労働災害(労災)

LABOR ACCIDENT

立川事務所の弁護士が説明する労働災害(労災)について

就業場所で事故にあった、仕事が忙しすぎて病気になってしまったなど労働災害に関する悩みは身近なところでたくさん起こっています。
労災は深刻な問題であり、解決のためには知識とプロからのサポートが必要です。

労働災害について、もっと詳しく知りたい方は

労働災害解決サポート

労働災害とは何か、その種類

労働災害とは業務中や通勤中に労働者が、負傷、疾病、または死亡する事故・事件のことをいいます。

労働災害は大きく分類すると業務遂行中に生じたもの(業務災害)と、通勤中に生じたもの(通勤災害)に分類できます。
業務災害は事故だけでなく精神的な疾患も含まれるため、分類してそれぞれの詳細を説明します。

業務中の事故

労働災害のうち業務の遂行中に起こるものを業務災害と呼びます。

その業務災害のなかでも業務中に起こった事故について解説します。
業務中の事故は建設業、製造業、運送業等で起こりやすいといわれています。
具体的には業務中の転倒・転落、はさまれ、巻き込まれ等です。
このほかに熱中症も業務中の事故に該当します。厚生労働省の統計によると、業務中の死亡事故は少なくなってきていますが、休業4日以上を要する災害は増加傾向にあります。

過労死

業務災害には業務中の事故以外に過労死も含まれています。

過労死と認識されるものは
精神疾患による自殺、脳血管疾患・心臓疾患等認識です。

過労死による労災認定は、証明が難しいという側面もあり、労災申請がされないケースもあります。
潜在的な犠牲者が多くいると考えられています。

通勤中の事故

業務中の事故ではなく、通勤中に起こったものを通勤災害と呼びます。

通勤中の事故はもちろんですが、業務中の移動の際に起こった事故も通勤災害に含まれています。
交通事故には労災保険が適用されないと勘違いする方も多いようですが、申請を適切に行えば補償が受けられます。

労災が発生した場合の対処法

労災が発生した場合、労働基準法など各種の法律によって労働災害予防のための規律がなされます。
また労働災害補償保険法の元、労災被害者が保護される仕組みもあります。
これらの適用を受けるためにどのような対処法を取ればいいのか、労働者側と使用者側に分けて解説します。

労働者側の対処法

労働者はまず労災保険指定医療機関を受診します。

労災保険指定医療機関は一般の医療機関と違い、無償で治療が受けられます。一般の医療機関の場合、まずは自己負担で受診しなければならないため、負担が大きくなってしまいます。

受診終了後、療養補償給付たる療養の給付請求書を作成し、提出します。
自分で作成してもいいですが、会社に支援してもらう方法が一般的です。

使用者側の対処法

使用者はまず労災者の救護を優先してください。

最寄りの労災保険指定医療機関に案内します。続いて労働基準監督署へ報告します。
労災が発生したときは、傷病の程度にかかわらず報告が義務付けられています。

労働災害保険制度

労働災害保険制度とは、労災が発生した場合に、労働者もしくはその遺族に対して労災補償としての保険給付を行う制度です。
労災に対する給付は療養給付と休業給付に分かれます。

療養給付は傷病を療養するための療養費であり、
休業給付は労災によって労働ができないときの賃金補償です。

業務災害の場合、申請すると労災によって休業した日の1日目から給付基礎日額の60%相当が支払われ、休業4日目からは給付基礎日額の20%の額が上乗せされます。この上乗せ額は「休業特別支給金」と呼びます。
また上記2つの給付のほかに、障害給付、介護給付、遺族給付、葬祭料なども労災保険制度によって補償を受けることができます。

労災認定の基準

労災認定を受けるためには、業務上起こった事故として認定を受けなければなりません。
その認定基準は業務遂行性と業務起因性という二つの基準によって判断されます。

業務遂行性

業務遂行性とは所定の就業時間、就業場所で使用者の命令のもとに働いていることはもちろん、一般的に予想される業務上の行為をしていることを意味します。
例えば就業時間内に就業場所で起こった事故はもちろん、休憩時間内の事故も含まれます。

業務起因性

業務起因性とは業務が原因となって発生した傷病ということです。
つまり労災認定を受けるためには単純に就業中に起こったという要件だけでは不十分で、就業と傷病との間に一定の因果関係が必要ということになります。

労災認定を受けられない場合

以上を受けて労災認定が受けられないような事例について考えます。
まず事業主の指令、管理の下、仕事に従事している場合であっても、私的行為や故意による行為に関しては認定されません。
次に事業主の指令下、管理下にはあるが業務に従事していない場合も認定が受けられません。
例えば就業時間前後に就業場所にいるようなパターンです。また療養の必要がない程度の軽い傷病であれば補償の対象外となります。

会社への損害賠償請求

会社に安全配慮義務違反や使用者責任があると認められた場合、会社への損害賠償請求も可能です。
労災保険から支払われる給付では不十分な金額に終わる場合が多いため、労災保険の給付のみでは損害の回復に十分でない場合は損害賠償請求も視野に入れます。

損害賠償できるケース

会社に損害賠償請求できるケースは安全配慮義務違反、使用者責任が認められる場合のほかに、工作物責任、第三者行為災害がある場合も該当します。
安全配慮義務違反とは例えば劣悪環境での作業や長時間労働による健康被害等が該当します。
使用者責任とは例えばセクハラやパワハラ等の従業員の不法行為により傷病となった場合が該当します。

損害賠償請求の方法

損害賠償の請求方法には主に示談交渉、民事調停、民事訴訟があります。
示談交渉は労災の被害者と会社で話し合うことです。一般的に損害賠償請求と聞くと裁判所で争うイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
民事調停とは裁判所でお互い解決に向け話し合うことを指し、民事訴訟は裁判所が判決を出すことで問題解決を図る方法です。

後遺障害等級の認定

後遺障害等級の認定には二つの方法があります。
まず一つ目は、被害者自身が申請手続きを行う方法、二つ目が保険会社に申請手続きをさせる方法です。
ただ、どちらの方法でも大まかな流れは一緒と考えてください。
どちらの方法でもまず医師から症状固定の診断を受けるところから手続きが始まります。

保険会社に申請手続きをしてもらう場合

後遺障害診断書を任意保険会社に提出すれば保険会社が収集してくれます。

被害者自身で申請する場合

後遺障害診断書に加えてレントゲンの画像などの必要書類を準備し、自賠責保険会社や損害保険料率算出機構に書類を送付します。

その後審査を経て、後遺障害等級が認定されるという流れです。

労働災害のご相談は
弁護士法人キャストグローバル立川事務所まで

労働災害は認定が難しく、潜在的な事故として解決せず終わってしまうケースも多々あります。
そうならないためにも被害を受けたり、身近に被害者がいる場合は、すぐに弁護士にご相談ください。
弁護士法人キャストグローバル立川事務所では、労働災害に強い弁護士が在籍しているため、適切なフォローができます。
まずは電話相談からでもお気軽にご連絡ください。

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