による連絡を禁止する旨を明記します。
また、職場が同じであるなど、業務上やむえない場合を除き、私的な接触を全面的に禁じる内容とすることが、関係の完全な清算につながります。

接触禁止文言については「接触禁止文言の知識」で詳しく紹介しています。

誓約違反時における違約金の金額設定

誓約書に定めた約束(接触禁止など)が破られた場合に備え、罰則として違約金の支払いを義務付ける条項を設けます。
金額は、不倫の態様や当事者の収入などを考慮し、社会通念上、妥当とされる範囲内で設定する必要があります。
不当に高額な違約金は、後述する公序良俗違反として無効になる可能性があるため注意が必要です。

この違約金条項が、誓約内容を守らせるための強力な抑止力となります。

将来の求償権(不倫相手が配偶者に請求する権利)の放棄

求償権とは、不倫の慰謝料を支払った一方が、もう一方の当事者(共同不法行為者)に対して、その負担分を請求する権利のことです。
例えば、あなたが不倫相手に慰謝料を請求し、その全額を受け取った後、不倫相手があなたの配偶者に対して「慰謝料の半分を負担しろ」と請求する可能性があります。
これを防ぐため、誓約書に「求償権を放棄する」という一文を盛り込むことが極めて重要です。

当事者間の作成で陥りがちな不倫誓約書が無効になる落とし穴

当事者間の作成で陥りがちな不倫誓約書が無効になる落とし穴
当事者間で不倫誓約書を作成する際、感情的になったり、法的な知識が不足していたりすることで、書面が無効となってしまうケースがあります。
特に、相手を過度に束縛する内容や、脅迫によって無理やり署名させる行為は、法的に問題視される可能性が高いです。
有効な誓約書を作成するためには、どのような内容が法的に許されないのかを理解しておくことが不可欠です。

以下では、誓約書が無効になる典型的な例を解説します。

公序良俗に反する過度な制約を課すリスク

誓約書の内容が、公序良俗に反すると判断された場合、その条項は無効となります。
「例えば、GPSで24時間監視する」「異性との会話を一切禁止する」「仕事を辞めさせる」といった内容は、個人の自由を過度に制限するものであり、認められません。

また、違約金の額が不倫の程度、当事者の収入や一般常識に比してあまりに高額な場合も、同様に無効と判断される可能性があります。

強迫によって署名させた場合の取り消しリスク

相手を脅したり、暴力を振るったりして無理やり誓約書に署名・押印させた場合、その誓約書は「強迫による意思表示」として、後から取り消される可能性があります。
例えば、「署名しないと家族や会社にすべて話す」と脅して署名を強要するケースがこれにあたります。

誓約書は、あくまで当事者の自由な意思に基づいて作成されたものでなければならず、強制された契約は法的に保護されません。

「次に浮気したら即座に離婚する」という条件は法的に無効

誓約書に「次に不貞行為があった場合は、理由を問わず離婚に同意する」といった条項を盛り込むことがあります。
しかし、この条項に法的な強制力はありません。

離婚は、その時点での夫婦双方の自由な意思に基づいて決定されるものだからです。

したがって、将来の行動を理由に離婚を強制するような事前の約束は、無効と解釈されるのが一般的です。
もっとも、法的拘束力はなくても、相手にその覚悟を持ってもらうために、あえて記載するというのはありだと思います。

【夫婦再構築向け】そのまま使える不倫誓約書のテンプレート

【夫婦再構築向け】そのまま使える不倫誓約書のテンプレート
以下に、配偶者に不倫の再発防止を誓約させるための基本的なテンプレートを提示します。

これはあくまで一例であり、個別の状況に応じて内容は変更・追記する必要があります。
特に慰謝料や違約金の金額、接触禁止の具体的な方法など、ご自身の状況に合わせて修正してください。

より確実性を求める場合は、専門家である弁護士に相談し、内容を精査してもらうことを推奨します。


私、〇〇〇〇は、配偶者である〇〇〇〇に対し、以下の事項を誠実に履行することを誓約いたします。
私は、〇〇年〇〇月頃から〇〇年〇〇月頃までの間、〇〇〇〇と不貞関係にあった事実を認め、この行為により〇〇〇〇に多大な精神激苦痛を与えたことを深く謝罪いたします。
私は、〇〇〇〇との不倫関係を完全に解消し、今後、同人と、理由の如何を問わず、面会、電話、電子メール、SNS等その他一切の方法による連絡または接触を行いません。
私が、この誓約に反した場合、私は〇〇〇〇に対し、違約金として金〇〇万円を、違反の事実が発覚した日から〇〇日以内に、〇〇〇〇が指定する銀行口座に振り込む方法により支払うものとします。
私は、今後、夫婦間の信頼関係を回復すべく、配偶者として誠実に行動することを約束します。
本誓約の証として、本書面を1通作成し、私が署名押印の上、〇〇〇〇に交付します。

〇〇年〇〇月〇〇日
住所:
氏名:〇〇〇〇

誓約書の実効性を最大化する公正証書の活用法

誓約書の実効性を最大化する公正証書の活用法
当事者間で作成した誓約書(私文書)は、約束を破られた際に違約金を請求する証拠にはなりますが、それ自体に支払いを強制する力はありません。
相手が支払いに応じない場合は、最終的に裁判を起こして判決を得る必要があります。
しかし、「公正証書」で作成することで、この手続きを大幅に簡略化し、誓約書の実効性を格段に高めることが可能です。

この手続きを理解することで、より確実な約束の履行を確保できます。

公正証書を作成する最大のメリット

公正証書を作成する最大のメリットは、金銭の支払いに関する条項に「強制執行認諾文言」を付与できる点です。
この文言があれば、万が一、慰謝料や違約金の支払いが滞った場合に、裁判手続きを経ることなく、直ちに相手の給与や預金などの財産を差し押さえる強制執行の手続きが可能になります。
これにより、誓約内容の履行が強力に担保され、相手方に対する心理的なプレッシャーも大きくなります。

公証役場で強制執行認諾文言を付与する手順

強制執行認諾文言付きの公正証書は、全国各地にある公証役場で作成します。
まず、当事者間で誓約書の内容を完全に合意させ、その案文と必要書類(本人確認書類、戸籍謄本、印鑑証明書など)を準備します。
その後、公証役場に連絡して公証人と打ち合わせを行い、作成日時を予約します。

当日は、原則として当事者双方が公証役場に出向き、公証人の面前で内容を確認の上、署名・押印することで公正証書が完成します。

相手が不倫誓約書への署名を拒否した際の対処法

相手が不倫誓約書への署名を拒否した際の対処法
不倫をした配偶者やその相手方が、誓約書への署名を素直に受け入れないケースは少なくありません。
相手に反省の色が見られない、あるいは内容に納得できないなどの理由から、交渉が難航することもあります。

このような状況で無理に署名を迫ると、かえって関係が悪化したり、後々のトラブルに発展したりする可能性があるため、冷静かつ適切な対応が求められます。
冷静な対応が難しい場合は、第三者のサポートを得ることも一つの方法です。

当事者同士の直接対話を避けるべき理由

不倫という極めて感情的な問題において、当事者同士が直接話し合うと、冷静な議論が難しくなりがちです。
相手を問い詰めたり、感情的に非難したりすることで、相手が態度を硬化させ、本来であれば合意できたはずの内容についても拒否的になる可能性があります。
また、会話がこじれることで新たな火種が生まれ、夫婦関係の修復が一層困難になるリスクもあるため、可能な限り直接的な対立は避けるべきです。

弁護士の代理交渉によって合意を目指す進め方

相手が署名を拒否する場合、弁護士に交渉を依頼することが有効な解決策となります。
法律の専門家である弁護士が代理人として間に入ることで、相手方も感情的な対応を取りにくくなり、冷静な話し合いの場が設定できます。
弁護士は、法的に妥当な誓約内容を提示し、相手方に署名するメリットとデメリットを論理的に説明することで、交渉を有利に進めることが可能です。

これにより、当事者間の精神的負担を軽減しつつ、円滑な合意形成を目指せます。

相談実績6,200件以上の知見から導く解決策

相談実績6,200件以上の知見から導く解決策
有効な誓約書を作成するには、法的な知識だけでなく、過去の多くの事例から得られた知見が不可欠です。
キャストグローバルの離婚専門部は、これまで6,200件以上の相談実績を積み重ねてきました。
この膨大なデータと経験に基づき、単に法的に有効であるだけでなく、将来のトラブルを未然に防ぎ、真の関係修復につながる誓約書作成のポイントを熟知しています。
専門家の視点を持つことで、個別の事案に最適な解決策を導き出すことが可能となります。

弁護士1人当たりの家事調停件数0.7件が示す専門特化の重要性

2021年版弁護士白書によると、東京三会における弁護士1人当たりの年間家事調停事件数はわずか0.7件です。
このデータは、多くの弁護士が離婚問題を専門的に扱っているわけではない実態を示しています。
不倫や離婚の問題は、法律知識だけでなく、交渉術や判例の動向、心理的なアプローチなど、高度な専門性が要求されます。

キャストグローバルのように離婚問題に特化した専門部を持つ事務所に相談することが、安心して手続きを進める上で極めて重要です。

法的有効性と夫婦関係の修復を両立させる交渉アプローチ

誓約書の目的が夫婦関係の修復である場合、単に法的に有利な条件を突きつけるだけでは、相手の反発を招き、真の解決には至りません。
離婚専門の弁護士は、法的妥当性を確保しつつも、相手方の感情にも配慮し、双方が納得できる着地点を探る交渉を行います。
例えば、慰謝料の支払い方法を分割にする、過度な要求は避けるなど、柔軟な対応を提案することで、誓約書の作成が関係修復への第一歩となるようサポートします。

不倫の誓約書に関してよくある質問

不倫の誓約書に関してよくある質問
不倫の誓約書を作成するにあたり、多くの方が抱く疑問について解説します。

手書きではなくパソコンで作成した不倫誓約書でも有効ですか?

有効です。
ただし、本人が作成したことを証明するために、署名は自筆で行いましょう。

相手により慎重な行動を求め自制させるために、実印で押印することもよいでしょう。
署名させることで、後から「自分が作成したものではない」と主張されるリスクを低減できます。

不倫誓約書に記載した約束を破られた場合はどうすればよいですか?

誓約書の内容に基づき、違約金の支払いを請求できます。
相手が支払いに応じない場合は、誓約書を証拠として裁判を起こすることが可能です。

公正証書に強制執行認諾文言を付けていれば、裁判を経ずに給与や財産の差し押さえといった強制執行手続きに移れます。

配偶者だけでなく不倫相手にも誓約書を書かせることはできますか?

はい、可能です。
両者に対して誓約書の作成を求めることができます。

配偶者は誓約書、不倫相手とは示談書をそれぞれ取り交わすのが一般的です。

まとめ

まとめ
不倫の誓約書は、不倫の事実を認めさせ、再発を防止するために有効な手段です。
法的に有効なものにするためには、不貞行為の事実、接触禁止、違約金などの必須条項を盛り込み、公序良俗に反する内容や強迫による署名を避けなければなりません。

さらに実効性を高めるためには、公正証書化も有効です。

しかし、当事者間での作成や交渉は感情的な対立を生みやすく、内容に不備が生じるリスクも伴います。
トラブルを防ぎ、確実な誓約書を作成するためには、離婚問題に精通した弁護士への相談が賢明な選択です。

不倫誓約書の作成でキャストグローバルが選ばれる理由

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監修者

弁護士法人キャストグローバル 離婚部

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