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賃貸経営のトラブル「家賃滞納」「賃料の増額交渉」はどう対応する?

滋賀オフィスの弁護士が説明する賃貸経営のトラブル「家賃滞納」「賃料の増額交渉」はどう対応する?

「入居者が家賃を滞納して払ってくれない」「賃料の増額に納得してくれない」などでお困りのことはございませんか?アパートやマンションで賃貸経営をしていくなかで、このような入居者とのトラブルが起こることは珍しいことではありません。管理会社に対応を委託していないケースでは、入居者からの問合せや、家賃の集金などを自分で対応する必要があります。

なかでも、「家賃の滞納」や「賃貸の増額拒否」などは典型的なトラブルのひとつであり、深刻化した場合には裁判等の法的手段による解決も視野に入れなければなりません。貸主として適切な対応を取り、思わぬ損失を被らないよう対策が大切です。

弁護人法人キャストグローバル滋賀オフィスでは、これらのトラブルでお困りの不動産オーナー様からの多数のご相談にお応えしております。不動産に関するトラブルにお困りのことがあれば、安心してご相談ください。

家賃・賃料滞納トラブル

賃借人による賃料滞納は、頻繁に起こるトラブルのひとつです。
賃料の滞納が頻繁に起こる、連絡を重ねても返済してもらえないという場合には、賃貸借契約の解除を検討することもひとつの手段かもしれません。しかし、一度や二度の家賃滞納で契約を解除することは現実的ではありません。賃貸借契約書において、「1ヵ月分の不払いが発生した場合に契約を解除できる」と明記してある場合でも、実際には一度の不払いのみで契約を解除できる見込みはないと考えられます。

賃料の滞納によって契約解除を実行できるのは、貸主と借主間の信頼関係が破綻する程度の期間で滞納がある場合(一般的には3ヵ月以上)や、一定の猶予期間を設定したうえで賃料支払の督促を行ったものの、賃借人が払わない場合などが該当すると考えられています。

「支払いを忘れていた」といった一時的な理由や、「急病により支払を遅らせてほしい」などのやむを得ない事情がある場合には、改善の余地があるものとして、事前通知や猶予期間を設けることも必要といえます。

しかし、賃借人に支払う意思がない場合や、約束した猶予期間を守らないなど状況が深刻化するケースでは、裁判等の法的手段によって「賃貸借契約の解除」や「明け渡し請求」を実行する方法も視野に入れることも重要です。

いずれも、賃借人との信頼関係の有無や、個別の状況によって取るべき対応が変わってきます。オーナー様だけでは解決できない場合は、状況に応じて段階的に対応を進められる弁護士への相談を検討しましょう。

コロナ禍による不払い特別対応

昨今の新型コロナウイルスの影響により、宿泊業や飲食店などの多くの企業で売り上げが急減し、苦しい経営状況に置かれています。なかでも小規模の飲食店などでは一ヵ月分のキャッシュしか用意できていないケースも多く、「テナント料などの固定経費が払えない」という店舗経営者も増えてきています。

このような状況のなか、店舗の経営者から不動産オーナーへ家賃の交渉を行うケースも増えてきています。貸主として、支払いが難しくなったテナントに退去を求めるよりも、まずは支払を猶予したり、賃料の一部を免除するなどの対応を検討する必要があるかもしれません。

テナントが退去した後にすぐに入居者が決まらないこともあるため、支払いが難しい店舗については、事業所得の減少に応じて特別な対応が求められるでしょう。

国会では、こうしたコロナショックによって家賃の支払いが困難な事業者に対して、家賃の支援策を取り決めていますが、今後はオーナーに対しても政府の対策が望まれるところです。

3か月以下の滞納への対処法

滞納期間が3ヵ月以下の場合では、賃貸借契約の解除や明け渡しといった手続きになる前に、早い段階で滞納を解消することが得策といえます。事前に支払通知をすることはもちろん、オーナー様や管理会社からの督促に応じない場合には、弁護士に相談することもひとつの手段です。

滞納期間が短いケースでも、何もしない状態が続けば賃料滞納が常態化してしまう可能性もあります。「契約解除」「明け渡し」には手続きに費用や時間もかかってしまうため、なるべく早く弁護士に依頼し、文書の送付や電話による督促によって、滞納している賃料を督促することが効果的といえます。

保証人に連絡

「3ヵ月経っても支払ってもらえない」「賃借人と連絡が付かない」など、賃料滞納が続く場合には、連帯保証人へ連絡して支払を依頼します。

賃貸借契約では、入居者の家賃を保証してくれる保証会社に加入するケースが一般的ですが、同時に連帯保証人を立てているケースも多くあります。個人が連帯保証人になっている場合は、賃借人への連絡に加えて保証人にも連絡を取り、賃料の支払いを依頼しましょう。

「保証人に連絡をしても家賃を支払ってもらえない」「保証人にも連絡が取れない」という場合には、さらに本格的な対応に移行する必要があります。

内容証明郵便による督促

内容証明郵便とは、差出人が受取人に送付する文書と同じ内容の「謄本」を郵便局で保管することによって、「いつ、誰が、誰に、どのような文章を送付したか」を証明してくれるものです。

賃料の未払いケースでは、内容証明に「支払期限」「支払わなかった場合に賃貸借契約の解除する旨」を記載します。これは、支払の督促をする目的だけではなく、賃借人に対して「支払の督促」を行ったことを証明するためにも重要な手段です。

内容証明で通知することによって、後に裁判になったときに「請求されていない」「聞いたことがない」といったような、賃借人による弁解に対して事実を提示できるようになります。

また、内容証明は弁護士名で通知できるため、心理的圧力を与えてすみやかに支払いに応じやすいというケースも存在します。内容証明自体には法的な効力はありませんが、後に裁判になったときの証拠づくりや、停滞していた家賃督促のやり取りが発展するきっかけとなるかもしれません。

契約解除

内容証明郵便による督促を行ったにも関わらず、支払期日までに賃料の支払に応じない場合には、さらに踏み込んだ対応を検討しなければなりません。賃貸借契約を解除したい場合には、再度、内容証明郵便にてその旨を記載して通知しましょう。勧告に応じず支払がなければ、賃貸借契約を解除することができます。

明け渡しの訴訟を提起する

内容証明郵便による督促に応じず、支払期日が過ぎてしまった場合には、建物の明け渡しを求める対応に移行します。賃借人が建物を明け渡さない場合は、「明け渡し請求訴訟」を提起し、法的手段による解決を検討しましょう。なお、裁判では建物の明け渡しに加え、滞納している家賃等の支払請求も可能です。

裁判で、賃借人が建物を明け渡す約束をした場合は、期限などを双方が合意することによって和解に至ることもありますが、賃借人が「和解内容に従わない場合」には、明け渡しの強制執行が行うことが可能です。ただし、すぐに退去させるわけではなく、約1ヵ月ほどの期間を設けて、裁判所が明け渡しを催促することとなります。

明け渡し訴訟で裁判所に提出する書類例

  • 訴状
  • 不動産登記簿謄本
  • 固定資産評価額証明書
  • 代表事項証明書(原告が法人の場合)
  • 郵便切手
  • 訴訟金額に応じた収入印紙
  • 建物賃貸借契約書
  • 内容証明郵便(解除を通知したもの)

訴状には、オーナー様と賃借人の氏名住所のほか、請求する金額や賃貸契約の概要を記載します。裁判所の公式ホームページに書式が掲載されているため、参考にしてください。
建物明渡 訴状

裁判所が訴状を受理すると、滞納していた賃借人に特別送達という方法で訴状を送付し、受け取った賃借人は期限までに答弁書等を返送します。裁判当日には、両者が裁判所に出廷することとなります。

判決の取得による強制執行

賃借人が家賃を3ヵ月以上滞納し、内容証明による督促をしても支払う意志が見られない場合は、賃貸借契約の解除が認められるとともに、建物の明け渡しと賃料滞納の支払を命じる判決を得られる可能性が高いです。判決後も任意に建物を明け渡さない場合は、強制執行の手続きも可能ですが、最終的な手段に至らずとも、賃借人が自主的に退去してくれるケースも多くあります。

明け渡しを強制的に実行するには、執行官の費用等実費としてさまざまな費用がかかるだけでなく、手間と時間も要する手段です。手続きを長引かせないためには、話し合いや任意交渉によって段階的に解決を図ることが貸主にとって有利といえるでしょう。

弁護士法人キャストグローバル滋賀オフィスでは、賃料滞納1ヵ月目から数か月経過するケースまで、あらゆる段階に応じて適切な対応を致します。賃借人が破産手続きをすると貸主が賃料を取り立てることが不可能となるため、早い段階でのご相談をおすすめします。

賃料の増額交渉

家賃や地代などの賃料は、地価の上昇等による不動産価格の上昇に伴って、「現在の賃料を増額したい」という局面にいたることがあります。地価が上昇すれば相場賃料も上昇するため、賃料をそのままにしておくと投資利回りが下がってしまいます。

オーナー様は賃借人に対して賃料交渉を行うことができますが、当事者同士の話し合いだけでは思うように交渉が進まないというケースも少なくありません。ただし、増額の有無はこれまでの経緯も十分に考慮されますので注意が必要です。

当事務所では、賃料増額を検討しているオーナー様のご要望に応じて、賃貸借契約の内容から周辺の賃料相場までを考慮したうえで、賃借人と賃料増額の交渉を行います。空室リスクから賃料交渉ができるか不安という方も、ぜひご相談ください。

乖離する賃料相場と賃料、オーナー様の権利

借地借家法では、地価の上昇等で近隣にある同等の物件の賃料相場と大きく乖離している場合などに、当事者が不利益を解消するための「借賃増減額請求権(借地借家法第32条1項)」という権利が認められています。土地の賃料については、「地代増減額請求権(借地借家法第11条1項)」という権利が存在します。

これらの権利は、オーナー様とその土地や建物を借りている人の双方に認められており、相手にその意思が通知された時点で効力が生じます。ただし、賃貸借契約において「一定期間賃料を増額しない」旨の特約がある場合、賃料増額が難しくなる可能性が高くなるため注意が必要です。

弁護士による任意での交渉

賃借人へ賃料増額を求める場合、まずは任意での交渉を行います。オーナー様が直接申し入れても賃借人が認めない場合は、弁護士に交渉を委任することが効果的です。弁護士は、近隣の賃料や地価上昇などのデータに基づき、客観的に「賃料増額が相当である」と分かる証拠を用意して交渉を進めます。

賃料増額交渉の際に根拠となる資料には、次のようなものがあります。

賃料増額交渉の際に根拠となる資料例

  • 不動産鑑定士による鑑定書
  • 近隣家賃、賃料相場をまとめた資料
  • 固定資産評価証明書

賃料等調停の申立て・訴訟

任意の交渉で賃料の増額が認められなかった場合は、調停の申し立てを検討します。賃料の増減額請求については、ただちに訴訟を提起することはできず、原則として裁判の前に調停を行わなければならない「調停前置主義」をとっています。

賃料等調停の申し立ての際には、次のような書類が必要となります。

賃料等調停の申し立ての際に必要となる書類例

  • 調停申立書
  • 固定資産評価証明書
  • 相手方が会社の場合は商業登記簿謄本、もしくは資格証明書
  • 相手方に送付した内容証明等
  • 賃貸借契約書
  • 郵便切手(申立人と相手方の人数によって異なる。2人の場合は2,648円)
  • 収入印紙(請求金額によって異なる。20万円を請求する場合は1,000円)

調停では、調停主任となる裁判官1名と、不動産鑑定士などの専門的な知識を持つ民事調停委員2名で行います。このとき、不動産鑑定書等の根拠をもとに相当な賃料額を協議し、当事者双方の話を考慮したうえで調停委員が解決方法を提案します。

協議によって双方が合意する場合は、調停が成立して調停調書が作成されますが、合意できなかった場合は不調となり、訴訟への移行が可能になります。訴訟となると、裁判所が不動産鑑定士による鑑定評価書等をもとに、契約内容や経緯等を考慮しながら相当な賃料を決定する流れとなります。

とはいえ、訴訟ではお互いの金銭面や労力の負担が大きくなるほか、調停の段階で専門家である不動産鑑定士の調停委員から客観的な意見が示されるため、裁判に至らずとも話し合いで解決するケースも多くあります。

まとめ

弁護士法人キャストグローバル滋賀オフィスでは、賃貸物件などを持つ不動産オーナー様へのさまざまな解決サポートを行っています。家賃の滞納や家賃増減交渉なども、入居者との交渉を粘り強くかつ円滑に実施します。オーナー様との直接交渉が思うようにいかない場合は、弁護士に依頼することですばやく効率的にトラブルを解消できることも多くあります。交渉が難航する場合には、調停や訴訟を申し立てなどの手続きについてもお任せください。

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