交通事故の示談における注意点とは?示談の流れや相場は?

交通事故

交通事故の示談における注意点とは?示談の流れや相場は?

交通事故に巻き込まれけがをしてしまった場合には、加害者から慰謝料を受け取ることができます。慰謝料の金額については、加害者の任意保険会社と示談交渉をすることがほとんどです。
示談交渉にのぞむ際の注意点、流れや相場がどのようになっているかについて、交通事故に強い大阪・高槻の「弁護士法人キャストグローバル」が解説します。

1. 交通事故の示談とは?

交通事故の示談交渉は、主に慰謝料の金額を決めるための話し合いになります。民法709条では、故意過失により他人の生命・身体・財産を侵害したものをその損害を賠償する責任を負うとしています。そのため、過失のある運転で被害者に、けが等を負わせてしまった加害者は、被害者が受けた損害を賠償しなければなりません。
しかし、この損害額については法律上明確に定まった金額がないため、当事者同士の合意で基本的には決定されます。交通事故では、この合意を形成するための話し合いが示談交渉となります。

2. 交通事故の示談成立までの流れ

交通事故にあってから、示談が成立するまでには、具体的にはどのような流れになるのでしょうか。

2-1. 事故発生

交通事故が発生すると、加害者は小さな事故であっても警察に通報する義務を負います(道交法72条)。また、けが人がいる場合は、当事者は救護義務を負います。通報を受けた警察は事故現場にかけつけて実況見分を行います。(後に実況見分調書や物件事故報告書を作成)その際、事故現場の状況確認や被害者・加害者からのヒアリングが行われます。また、この際に、ご自身が加入されている保険会社にも連絡をいれましょう。
警察は民事不介入という方針をとるため、示談交渉に関与してくることはありませんが、のちのち示談交渉で過失割合などについて当事者同士がもめた際、このときに作成された実況見分調書や物件事故報告書に書き取られた事故の様子は、重要な参考資料となります。

事故の際、急いでいるから等の理由で、身体への影響はなかったとして物損事故にしてしまうケースがよくありますが、この点は注意が必要です。
物損事故では、捜査が簡略化されてしまいますので、実況見分調書や供述書が取られる可能性が低く、証拠が残りません。
物損事故を、後から人身事故に変更することも可能ではありますが、再度警察へ行かなければならず面倒です。そのとき、その立場に応じて、正しく判断することが必要だといえるでしょう。

2-2. 入院や通院治療

交通事故で負ったけがについては入院や通院で治療をします。この際にかかる治療費や交通費、松葉づえなどの器具代、治療のために休業しなければいけない場合の休業損害などは、傷害慰謝料として加害者の保険会社から支払ってもらうことができます。ただし、請求は領収証をそえて行うことになりますので、忘れずに貰うようにしましょう。

2-3. 完治または、症状固定

交通事故によって負った怪我が完治するケースは、それで問題がないのですが、完治しないケースもあります。完治しないケースで、これ以上治療を続けても、症状が大きく改悪も改善もしないという段階があります。これを症状固定といいます。
症状固定になると、加害者の任意保険会社から支払われていた傷害慰謝料の支払いは基本的に、打ち切られます。そのため、加害者側の任意保険会社としては早く支払いを打ち切るために、適当な段階でそろそろ症状固定しませんか、というように被害者に対して持ちかけてくることがあります。
しかしながら、症状固定は保険会社が決めるべきものではなく、主治医が医学的判断に基づき行い、被害者としても納得するタイミングである必要があります。
自覚症状として治療を続けたら症状が良くなる可能性を感じているのであれば、その旨を主張する必要があります。治療費を打ち切りさせないためには、効果的な主張をする必要がありますが、弁護士がついているならば安心です。その弁護士は、治療費の打ち切りを主張する保険会社側の主張の根拠を求めるなど、経験と、法律を駆使した交渉により、治療費の打ち切り対策や、その他の最善策を講じてくれるでしょう。
また、通院は、完治するか、症状固定となり、総治療費が確定するまでは続けるといいでしょう。

2-4. 後遺障害の等級認定

症状固定のあと後遺症が残れば、後遺障害診断書を主治医に作成してもらい、自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定申請をして、後遺障害慰謝料を請求することになります。
後遺障害等級認定には1級から14級まであり、番号が若いほうが症状が重篤であると考えられ、慰謝料の金額も高くなります。むちうちなどの自覚症状のみで画像所見にうつらない症状については、補強の医学的テストを受けるなど、後遺障害の存在を証明するために工夫が必要になります。
後遺障害等級認定申請には、加害者の任意保険会社が手続きを代行する事前認定と、被害者自らが申請を行う被害者請求の2種類があります。多少の手間はかかりますが、被害者請求を行った方が、適正な後遺障害等級を得られる可能性が高いだけでなく自賠責保険金が素早く振り込まれる可能性が高くなるため結果的に良いというケースが多いでしょう。

2-5. 示談交渉

後遺障害等級認定が決まればいよいよ慰謝料の範囲が確定したということになりますので、加害者の任意保険会社と示談交渉をします。
基本的に、任意保険会社としては自賠責事務所でカバーしきれなかった慰謝料の金額を上乗せして被害者へ支払うことになります。
慰謝料がいくらになるかは、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準と3つの基準のいずれで算定するかによって結果が異なります。
交渉は、過失割合の交渉から始めることが一般的です。過失割合が決まったら、この割合に応じた賠償額を保険会社が被害者に提示し、被害者がこれに応じると示談成立となります。注意すべきは、示談は、原則やり直しや撤回をできないという点です。
そのため、示談内容について不安がある場合は、なるべく早く弁護士に相談をするといいでしょう。

3. 示談交渉を始める時期

示談交渉を始める時期としては、症状固定によって後遺症の範囲が確定されるので、最終的な慰謝料請求の範囲が決まる症状固定後ということになります。
なお、症状固定前に示談をしてしまった場合、本来請求できた損害賠償請求ができなくなる可能性があるため注意が必要です。

4. 交通事故を示談にするメリットとデメリット

交通事故を示談にするメリットとしては、裁判に比べて短期で慰謝料を受け取れることです。また、訴訟となると弁護士費用などのお金がかかりますが、この金額を抑えることができます。
デメリットとしては、特に被害者本人が交渉する場合、保険会社に言いくるめられてしまい、被害者にもっとも有利となる弁護士基準での慰謝料の受け取りができなくなってしまう可能性があることです。示談交渉は、交通事故に詳しい弁護士に依頼したほうが慰謝料は増額される可能性が高くなります。
なお、弁護士に依頼をして示談をした場合、保険会社の内規によって、決済金額のレンジが変わり、慰謝料額を増額できる可能性が高まります。

5. 交通事故の示談に含まれる損害の内容

交通事故の示談に含まれる損害の内容としては、けがを負った場合、傷害慰謝料として入院通院費用、薬代・器具代などの治療費、交通費、休業損害があります。後遺障害慰謝料としては後遺障害が残り、労働力低下がおこることについての逸失利益や、精神的慰謝料が含まれます。加害者が被害者に支払うべき損害とは、交通事故により被害者に発生した損害の全てです。(内容や金額は、当事者同士の合意により個別具体的に決定されます。)

6. 交通事故の示談金の相場

示談金の相場は、上述の3つの相場のどれを採用するかによって、金額が大きく異なります。また、損害の範囲がどの程度かによっても、全く違ったものになるため、交通事故に詳しい弁護士に聞くことで、最も間違いのない相場を知ることができるでしょう。

7. 示談書の内容や書き方

示談書は加害者と被害者が事故を終局的に解決することについての契約書となります。事故の日時、場所、様子などの事故情報の特定と、示談金額、支払方法、支払時期などについて記載します。
記載内容に間違いがあったり、きちんと支払いがされなかった場合の善後策なども見据えた示談書にできるといいでしょう。示談書があるが、支払いはされないというケースは少なくありません。実効性を、どう担保するか?という点は、非常に重要ですので、スポットでも、弁護士に相談することをおススメします。

8. 示談交渉の注意点

示談交渉の注意点としては、任意保険会社としてはなるべく支払いをおさえたいため、弁護士基準よりは低い任意保険基準で示談金を提案してくることです。安易に任意保険会社の提案する示談内容に合意せず、金額の妥当性について交通事故案件の取り扱いが多い弁護士にチェックしてもらうことをおすすめします。
加害者の任意保険会社は営利企業ですので、一個人である被害者とは交渉力や情報量に差があります。そのため、個人で保険会社と戦おうとしても、うまくいかないこともあります。そうした場合は、被害者の交通事故案件の解決の経験が多い弁護士に示談交渉を依頼することが最も有効な手段です。

9. 交通事故の示談に関する相談は、無料相談もできる大阪・高槻の「弁護士法人キャストグローバル」の強み

弁護士と一口にいっても、離婚、企業法務、債権回収など得意ジャンルは様々です。上述のように、示談交渉にあたっては、交通事故案件に詳しい弁護士のサポートが必要です。示談は、一度決まってしまうと覆すことができないなど、注意すべき点が多いため注意が必要です。
大阪・高槻の「弁護士法人キャストグローバル」には交通事故専門部があるため、交通事故を専門に取り扱っている弁護士が複数在籍します。無料相談の機会などもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

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