離婚届を勝手に出された!無効にする手続き・親権・予防策を弁護士が解説

監修者 弁護士法人キャストグローバル
離婚部弁護士
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目次を表示「知らないうちに離婚届を勝手に出されていた」という事態は、まさに青天の霹靂でしょう。
離婚届を勝手に出された場合、法的には離婚が無効であると主張できますが、戸籍を元に戻すには法的な手続きが必要です。
この記事では、離婚の意思がないにもかかわらず勝手に離婚届を提出されてしまった方へ向けて、離婚を無効にするための具体的な手続き、親権の効力、相手に問える法的責任、そして今後のための予防策について、弁護士が詳しく解説します。
パートナーに離婚届を勝手に出されても離婚は無効です

まず最も大切な点として、パートナーに離婚届を勝手に提出されたとしても、その離婚は法律上「無効」です。
離婚は、裁判手続きを除き、夫婦双方の合意があって初めて成立します。
したがって、片方の意思だけで勝手に提出された離婚届に法的な効力はありません。
しかし、役所の窓口では書類の形式が整っていれば受理されてしまうため、戸籍上は離婚が成立した状態になります。
この戸籍を元に戻すために、法的な手続きが必要となるのです。
まず確認!離婚届が本当に受理されたか知る2つの方法

「離婚届を出した」と相手から告げられても、まずは慌てずに事実を確認することが重要です。
本当に離婚届が役所に受理されているのかどうかを確かめるには、主に2つの方法があります。
感情的にならず、客観的な事実を把握することから始めましょう。
方法1:役所から届く「離婚届受理通知」を確認する
離婚届が提出された役所では、届出人の双方確認を行いますが、
郵送や片方による提出で本人確認ができなかった場合、本人またはもう片方に対して「離婚届が受理された」旨の通知(離婚届受理通知)を発送します。
この通知が自宅に届いた場合、離婚届が受理されたことになります。
もし心当たりのない通知が届けば、すぐに行動を起こす必要があります。
方法2:戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得して確認する
最も確実な確認方法は、ご自身の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得することです。
本籍地の市区町村役場で取得でき、郵送での請求も可能です。
戸籍謄本を確認し、配偶者の欄に「離婚」の記載があれば、離婚届が受理された証拠となります。
不安な場合は戸籍謄本で直接確認することをおすすめします。
受理されてしまった離婚届を無効にするための法的手続き

戸籍上、離婚が成立してしまった場合、それを覆すためには家庭裁判所での手続きが必要です。
市区町村役場に「間違いでした」と申し出ても、一度受理された戸籍の記載を取り消してもらうことはできません。
法的に離婚を無効にするための手続きは、主に「調停」と「裁判」の2つのステップで進められます。
ステップ1:家庭裁判所に「離婚無効確認調停」を申し立てる
まずは、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所に「離婚無効確認調停」を申し立てます。
調停は、裁判官と調停委員を介して、相手方と離婚を無効にすることについて話し合う手続きです。
相手が離婚の無効に合意すれば、家庭裁判所が合意に相当する審判を出し、その審判が確定すれば離婚は無効となります。
この方法は、訴えるという形ではなく、話し合いでの解決を目指すものです。
ステップ2:調停が不成立なら「離婚無効訴訟」を提起する
調停で相手が離婚の無効に同意しない場合や、そもそも相手が調停に出席しない場合は、調停不成立となります。
その際は、家庭裁判所に「離婚無効確認訴訟」という裁判を起こす必要があります。
訴訟では、離婚届が提出された時点で自分に離婚の意思がなかったことを、証拠に基づいて主張・立証します。
裁判所が離婚の無効を認める判決を下し、その判決が確定すれば離婚は無効と認められます。
ステップ3:離婚無効の決定後に戸籍を訂正する手続き
調停や訴訟によって、離婚が無効であることが確定した場合、市区町村役場に離婚届を提出する必要があります。
裁判所から役所に対して連絡が行くことは決してありません。自身で手続きが必要です。
この手続きにより、戸籍の離婚の記載が削除されます。
離婚届に書かれた親権はどうなる?法的な効力と変更手続き

勝手に提出された離婚届には、子どもの親権者についても記載されているはずです。
しかし、離婚自体が無効である以上、そこに書かれた親権者の指定も法的な効力を持ちません。
ここでは、同意なく決められた親権の扱いや、その後の手続きについて解説します。
同意なく決められた親権者に法的な効力はありません
結論として、同意なく一方的に定められた親権者の指定は無効です。
親権は、離婚届の提出という形式的な行為だけでなく、夫婦間に離婚の合意があって初めて有効です。
離婚の意思がない以上、親権の効力は認められません。
離婚無効の手続きが完了すれば、戸籍上の親権者の記載も抹消され、共同親権の状態に戻ります。
話し合いが困難な場合に親権者を決めるための調停
離婚の無効が認められた後、改めて夫婦で離婚について話し合うことになるケースも少なくありません。
その際に親権について合意ができない場合は、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てて、離婚とともに話し合いを進めることになります。
調停でも決まらなければ、親権については、裁判所が一切の事情を考慮して親権者を指定します。
離婚届を勝手に出した相手に問える3つの法的責任

離婚届を勝手に作成し提出する行為は、単なる夫婦喧嘩の延長では済まされません。
事実に反して公的な文書を偽造・行使する行為であり、法的な責任を問われる可能性があります。
問える責任には、刑事上の罪と民事上の責任があります。
責任1:有印私文書偽造罪・同行使罪といった刑事罰
他人の署名を偽造して離婚届を作成する行為は「有印私文書偽造罪」に、その偽造した離婚届を役所に提出する行為は「偽造有印私文書行使罪」に該当する可能性があります。
これらは刑事犯罪であり、警察に被害届を提出すれば、捜査の結果、相手が逮捕されたり、起訴されて刑事罰を受けたりすることも考えられます。
また、偽りの内容で役所に届け出たとして「電磁的公正証書原本不実記録罪」に問われる可能性もあります。
責任2:精神的苦痛に対する慰謝料の請求
離婚届を勝手に提出されたことにより受けた精神的苦痛に対して、慰謝料を請求することが可能です。
離婚が無効になったとしても、知らないうちに戸籍上の身分関係が変更されたことによるショックや、無効手続きのために費やした労力・時間は大きな負担となります。
この精神的損害に対して、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料の支払いを求めることができます。
責任3:離婚が無効になった場合の婚姻費用(生活費)の請求
離婚が無効となり婚姻関係が継続していると確認された場合、夫婦には互いに扶助する義務があります。
そのため、もし別居しているのであれば、収入の多い方が少ない方に対して、生活費として「婚姻費用」を支払う義務が生じます。
離婚が無効になったにもかかわらず相手が生活費を支払わない場合、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てることができます。
これは慰謝料とは別の権利です。
今後の不安を解消!離婚届を勝手に出させないための予防策

一度勝手に離婚届を提出されると、たとえ無効にできたとしても、多大な時間と労力がかかります。
そうした事態を未然に防ぐために、非常に有効な制度があります。
それが「離婚届不受理申出」です。
「離婚届不受理申出」制度の概要とメリット
「離婚届不受理申出」とは、本人が役所の窓口に出頭して本人確認をされない限り、自分に関する離婚届を受理しないようにあらかじめ申し出ておく制度です。
この申出をしておけば、パートナーが離婚届を勝手に提出しても、役所は受理しません。
勝手に出されるかもしれないという不安を抱えている場合に、極めて効果的な予防策となります。
離婚届不受理申出の手続き方法と必要書類
離婚届不受理申出は、ご自身の本籍地または所在地の市区町村役場に、不受理申出書を提出することで行います。
手続きには、申出書のほか、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。
手数料はかかりません。
申出の有効期間は無期限ですが、取り下げない限り有効であり続けます。
もし後日、合意の上で離婚届を提出する際は、不受理申出をした本人が役所に出向いて不受理を取り下げる、本人が役所に出向いて離婚届けを提出する必要があります。
離婚届を勝手に出されたらすぐに弁護士へ相談すべき理由

離婚届を勝手に出されたら、法的な手続きが必要となり、ご自身だけで対応するのは困難です。
このようなトラブルに巻き込まれたら、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。
専門家である弁護士に依頼することで、多くのメリットが得られます。
理由1:複雑な法的手続きをすべて一任できる
離婚届を勝手に出された場合に必要な離婚無効確認調停や訴訟は、申立書の作成や証拠の収集など、専門的な知識が求められる複雑な手続きです。
弁護士に依頼すれば、これらの煩雑な手続きをすべて任せることができ、正確かつ迅速に事態の解決を図ることが可能です。
ご自身の時間的・精神的な負担を大幅に軽減できます。
理由2:相手との交渉窓口となり精神的負担を軽減できる
離婚届を勝手に出すような相手が簡単に話し合いに応じて離婚が無効だと認めるないでしょう。
そんな相手と直接話し合うことは、精神的に大きなストレスとなります。
弁護士が代理人として交渉の窓口となることで、相手と顔を合わせることなく、冷静かつ法的な観点から話し合いを進めることができます。
離婚届を勝手に出された場合の精神的なショックから立ち直るためにも、専門家を間に立てることは非常に重要です。
また、夫が家を出て行ったケースについて「解決事例」で詳しく紹介していますので、ご参考ください。
理由3:慰謝料請求など関連する問題もまとめて解決を目指せる
弁護士に依頼すれば、離婚の無効手続きだけでなく、相手に対する慰謝料請求や、別居中の婚姻費用の請求など、関連して発生する金銭的な問題についてもまとめて対応を任せられます。
法的な根拠に基づき、適正な金額の慰謝料などを請求し、ご自身の権利を最大限実現できるようサポートします。
離婚・慰謝料問題に関する解決事例

当事務所では、離婚や慰謝料に関するさまざまな問題を取り扱い、多くの事案を解決に導いてまいりました。
ここでは、その解決事例の一部をご紹介します。
当事務所の解決事例は「離婚問題の解決事例」で詳しく紹介しています。
夫の不貞行為に対する慰謝料請求が認められた事例
夫が複数の女性と不貞行為をしていたことが発覚し、ご相談に来られました。
弁護士が代理人として交渉し、不貞の証拠を基に慰謝料を請求した結果、相手方も事実を認め、ご依頼者様が納得する金額の慰謝料を受け取る内容で合意が成立しました。
相手から請求された慰謝料を大幅に減額できた事例
不貞行為を理由に、相手方の配偶者から高額な慰謝料を請求されたというご相談でした。
弁護士が介入し、請求額が法的な相場を大幅に超えていることや、相手方夫婦の婚姻関係がすでに破綻していた事情などを主張した結果、請求額を大幅に減額して和解することができました。
離婚に伴う財産分与で自宅不動産を獲得できた事例
離婚にあたり、夫婦で築いた財産である自宅不動産の分与が争点となりました。
弁護士がご依頼者様の意向を汲み取り、相手方と粘り強く交渉。
住宅ローンの残債務の整理も含め、ご依頼者様が自宅を取得し、そのまま住み続けられるような形で財産分与を成立させました。
慰謝料とは別に、財産分与も離婚時の重要な要素です。
離婚届を勝手に出されたときに関するよくある質問

ここでは、離婚届を勝手に出された場合に関して、特に多く寄せられる質問とその回答をご紹介します。
いざという時のために、正しい知識を身につけておきましょう。
勝手に離婚届を出された場合、離婚は成立してしまうのですか?
役所の形式的な審査を通過すれば、戸籍上は離婚が成立した状態になります。
しかし、夫婦双方の離婚意思がなければ法的には無効です。
家庭裁判所での離婚無効確認調停や訴訟といった手続きを経ることで、戸籍を元の状態に戻すことが可能です。
相手が勝手に離婚届を出す行為は犯罪になりますか?
はい、犯罪になる可能性があります。
具体的には、他人の署名を偽造する行為が「有印私文書偽造罪」、それを役所に提出する行為が「同行使罪」にあたることがあります。
これらの罪で有罪となれば、刑罰が科される可能性もある犯罪です。
離婚届を勝手に出されるのを防ぐにはどうすればよいですか?
役所に「離婚届不受理申出」を提出することが最も有効な予防策です。
この申出を行っておくと、申出人本人が窓口で本人確認されない限り、離婚届は受理されません。
この手続きにより、離婚届を勝手に出されるリスクをなくすことができます。
離婚問題に強いキャストグローバルが選ばれる理由

弁護士法人キャストグローバルでは、離婚届を勝手に出された場合をはじめ、数多くの離婚問題に対応してまいりました。
当事務所がご依頼者様から選ばれるのには理由があります。
離婚問題に強い弁護士については「有利に離婚したい時の弁護士相談」で詳しく紹介しています。
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離婚届を勝手に出されたら、まずは私たちの実績にご期待ください。
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手続きのたらい回しがなく、スムーズに問題解決を進められます。
まとめ:離婚届を勝手に出されたら、一人で悩まず専門家である弁護士に相談しましょう

離婚届を勝手に出された場合、法的には無効ですが、戸籍を訂正するためには複雑な法的手続きを踏まなければなりません。
また、精神的なショックも大きく、冷静な判断が難しい状況に置かれます。
もし、このような事態に直面したら、一人で抱え込まずに、できるだけ早く専門家である弁護士にご相談ください。
弁護士はあなたの法的な権利を守り、精神的な負担を軽減しながら、問題解決に向けて全力でサポートします。
監修者
弁護士法人キャストグローバル 離婚部
離婚に関する記事は、当事務所の弁護士・専門スタッフが監修しています。離婚・男女問題のご相談を中心に、これまで6,200件以上のご相談に対応してきました。
離婚・男女問題で不安や悩みを抱えながら一歩を踏み出そうとしている方へ、法律のことはもちろん、心に寄り添う対応を心がけています。夫婦カウンセラーの資格を持つスタッフも在籍し、傷ついた心にも寄り添ったサポートを提供しています。