滋賀、高槻、立川、横浜の債務整理、借金問題の無料相談を受付。借金の悩みは弁護士にお任せください。
当事務所に依頼された借金問題を解決した方の声をご紹介します。
T様様
<事案の内容>
当事務所で受任した小規模個人再生申立事件についてご紹介します。
事案の内容としては、住宅ローンを抱えている依頼者が、自宅を残しつつ、残債務について債務整理を行うため、当事務所が依頼者の代理人として小規模個人再生の申立てをしたというものです。
債務整理の中で自宅を残せるのは原則として任意整理と個人再生になります。本件では5年以内に可処分所得で住宅ローン及び残債務を完成するのは困難であったため、個人再生を選択しました。
個人再生(個人民事再生)には、小規模個人再生と給与所得者等再生という2種類の手続が用意されています。小規模個人再生の方が使い勝手がよいので、実務上よく利用されています。
<本件のポイント>
(1) 債権者対応
本件では、個人再生手続の申立前に、債権者のうちの1社が依頼者に対して訴訟を提起し、判決を得ていました。そのため、債権者から強制執行、具体的には給与差押えをされるリスクがありました。
法律上、個人再生手続の開始決定があったときは、再生債務者の財産に対して既になされている再生債権に基づく強制執行の手続きは当然に中止されます。そのため、債務者が個人再生申立をした場合、個人再生手続の開始決定が近日中に出るため、債権者が強制執行をする意味は通常ありません。
しかし、本件では個人再生申立まである程度の時間がかかることが予想されたため、個人再生手続の開始決定がなされるまでの間に、債権者から給与差押えを受けるリスクがありました。給与差押えを受けた場合、本件の存在が依頼者の職場知られることになり、依頼者の処遇ひいては雇用関係にまで大きな影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、依頼者が退職して、返済原資を確保できなくなる可能性もあります。
そこで、判決言渡日から個人再生手続の開始決定がなされるまで、債権者に小まめに電話をして進捗状況を報告し、併せて給与差押え等の強制執行は控えてほしい旨と繰り返し伝えしました。結果的に、債権者は依頼者に対して給与差押え等の強制執行をしてこなかったため、依頼者の職場に本件の存在が知られることはありませんでした。
(2) 履行可能性
履行可能性とは、個人再生手続上、弁済計画に基づいて算出された金額を法律で定められた期間(原則3年、例外5年)内で返済をできる可能性をいいます。
破産と異なり、個人再生では、再生計画認可決定が下りた後、債務者は債権者に対し再生計画に従った弁済をしていかなくてはなりません。加えて、住宅資金特別条項を定めた再生計画案の場合は、再生計画が遂行される積極的な可能性が必要であるため、住宅資金特別条項を定めない再生計画案と比べて、再生計画の履行可能性が厳しく判断されます。
個人再生における履行可能性は、基本的に、債務者が毎月継続的に又は反復して得る収入額(給与等)から支出額(生活費、住宅ローン等)を控除した金額(可処分所得)が、再生計画において予定している毎月の弁済額を上回るかどうかという点が判断されます。裁判所において、可処分所得が再生計画において予定している毎月の弁済額を上回ることはないと判断された場合には、裁判所は再生計画不認可の決定を下します。
本件では、可処分所得が毎月の弁済額をギリギリ上回る状況だったため、個人再生手続の申立後、裁判所から厳しいチェックが入ることが予想されました。
そこで、必須書類とされている家計収支表に加えて、家計収支表記載の収支を裏付ける資料(給与明細、各種請求書、通帳の写し)及びそれに関する事情説明書を作成して、裁判所に提出しました。事情説明書には、一時的な支出(車の修理代、冬季の燃料費等)があった場合、その支出は一時的なもので今後発生する予定はないことについて記載をしました。
加えて、直近2年間程度の実績から見て、定期的なボーナスを見込むことができる場合にはそのボーナスも可処分所得に加えることができるので、ボーナスを可処分所得に加え、不足の事態が生じても履行可能性は維持できる旨の説明をしました。依頼者は個人再生手続の申立ての1年程前に同業他社に転職をしており、その会社は営業実績によりボーナスが支給される報酬形態になっていたため、定期的なボーナスを見込むことはできないのではないかと裁判所から指摘を受けました。しかし、依頼者は前職で大きな実績を上げており、かつ、現在の会社でも営業実績に基づきボーナスが一度支給されていることを理由に、定期的なボーナスを見込むことは十分可能である旨を説明しました。事情説明書に加えて、前職での営業実績を裏付ける資料(表彰状、トロフィー等)を依頼者から取り寄せて提出したところ、裁判所から定期的なボーナスを見込むことが可能であると判断してもらうことができました。
<個人再生手続の申立てを弁護士に依頼するメリット>
これまで見てきたとおり、個人再生手続の申立てをするにあたっては、様々な対応が必要になります。債権者対応及び裁判所対応は専門的知識が必要ですので、ご本人で対応することは難しいと思います。
弁護士に個人再生手続の申立てをご依頼いいただければ、弁護士がご本人の代理人として、債権者及び裁判所と交渉いたします、その結果、ご本人の負担が軽減され、個人再生計画認可決定を得られる可能性が高くなると思います。
個人再生は、手続きが面倒であるというデメリットはありますが、他方で、自宅は残しつつ大幅な債務圧縮が図れるという大きなメリットがあります。デメリットについては弁護士に依頼することで大部分を解決することができます。
本記事を最後までご覧いただきありがとうございます。ご参考になれば幸いです。