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離婚・慰謝料 解決事例、コラム

当事務所で解決した離婚・慰謝料事例の一部のご紹介となります。

男性
性別:
男性
年代:
40代
子ども:
あり

妻のモラハラに耐えられず別居したケース

第1 事案の内容

弊所で受任した夫(以下、「依頼者」と表記します。)からの離婚請求事件についてご紹介します。
事案の内容としては、依頼者が妻とともに生活していくのが難しいという理由で、妻に対して離婚を求めたというものです。
依頼者の話によれば、依頼者が妻に離婚の話を切り出したところ、妻が感情的になって話ができなくなったため、やむを得ず別居をするに至ったとのことでした。依頼者は、妻から頻繁に連絡を受けており、精神的に相当疲弊している状態でした。
そこで、本件は弁護士が早期に介入する必要がある事案と判断し、弊所で本件を受任することになりました。

第2 離婚事件を弁護士に依頼するメリット

離婚事件を弁護士に依頼するメリットの1つに、離婚事件の交渉窓口を弁護士にできるということが挙げられます。この場合、相手方から連絡が来なくなるので、精神的な負担は相当程度軽減すると思われます。また、相手方から連絡が来なくなることで、精神的に落ち着きを取り戻し、離婚について冷静に考えられるようになります。

第3 解決までの道筋

 

1 本件の方針

依頼者と面談を実施し、本件の方針について協議しました。
依頼者からは、主に以下のご要望がありました。
早期に離婚をしたい。
妻のせいで離婚せざるを得なくなったので、生活費を払いたくない。
上記ご要望に対して、以下のとおり回答いたしました。
(1)ご要望①
離婚をご希望になっている方からのご依頼ですので、当然のご要望だとは思います。
離婚を相手方に請求する場合、協議→調停→裁判という流れになるのが通常です。
双方が離婚を望んでおり、離婚条件に大きな開きがない場合には、比較的早期に離婚が成立する可能性が高いです。早ければ数か月から半年程度で離婚が成立するケースもあります。
他方、調停や訴訟に至る場合は、離婚条件だけでなく、離婚することそれ自体に争いがあるケースが多いです。このようなケースの場合、離婚が成立するまでは短くても1年、長い場合は1年半から2年程度かかると思われます。親権が争点になる場合には、さらに長期化する可能性があります。このように、調停や訴訟に至る場合は、離婚が成立するまでに相当時間がかかります。
本件では、相手方がそもそも離婚することを望んでおらず、そのうえ、仮に離婚を受け入れる場合の条件も依頼者が想定している条件とは相当開きがありました。そのため、依頼者に対して、早期解決を実現するためには、相手方の要望(相手方が希望する財産分与額を支払うこと)を相当程度受け入れる必要があることをお伝えしました。依頼者としては、相手方が希望する財産分与額を支払うのは難しいとのことでしたので、時間はかかっても依頼者に有利になるように離婚交渉を進めるということになりました。
(2)ご要望②
離婚事件の場合によく伺うご要望ですが、実現が難しいケースが多いです。
生活費(法律上は「婚姻費用」といいます。以下では「婚姻費用」と表記します。)は、相手方に婚姻関係を破綻させる原因があったなど例外的な場合を除き、支払う義務がある金銭です。
仮に婚姻費用を支払わない場合、相手方(収入が低い方の配偶者。)から婚姻費用の支払を求める旨の調停を家庭裁判所に申し立てられる可能性があります。その場合、家庭裁判所から調停期日への出頭を命じられます。調停期日は、平日の10時から17時までの間(12時から13時は除きます。)で行われることが通常ですので、平日に仕事をされている方の場合、お仕事をお休みする必要があります。
仮に調停に出頭しなかった場合は、調停は不成立になり、家庭裁判所から審判(判決のようなイメージです。)が下されます。この場合、婚姻費用の支払を求める旨の調停に出頭していないので、相手方の言い分や資料(源泉徴収票、確定申告書等)に基づき、家庭裁判所が一方的に婚姻費用を定めます。
審判に従わない場合、相手方からの申立てにより、自己の所有する財産(不動産、預貯金、給与等)が差し押さえられる可能性があります。差押えの対象が給料等であれば、未払い分だけでなく将来分についても差し押さえることができ、原則2分の1まで差押えが認められます。
そのため、依頼者に対して、ご要望を実現することは難しいが、婚姻費用を適正な額になるように交渉する旨をお伝えしたところ、ご理解をいただけました。

第4 本件の解決方法

相手方に対して、依頼者が別居をするに至った経緯や離婚条件について丁寧に説明するとともに、依頼者の収入が減少しているため婚姻費用を適正額にすること、個人の財産と事業の財産が混在しているため事業の財産を財産分与の算定根拠から除外することを主張しました。
相手方は当初難色を示していましたが、財産分与の支払方法を相手方の希望に沿った内容にすることで、こちらの案に納得していただくことができました。複数回交渉を重ねたため、解決までには時間を要しましたが、結果的には依頼者に有利な条件で離婚を成立させることができました。
以上
監修:弁護士法人キャストグローバル
   高槻オフィス 家事担当(離婚)