労災問題

解決相談事例

腰椎捻挫で後遺障害12級12号(約300万円)を獲得

  • 50代
  • 男性
  • 運送業

ご相談に至った経緯

滋賀県在住 50代男性 事故時の年収 約630万円
事故態様 作業中に階段から転落
受傷内容 腰椎捻挫ほか
ご相談内容
 本件は、荷物運搬作業中に足を踏み外して階段から転落し、腰椎捻挫ほかの受傷を負った事案です。依頼者は、長期間にわたって整形外科への通院を続けましたが、腰に痛みが残存してしまい、労災への後遺障害の認定申請をしたいが知識に乏しく、適正な認定を受けられるのか不安がある、とのことでご相談がありました。
 そこで、弊所にて後遺障害申請のサポートをさせていただくことになりました。

キャストグローバルの対応とその結果

後遺障害とは
 後遺障害とは、何らかの事故等に起因する傷病による傷害(体の不具合)が、治療終了後もなお長期間残存し続ける状態(いわゆる後遺症が残った状態)として、労働災害保証保険法により補償の対象とされる障害のことをいいます。
 法律上、最も重い1級から14級まで定義されており、各等級が、さらに系列(例えば上肢、下肢、など)によって各号に枝分かれしています。
 後遺障害として認定されるためには、単に体の不具合が残っているだけでなく、その不具合が、法律の定義する各等級に該当するということを被災者の側が証明する必要がありますが、知識不足で適切な証明できなければ、ご自身の後遺症に対する正当な補償が受けられないおそれがあります。

14級9号と12級12号の違い
ご相談者の方の場合は、「腰に痛みが残った」という後遺症がありましたが、可動域制限などは伴っていませんでしたので、認定可能性のある等級としては14級9号「局部に神経症状を残すもの」か、12級12号「局部に頑固な神経症状を残すもの」のいずれか、というケースでした。
 いずれの等級も、同じく「怪我した箇所に痛みや痺れが残っている」という後遺症に対して認められるものですが、14級9号よりも上位等級の12級12号の方が補償の枠が大きくなるため、補償の金額に大きな差が出ます。
具体的には、14級だと、障害(補償)給付一時金及び障害特別一時金の給付額は、給付基礎日額(その方の収入によって異なる)の56日分ですが、12級だと給付基礎日額の156日分が支払われますので、約3倍の違いがあります。また、障害特別支給金一時金についても、14級の支給額は8万円ですが、12級の場合は20万円が支給されることになっています。
もっとも、14級9号と12級12号の法律の定義上は、「頑固な」神経症状かどうか、という部分だけしか違いません。この「頑固な」症状かどうかを立証出来るか否かが、12級認定の分かれ目となります。具体的には、他覚所見(画像や客観的な検査結果など第三者の目で見て判断できる所見のこと)によって、残存する痛みの原因を客観的に立証出来るかどうか、がポイントとなります。
また、逆に客観的に痛みの立証が難しい場合(特に、本件のように骨折を伴わない捻挫等の受傷は客観的な所見に乏しい場合が多い)であっても14級獲得の可能性はあることになります。14級の場合は、客観的資料に乏しいなかで、状況証拠(受傷状況と傷病の整合性、通院期間や日数、症状の一貫性等)を総合して判断が行われますので、認定にプラスとなる事情を示す提出資料を作成するなどして丁寧に立証していく必要があります。

認定までの経緯と認定結果
 本件では、上記のような認定基準のポイントを踏まえ、医師による後遺障害診断書作成にあたって記載してもらうべき事項(特に他覚所見について)をアドバイスし、かかるアドバイスに基づいて診断書を作成してもらったほか、ご本人の症状が日常生活に対してどのように支障を及ぼしているかをヒアリングして要点をまとめて認定のための添付資料を作成する等、認定資料作成のサポートを行いました。
そして、労基署に後遺障害認定の申請を行い、本人への労基署からのヒアリングなどを経て、結果として上位等級である12級12号を獲得することができ、結果として補償総額約300万円を受け取ることができました。
 依頼者の方からは、自身では何をすれば良いのかまったくわからなかったが的確なアドバイスとサポートが得られたことで希望していた後遺障害等級を獲得できた、と大変喜んでいただけました。

監修 弁護士法人キャストグローバル 人身傷害担当

解決結果

3,000,000円獲得

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