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賃貸管理に関するトラブルへの対応方法

滋賀オフィスの弁護士が説明する賃貸管理に関するトラブルへの対応方法

「近隣住民に迷惑をかける入居者がいて困っている」「退去時の原状回復で揉めている」などでお困りではございませんか?賃貸物件の管理業務を行うにあたり、契約時だけでなく入居中、退去時にも入居者との間にトラブルが生じることがあります。

なかでも近隣住民に迷惑をかける問題入居者へのトラブル対応や、敷金の返還、原状回復の範囲などについては、紛争に至るケースも珍しくありません。状況が深刻化すれば、管理会社だけでは問題解決が困難になることもあるでしょう。

弁護士法人キャストグローバル滋賀オフィスでは、不動産管理会社の賃貸管理にまつわるさまざまなトラブルのご相談にお応えしております。トラブルが起きたときの対処方法をご提案し、今後の関係性を高所したうえで円滑な解決をサポートいたします。

また、賃貸管理で起こり得るトラブルに備えて、手間や費用のかかる紛争を回避するために既存の契約書類などの見直しもおすすめします。賃貸管理トラブルでお困りの方は、ぜひご相談ください。

問題入居者とのトラブル対処法

不動産管理会社による相談が多いトラブルのひとつに、賃借人による近隣トラブルがあります。例えば、深夜の騒音やゴミの処理問題など、他の入居者や近隣住民に迷惑をかける借主がいることで、管理会社にクレームが寄せられるケースも珍しくありません。

こうした問題を放置すると、苦情を寄せた入居者以外からの苦情が増えたり、退去者が増加したりする恐れがあります。ほんの些細なトラブルから大きな問題へと発展することもあるため、早期に対処することが重要です。

また、このような入居者問題を放置すると、管理会社の責任が問われるケースもあります。入居者や近隣住民からのクレームがあるにも関わらず、適切な対処をしないことによって、オーナや他の入居者に対する債務不履行にあたると判断されるリスクも考えなければなりません。

トラブルの原因が入居者本人であっても、管理会社にも他の入居者に対して居住環境を平穏に保つ責務のあるのです。問題入居者によるトラブル例と対処法について見ていきましょう。

騒音を出す入居者への対処法

深夜に騒音を生じさせる入居者がいると苦情が寄せられた場合には、賃借人にその旨を伝えなければなりません。ただし、その騒音問題は人によって受け取り方が異なるため、判断が難しいところでもあります。

通常の生活で生じる軽度の足音や、日中の洗濯機の音などでは、日常生活を脅かすものと判断できません。他の入居者から苦情が寄せられた場合には、すぐに該当の賃借人に対して改善を求めるのではなく、その苦情が正当であるかを判断する必要があります。

管理会社ができる対応としては、クレーム元・騒音元への聞き取りをはじめ、掲示板による警告、当事者間での話し合いの提案などが挙げられます。まずは苦情を寄せた入居者の元へ行き、騒音の内容や時間帯などを詳しく聴取します。周囲の部屋の入居者にも聞き取りを行ない、苦情が正当だと判断できる場合には、騒音元となる入居者にその旨を伝えます。いずれも、お互いの主張に食い違いがないか、騒音状況を正しく把握することが大切です。

このような手順を踏み、苦情が正当だと判断できたうえで改善が見られない場合には、管理会社から騒音元の入居者に、以下の方法で改善を求めることとなります。

弁護士による任意交渉

不動産管理会社から問題入居者に注意を促しても改善が無い場合は、次のステップとして弁護士に相談する方法があります。管理会社からの注意喚起には聞く耳を持たない人でも、弁護士による任意交渉で改善されるケースも多くあります。

弁護士に依頼すれば、騒音が受忍限度を超えているかどうか、客観的な視点で判断することが可能です。公平な立場で騒音の原因を突き止めたり、騒音を立証に必要な証拠収集のアドバイスができるため、問題解決の糸口となり得るでしょう。

また、弁護士に早期に依頼することによって、苦情があったときの状況や双方の主張を把握できるため、後に訴訟に発展した場合にスムーズに手続きを進められるという利点があります。

訴訟を申し立てる

任意交渉を行なっても改善の余地がない場合には、契約解除や退去の申し出も視野に入れる必要が出てきます。ただし、騒音による迷惑行為によって、直ちに契約解除が認められるわけではありません。繰り返しの注意をしても改善の意思がない場合や、近隣住民に怒る、暴力をふるうなどの危険が及びかねない状況でなければ、認められにくいのが現状です。

度を超えた騒音で契約を解除したい場合には、訴訟を申し立てて法的な手段で解決を図ることとなります。とはいえ、どの程度であれば訴訟の申し立てが妥当なのか管理会社だけで判断することは難しいかもしれません。弁護士へ依頼すれば、最適な解決策を提案することができます。

ゴミ屋敷問題への対処法

特定の入居者が「物件の周辺や敷地内にゴミを放置している」「室内にゴミを放置して悪臭を放っている」など、ゴミの問題による苦情が他の入居者や近隣住民から寄せられるケースがあります。とくに室内におけるゴミの放置は外から気づかれにくいことも多く、苦情が出る頃にはすでに深刻な状態になっているかもしれません。

しかし、たとえ部屋の外や敷地外にあるゴミであっても、持ち主には所有権が生じるため、他人が勝手に廃棄することはできません。解決のために不動産管理会社ができるのは、状況の確認をしたうえで対象の入居者に注意を促すことにとどまります。

注意喚起をしても改善の努力が見られない場合には、弁護士に対応を依頼することを検討しましょう。騒音問題と同様に、ゴミ屋敷の状態が確認できたとしても、すぐに契約解除を言い渡すことはできないため、適切な対処法を弁護士に相談することが望ましいでしょう。

内容証明郵便での通知、行政機関への相談

口頭や文書による注意で改善が見られない場合は、不動産管理会社は内容証明郵便等を用いて、問題の入居者に対して通達を行ないます。期日までにゴミの処分を依頼するとともに、期日までに処分しない場合には賃貸借契約の解除を行う旨を記載します。内容証明郵便を通知しておくと、いざ紛争が起きたときの証拠となるため重要です。

また、ゴミによって何らかの災害や人的被害が及ぶ恐れがある場合には、警察や消防署、保健所、区役所などに相談するのも効果的です。行政機関を巻き込んで対応することによって、問題入居者が事の重大さに気づき、解決につながるケースもあります。

訴訟を提起し、契約解除を求める

ゴミ屋敷の状態が深刻な場合であっても、直ちに契約を解除することはできません。裁判によって契約解除、明け渡し請求を求めるには、衛生上の問題で近隣住民に大きな迷惑がかかる場合や、ゴミが原因で火災が発生する危険があるなどの状況でない限り、認められないケースが一般的です。

また、訴訟を提起して契約解除を求めるためには、問題となっている部屋の状況や周囲の被害状況を確かめる必要があります。弁護士に依頼することによって、ゴミ屋敷の状況や入居者への影響などを客観的且つ具体的に提示し、裁判を優位に進められるようになります。

原状回復をめぐるトラブル対処法

賃貸管理で頻繁に起こりやすいトラブルのひとつに、退去時の原状回復の問題が挙げられます。原状回復の範囲について入居者との言い分が食い違うケースや、敷金だけでは足りなかった原状回復費用を入居者に支払ってもらえないなどのケースがあります。

退去時の原状回復について入居者と揉めないためには、原状回復ガイドラインに沿って、根拠のある適正価格を請求する必要があります。このガイドラインは、1998年に国土交通省が、かつてトラブルが多かった退去時の敷金返還に関する問題に対処する指針として公表されたものです。

原状回復の範囲や請求金額などを入居者に納得してもらえない場合は、弁護士に相談することが効果的です。契約内容や現状確認書に沿った正当な請求であるかどうか、弁護士に判断してもらうことにより、互いに納得のいく結果になりやすいのです。

原状回復ガイドラインに基づいた交渉

原状回復義務として入居者に費用を請求できる範囲は、原状回復ガイドラインで規定されています。前提として理解しておくべきなのは、「通常の生活をしてできた損傷や汚れなどは、基本的に賃借人が負担する必要はない」ということです。入居者に原状回復の義務が発生するケースには、次のような例が挙げられます。

  • 誤った使用によって給湯機が破損した
  • 結露を放置によるシミやカビ
  • 不注意などによる鍵の破損や紛失

一方、壁にポスターを貼るための画鋲によってできた穴などは、通常の使用範囲内と見なされるため、入居者に費用を請求することはできません。

入居時に入居者との間で「原状回復の範囲」を定めていない場合は、このガイドラインに沿って納得してもらえるよう説得する必要があります。弁護士に依頼すれば、契約内容に特約等が無いか確認し、ガイドラインを考慮しながら正当な請求であるかどうかの判断が可能です。

正当だと判断できる場合には入居者への交渉を進めますが、不動産管理会社が過剰な費用を請求していないかなどを確認することも弁護士の役割です。

現況確認書による検証

退去時の原状回復に関するトラブルを避けるために、入居時に「現況確認書」を用いるケースが増えています。現況確認書とは、入居者が入居時にあった部屋のキズや汚れなどの室内状況を記録する書面のこといいます。

長期間の賃貸契約では、入居時の状況を判断することが難しいことから「元から合ったキズや汚れ」だと主張されるケースも少なくありません。入居時に賃借人自身で部屋の状況を「現況確認書」に記録してもらうことで、退去時に「入居当時からある汚れなのか」「入居者によるものなのか」を検証することが可能になります。これにより、退去時の原状回復についてスムーズに話しがまとまることも多くあります。

ただし、現況確認書は記載する範囲が決められていないことも多いため、書類だけでは確実な証拠となり得ないケースがあるのも事実です。現況確認書の信憑性について判断が難しく、入居者と折り合いが付かない場合も多いでしょう。

入居時の契約と特約の有無

原状回復のガイドラインでは、通常の原状回復義務を超えた範囲について「特約」として規定できる旨が記載されています。入居時の契約でこのような「特約」が定められている場合は、通常の現状回復義務を超えた場合であっても、入居者に原状回復義務を負うよう主張できるケースがあります。

ただし、特約を記載している場合でも、原状回復義務として認められないケースもあるため注意が必要です。原状回復義務の特約を規定するための条件は以下の3つです。

  • 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在する
  • 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識している
  • 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしている

これらを満たしている場合には、入居者に対して正当性を主張できます。「聞いていなかった」と主張する入居者に対しても、弁護士に依頼することによって証拠となる契約書や、現場の状況などから的確なアドバイスが可能です。

調停や訴訟を申し立てる

敷金で充当できず、尚且つ弁護士による交渉を行っても入居者が費用の負担を認めない場合は、調停や訴訟を申し立てることも可能です。ただし、調停では相手側に応じる義務がないため合意に至らないケースも多く、訴訟では手続きに手間や費用がかかるのが難点です。

争う金額が少ない場合は任意交渉で話がまとまるケースも多いのですが、金額が大きくお互いに合意が難しい場合には、法的な手段を視野に入れるべきでしょう。いずれにせよ、調停や訴訟は、不動産管理会社にとって時間・金銭面での負担が生じることを認識しておかなければなりません。

弁護士に依頼することによって、出来る限り交渉で話がまとまるよう、的確な判断が可能になります。また、交渉がまとまらず調停や訴訟となった場合においても、円滑に手続きを進められるのは大きな利点と言えるでしょう。

入居者トラブルに備えて契約書類の見直しを

入居者とのさまざまなトラブルは、契約書類の内容や特約などを工夫することで、無駄な紛争を防ぐことができます。なかでも賃借人による騒音やゴミ問題は、重度のレベルでなければ直ちに契約解除や退去を求めることが困難です。そのため、契約時点から起こり得るトラブルに対しては明確に規定を定めておくことが大切です。

また、原状回復については「言った言わない」で話しがもつれることも多いのが実情です。入居者には契約時点から具体的な基準や負担範囲、費用概算など伝えておきましょう。その内容にきちんと合意してもらうことで、退去時にトラブルになる可能性は低くなります。

入居者によるトラブルが多発してお困りの不動産管理会社様は、契約書の作成や見直しまで当事務所にご相談ください。弁護士法人キャストグローバル滋賀オフィスでは、不動産管理会社様のお悩みのごとに幅広く対応させていただきます。

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