コラム

妻からの暴力を理由に慰謝料は請求できる?妻のDV・モラハラに悩む夫へ

  • 離婚・慰謝料

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、生活を共にする家族等による肉体的・精神的暴力のことです。
また、モラハラとは、倫理・道徳を振りかざして相手を侮辱するなどして精神的に追い詰めていく言動のことをいい、これは精神的暴力であり、DVの一種です。

一般的には、夫婦間でのDV・モラハラと言えば、夫から妻に対する暴力や暴言を思い浮かべがちですが、実際には妻の夫に対するDV・モラハラを理由に離婚する夫婦はたくさんいるようです。

下のランキング表を見て分かるように、夫からの離婚原因のランキングの第2位は精神的虐待となっており、これは、夫から離婚を望むケースでは、妻による精神的暴力を原因とする割合が多いことを意味しています。

男性からの離婚原因ランキング(平成28年度)

  • 1位
    性格が合わない 1万1138人(61%)
  • 2位
    精神的に虐待する 3590人(20%)
  • 3位
    家族親族と折り合いが悪い 2682人(15%)
  • 4位
    異性関係 2594人(14%)
  • 5位
    性的不調和 2407人(13%)
  • 6位
    浪費する 2268人(13%)
  • 7位
    同居に応じない 1719人(9%)
  • 8位
    暴力を振るう 1535人(8%)
  • 9位
    家庭を捨てて省みない 1098人(6%)
  • 10位
    病気 795人(4%)
  • 11位
    生活費を渡さない 682人(4%)
  • 12位
    酒を飲みすぎる 423人(2%)

【出典 最高裁判所平成28年度司法統計家事事件より】

妻からのDV・モラハラは離婚事由になる

妻のDV・モラハラのため夫婦生活を続けることが困難であると感じたならば、まずは、離婚のための話し合いをしましょう。

但し、一般的に、DV・モラハラの加害者は、自身の行為について罪の意識を持っていないことが多いため被害者から離婚の意志を伝えるとその意味を理解できないため話が噛み合わず、問題解決に向けてなかなか前に進まないこともありますから話し合いができないと思ったら、あきらめて法的手続による離婚を検討しましょう。

協議離婚できなければ裁判離婚を目指す

夫婦間において離婚の合意できないときには、まずは離婚調停を起こし、そこでも離婚について合意できないときには、最終的に離婚訴訟を提起することになります。

裁判により離婚を認めてもらうには、法律上の離婚事由を必要とします。この点、配偶者のDV・モラハラは、婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)の一つにあたります。したがって、妻のDV・モラハラが婚姻を継続し難い重大な事由といえれば離婚することはできます。

もっとも、DV・モラハラを理由に裁判離婚するには、DV・モラハラの事実を証明する証拠を必要としますから診断書、録音、メール、公的機関への通報・相談などの客観的証拠を可能な限り収集・保全しておくようにしましょう。

また、婚姻を継続し難い事由の有無は、相手方配偶者のDV・モラハラの内容、期間、改善の見込など諸般の事情を総合して判断されますから、必ず裁判離婚できるわけではないことには注意しましょう。

DV・モラハラは離婚慰謝料請求の根拠になる

夫婦が離婚するに至った場合、離婚原因について主として責任のある配偶者は、他方の配偶者に離婚慰謝料の支払義務を負いますから妻のDV・モラハラを原因として離婚に至った場合には、妻に対して離婚慰謝料を請求することができます

この場合でも裁判離婚同様、DV・モラハラに関する証拠を必要とします。

DV・モラハラによる離婚慰謝料の相場

一般に不貞して離婚する場合の慰謝料の相場は、100万円~300万円であると言われています。DVによる慰謝料については、それほど裁判例の蓄積がないため相場は難しいですし、怪我の程度により大きく左右します。この点は交通事故等の傷害慰謝料と同じですね。
具体的なモラハラによる離婚する場合の慰謝料は、DV・モラハラの内容、婚姻期間、未成年の子の有無、双方の経済力などを加味して算定されます。

DV・モラハラにより後遺症の残った場合には慰謝料は増額する

DV・モラハラは、その内容によっては、相手の肉体・精神に対して甚大な被害を与えることがあり、場合によっては後遺症を残すこともあります。そのようなケースでは、交通事故の損害賠償同様、後遺障害による損害として別途賠償請求できるため慰謝料は非常に高額になることがあります。

心身の安全を確保するには別居すること

女性からのDV・モラハラでもそのダメージは深刻です。できる限り、耐えるという選択肢は取らないで自身の身を守るため別居する選択を取るようにしましょう。

また、男性特有の問題として妻からのDV・モラハラの被害を公的機関に相談することに気が引けるとして一人で問題を抱え込んでしまう方がいますが、現在では、女性によるDV・モラハラの問題はについて社会的に認知されており、公的機関としても男性からの相談を女性と同じように受け入れる体制は整っているようですから安心してください。

悩む前に離婚弁護士までご相談を

妻からの暴力に対しての対策としては、以下になります。

妻のDV・モラハラを原因として離婚に至るケースは多い

男性からの離婚原因ランキングにおいて妻の精神的虐待は第2位です。この精神的虐待は、まさ
にDV・モラハラのことです。

DV・モラハラは裁判離婚のための離婚事由になる

DV・モラハラは、不貞行為と同じように裁判離婚するための要件である婚姻を継続し難い重大な事由の一つになり得、離婚事由に当たる場合があります。ですから、DV・モラハラについて改善の見込のある場合には、裁判離婚は認められないこともあります。

また、DV・モラハラの証拠を集めておかなければ、裁判所に実態を分かってもらえないため離婚できないことがあります。

DV・モラハラは離婚慰謝料の理由になる

DV・モラハラは、離婚事由に当たるだけではなく、離婚慰謝料の理由にもなります。もし慰謝料請求することを考えているのであれば、DV・モラハラの証拠をしっかりと集めておく必要があります。

DV・モラハラ被害を回避する最善は別居

DV・モラハラの加害者とは話し合いは無駄に終わることが多いです。被害を避けるためには別居することが最善の選択になることが多いです。

このように妻からDV・モラハラの被害に遭っている夫のできること、すべきことは基本的に夫によるDV・モラハラ被害に遭っている妻の場合と同じです。ただ、男性が被害者の場合には、一人で悩みを抱えることが妻よりも多いようなので困った場合には、弁護士に相談・依頼するようにしましょう。

当事務所では、DV・モラハラ問題に強い弁護士が在籍しており、あなたの味方となって最善の方向へと導きます。悩む前にまずは当事務所までご相談ください。