借金を減らす個人再生手続きを利用すると生活や家族にどんな影響がある?
自己破産は避けたいときに、個人再生を選択するといった方法があります。個人再生を利用した際に、これまでの生活や家族に対してどんな影響があるのかについては気になるところだと思います。例えば、生命保険に加入していた場合は債権者に解約を迫られるの、自動車購入に際してローンを組んでいたり、こどもの学費の支払いのために借り入れを行っているときは、一括で弁済を迫られたりするのかとかでしょうか。この記事ではこうした疑問に対してご説明いたします。
個人再生手続きとはどういった制度なのか
個人再生手続きとは、債務整理の手続の一つです。個人再生手続は裁判所が関与して、借金の弁済の負担軽減を行う手続ですが、自己破産手続きとの違いは、必ずしも持ち家を処分しなくてもよいときがあるといった点です。
また、自己破産の場合には、警備員や士業の登録ができない、あるいは会社の役員であったときには退任事由となったりしますが、個人再生手続きにおいてはこのような制限はありません。なお、個人再生は、債務者が再生計画を作成し裁判所に認可してもらう必要があります。
また、自己破産の場合には、警備員や士業の登録ができない、あるいは会社の役員であったときには退任事由となったりしますが、個人再生手続きにおいてはこのような制限はありません。なお、個人再生は、債務者が再生計画を作成し裁判所に認可してもらう必要があります。
個人再生手続きを行うと本人の生活にどのような影響があるのか
個人再生手続きに限定されず、債務整理手続き全般にいえることですが、返済能力に問題があるといった情報が指定信用情報機関に登録されるため、クレジットカードが利用できなくなったり、スマートフォンや高額品などを分割で購入することができなくなったりします。
指定信用情報機関とは、借主の信用情報(返済能力)などを保管している機関であり、法律及び金融機関等との契約に則り、照会のあった人物の信用情報を提供します。そして、貸金業者は、貸金業法に基づき債務者の弁済能力について調査する義務をおっており、調査を行うに際して指定情報機関に照会を行う義務があるため(貸金業法13条1項2項)、いわゆる事故情報として登録されている方への新規の貸し付けはしないのが通常であります。
また、個人再生を行う際、裁判所は官報によってその旨を公告する必要があり(民事再生法35条1項)、公告されることにより再生手続が開始されたことが見た人に知られることになります。ただし、上記のような官報による公告がされた際でも、貸金業などの金融業に関与していない、その他官報を確認する特殊な方以外の一般人は関心がないことが通常ですので、知人や会社の同僚に知られる危険は小さいでしょうし、ご近所さんに知られるということはあまりありません。破産者マップというものが話題となりましたが、かかるサイトは問題となった直後に閉鎖されています。
なお、個人再生等の債務整理手続きをされる方は、ご相談の時点で滞納があることが多いため、再生手続の申し立て以前に、指定情報機関にその旨が登録されているため、新たな借り入れが難しくなるということは再生手続をしなくても同様の状況ではあります。仮に、ご相談の時点で滞納していなかったとしても、弁護士等に債務整理の依頼をすることで全債権者の支払いを一時停止することとなるため、結果滞納せざるを得ませんから同様のこととなります。
指定信用情報機関とは、借主の信用情報(返済能力)などを保管している機関であり、法律及び金融機関等との契約に則り、照会のあった人物の信用情報を提供します。そして、貸金業者は、貸金業法に基づき債務者の弁済能力について調査する義務をおっており、調査を行うに際して指定情報機関に照会を行う義務があるため(貸金業法13条1項2項)、いわゆる事故情報として登録されている方への新規の貸し付けはしないのが通常であります。
また、個人再生を行う際、裁判所は官報によってその旨を公告する必要があり(民事再生法35条1項)、公告されることにより再生手続が開始されたことが見た人に知られることになります。ただし、上記のような官報による公告がされた際でも、貸金業などの金融業に関与していない、その他官報を確認する特殊な方以外の一般人は関心がないことが通常ですので、知人や会社の同僚に知られる危険は小さいでしょうし、ご近所さんに知られるということはあまりありません。破産者マップというものが話題となりましたが、かかるサイトは問題となった直後に閉鎖されています。
なお、個人再生等の債務整理手続きをされる方は、ご相談の時点で滞納があることが多いため、再生手続の申し立て以前に、指定情報機関にその旨が登録されているため、新たな借り入れが難しくなるということは再生手続をしなくても同様の状況ではあります。仮に、ご相談の時点で滞納していなかったとしても、弁護士等に債務整理の依頼をすることで全債権者の支払いを一時停止することとなるため、結果滞納せざるを得ませんから同様のこととなります。
新たな借り入れや分割払い等が制限されるのはいつまでか
個人再生手続きをおこなったときでも、一生借り入れや分割払いが制限されるわけではありません。指定信用情報機関は、延滞等が解消された支払い状況に関する情報を、永久に保管しているわけではなく、5年程度で消去されます。したがって、再生計画にのっとって完済すると、そこから5年程度で消去されることとなります。
個人再生における再生計画にもとづき弁済が完了して延滞等が解消したにも関わらず、現在延滞しているという情報が残っている場合には、指定信用情報機関に情報が誤っている旨を指摘し、情報を更新するように請求することができます。情報が更新されれば、新たなローンを組んだり、分割払いにてスマートフォンを購入したりすることができるようになる可能性があります。
個人再生における再生計画にもとづき弁済が完了して延滞等が解消したにも関わらず、現在延滞しているという情報が残っている場合には、指定信用情報機関に情報が誤っている旨を指摘し、情報を更新するように請求することができます。情報が更新されれば、新たなローンを組んだり、分割払いにてスマートフォンを購入したりすることができるようになる可能性があります。
個人再生手続きは家族に影響を及ぼすか
個人再生手続きは、他の同居する家族のクレジットカードが利用できなくなるとか、分割払いが出来なくなるといった影響はありません。しかし、経済的な再生には他の家族の協力が必要なことがあるため、家族の生活に影響を及ぼす可能性が少なからずあります。
個人再生手続きを行うにあたり、「家族には内緒にしたい」といった声はしばしば耳にしますが、秘密にするよりも内情を説明して必要な協力を求める方が賢明といえる場合もあります。
経済的な破綻をしてしまった理由が、収入に見合わない支出を継続してしまったという場合は生活水準を下げる必要があります。独身であれば自分一人の問題かもしれませんが、家族がいるような生計を一にする人がいる場合には、他の家族からの支援が必要となってくるでしょう。とりわけ婚姻していて配偶者や扶養する子などがいるときには、家族全体の問題として、これまでの支出を全面的に見直し、生活再建について検討する必要があります。
過剰な出費を抑える目的から、不必要な保険の解約、子の習い事の整理、あるいはスマートフォンやインターネットの契約の見直しなどが必要でしょう。
このように、個人再生手続きについて、秘密とせずに家族と情報を共有することにより、早期の経済的な再生が図れる可能性が高まります。
個人再生手続きを行うにあたり、「家族には内緒にしたい」といった声はしばしば耳にしますが、秘密にするよりも内情を説明して必要な協力を求める方が賢明といえる場合もあります。
経済的な破綻をしてしまった理由が、収入に見合わない支出を継続してしまったという場合は生活水準を下げる必要があります。独身であれば自分一人の問題かもしれませんが、家族がいるような生計を一にする人がいる場合には、他の家族からの支援が必要となってくるでしょう。とりわけ婚姻していて配偶者や扶養する子などがいるときには、家族全体の問題として、これまでの支出を全面的に見直し、生活再建について検討する必要があります。
過剰な出費を抑える目的から、不必要な保険の解約、子の習い事の整理、あるいはスマートフォンやインターネットの契約の見直しなどが必要でしょう。
このように、個人再生手続きについて、秘密とせずに家族と情報を共有することにより、早期の経済的な再生が図れる可能性が高まります。
移動に必要な車や持ち家は処分しなければならないのか
地方都市などでは、住宅地から商業地までの距離があることから、車は家族での移動に必要です。車のローンについては、通常、その車に所有権留保がついていますので、債務を減額せずに弁済期間を延長するといった内容であるときには、車を手放す必要がない可能性もありますが、一般的には、借金を減額することとなる個人再生手続きでは、債権者が車を引き揚げてしまいます。
しかし、住んでいる持ち家については、住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)が利用できれば売却せずに済みます。住宅ローン特則が利用できるのは、住居として利用する目的で設定された住宅ローンであって、現に住居として利用しており、他に抵当権などの担保がついていないときです。最近はやりの投資目的のマンション等の購入資金のために借りたローンはこの対象とはなりません。
また、仮に住宅ローン特則が利用できる場合であっても、収入に比べて弁済額の負担が大きい、この先も必要なものか、子どもたちが独り立ちするなど、それほど広い家が必要でないなど様々な事情を考慮すると、結局のところ手放したほうが良いといったことがあります。
しかし、住んでいる持ち家については、住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)が利用できれば売却せずに済みます。住宅ローン特則が利用できるのは、住居として利用する目的で設定された住宅ローンであって、現に住居として利用しており、他に抵当権などの担保がついていないときです。最近はやりの投資目的のマンション等の購入資金のために借りたローンはこの対象とはなりません。
また、仮に住宅ローン特則が利用できる場合であっても、収入に比べて弁済額の負担が大きい、この先も必要なものか、子どもたちが独り立ちするなど、それほど広い家が必要でないなど様々な事情を考慮すると、結局のところ手放したほうが良いといったことがあります。
保険は必ず解約されるか
加入している保険の解約返戻金は原則として資産として扱われます。そのため、自己破産手続きでは、原則的には解約され解約返戻金は借金へ充当されることにいなります。
一方で、個人再生手続きでは、必ずしも加入保険の解約が強制されるわけではありません。ただし、加入保険の保証内容が現状必要な範囲を超えているような場合には、解約の検討を含めた見直しが必要です。
また、不要な保険料の支払いによって家計が圧迫されているといった事情があるときには、解約するべきといえそうです。
一方で、個人再生手続きでは、必ずしも加入保険の解約が強制されるわけではありません。ただし、加入保険の保証内容が現状必要な範囲を超えているような場合には、解約の検討を含めた見直しが必要です。
また、不要な保険料の支払いによって家計が圧迫されているといった事情があるときには、解約するべきといえそうです。
保証人がいるときの影響とは
多額の金銭を借金するためには通常は担保を求められ、その担保として保証人が求められることがあります。個人再生手続きを開始すると、債務者が借金を支払えないといった状況だと債権者に通知することになります。そのため、保証人は債権者から弁済を求められることとなります。
他人の連帯保証人としては、配偶者であったり、他の親族等であったりすることがあります。個人再生手続きをすることで、債権者から家族に対して返済を求められ、家族内のトラブルとなることがあります。
個人再生手続きを行うには、事前に保証人がいる際には保証人に事情を説明するなど相談しておく必要があります。
他人の連帯保証人としては、配偶者であったり、他の親族等であったりすることがあります。個人再生手続きをすることで、債権者から家族に対して返済を求められ、家族内のトラブルとなることがあります。
個人再生手続きを行うには、事前に保証人がいる際には保証人に事情を説明するなど相談しておく必要があります。
まとめ
ここまで個人再生手続きを利用した場合の影響について説明してきました。個人再生は、自己破産はできないが減額しなければ将来破産するという場合に選択する債務整理手続きの一つと言えます。また、自己破産手続きでは持ち家を処分しなければなりませんが、個人再生手続きでは残すことを選択することができる可能性があります。