- 性別:
- 女性
- 年代:
- 20代
- 子ども:
- あり
配偶者が子を連れ出て行ったが、子を取り戻したい
1 相談内容
女性はご結婚後、お子様1人に恵まれ、ご家族と共に過ごしておられました。しかし、女性の不貞行為が夫に発覚したことをきっかけとして、夫は子供を連れて家を出てしまいました。しばらくはお話合いを続けていましたが、その後は子供に会う事すらままならない状況となりました。
女性は自らの行動を深く反省し、お子様や夫との生活を取り戻したいという思いでご相談に来られました。
2 ご依頼に至る経緯
女性は、復縁を希望しておられたので、弁護士を依頼することで対立が深くなってしまうのではないかとご依頼を迷っておられました。そこで、おふたりで話し合いを続けてみてはどうかというご提案もさせて頂きました。
しかし、女性は、復縁を望みつつも、特にお子様との生活は守りたいという意向を強く持っておられました。最終的にはお子様と生活したいというご意向が強かったことや、お話し合いでの解決は難しいという状況に至ったことから、手遅れになる前に申立てをした方がよいということで、ご依頼に至りました。
3 弁護士の対応
復縁を望んでいたこともあり、基本的には円満解決の方法も模索し、お話し合いも試みました。しかし、本件は、女性側の不貞行為発覚後、夫が子供を連れて家を出たという事案でしたので、感情的な対立があり、お話し合いでの解決は難しい状況でした。
そこで、お子様との生活を取り戻すことを重視し、比較的早期の段階で裁判所への申立ての決断を行いました。申立てを行ったのは、子の監護者指定の審判、子の引渡しの審判、審判前の仮処分です。
本件では、お子様との生活を取り戻すために、全力で戦わざるを得ない状況でした。しかし、女性にとっての第一の希望は、夫と復縁し、家族としての生活を取り戻すことでした。
そのための主張のバランスには、配慮すべき面が多々ありました。
まず、資料を提示しつつ、お子様の子育てをしっかりと行ってきたこと、ご家族のサポートが整っていることについては、かなり厚く主張しました。
一方、不貞行為に関しては、可能な限り誠実な対応を心掛けました。説明すべき部分はしっかりと具体的に説明をし、謝罪すべき部分は謝罪をしました。また、女性も、心から反省しておられ、信頼を取り戻すため、反省を行動で示しておられました。
4 解決
そのような主張が功を奏したのか、裁判所からは、女性に子が引き渡されるべきであるとの判断を得ることができました。裁判所は、これまでの女性や家族の細やかな監護実績を評価し、女性側に子供を戻すのが、子供の利益に資すると考えたようでした。
不貞行為部分についても、子供の監護に具体的な悪影響があったとはいえないとの判断を頂くことができました。
最終的には、お子様が女性の元へと戻ってくることになりました。もちろん、内心は分かりませんが、男性側も、大きな抵抗なく、お子様の引渡しに応じてくださいました。
5 最後に
解決後は、お子様がご自宅に戻られ、家族皆様、明るく生活しておられるようです。夫との復縁はかないませんでしたが、お子様との生活を取り戻すことができたので、弁護士として、心から良かったと思える事案でした。
至らない点も多々あったとは思います。しかし、相談しやすかった、迷ったときにいろいろと提案があり決定がしやすかったとのお言葉を頂くことができました。
ご相談頂きましてありがとうございます。またなにかございましたら、ご相談下さい。
また、お子さまとの生活を取り戻したいという方は、早期の決断や申立てが解決につながる場合があります。一度、お早めにご相談下さい。