相手方との交渉のポイント
大切なパートナーが不倫をしていた場合、ショックしますし、許される行為ではありません。
きちんと償ってもらい、反省を促すためにも慰謝料を請求したいと考える人は多いです。
関係性を断ち切ってもらいたいといった思いから、慰謝料を請求するケースも多いですが、「裁判などと大ごとにしたくない」というのが本音でしょう。
その場合、当事者同士が話し合い解決することになります。
示談交渉と言っても、手順が分からない人は多いです。
そこで、不倫相手との示談交渉を行う際に必要なことや示談交渉の手順について解説していきます。
スムーズな問題解決のために役立ててください。
示談交渉で慰謝料請求を行うメリット
示談交渉で慰謝料請求を行う1番の魅力は、スムーズに問題解決ができる点です。
調停や裁判をしてしっかり反省してもらいたいと考える人もいるでしょうが、時間を要します。
調停は月に1回程度しか開催されないため、話し合いが進まなければさらに期間がかかることになります。
しかし、示談がお互いに合意さえすれば解決です。
手続きも比較的簡単なので、相手とスケジュールを合わせるだけで交渉が進められるでしょう。
また、高額な慰謝料を請求したいと考えている人にも示談は有効な手段です。
調停や裁判に発展すると相場を基準に話し合いが進みます。
不倫の慰謝料の相場は離婚になったとしても、100~300万円ほどとなります。
離婚しない場合は100万円以下になるケースもあり、思っていたよりも貰えないと感じる人もいるでしょう。
示談で交渉を続けることで相手が納得すれば高額な慰謝料を受け取ることも可能なので、慰謝料の額を気にしている人にとっても示談は有効でしょう。
相手方との示談交渉…その手順とは?
慰謝料請求書を作成して示談交渉を行う際の手順を解説していきます。
- 慰謝料請求書の作成
通知書とも言われる慰謝料請求書は、相手方へ行う要求をまとめた文書となります。
記載する内容としては以下の通りです。- 表題
通知書や請求書など表題をつけましょう。 - 請求理由
慰謝料を請求する理由や根拠を記載します。
証拠があれば、記載しても良いでしょう。 - 慰謝料の金額
交渉次第で減額になることもあり得るので、少し高めに設定しても良いでしょう。 - 支払い期限
支払い期限が記されていないと、相手方もそれに甘えて支払いをしない可能性もあります。
送付してから1ヶ月程度が一般的でしょう。 - 支払いがなかった時の対応
万が一のことを考えて支払いがない場合、民事訴訟を検討していることを記載し、プレッシャーをかけることも有効です。
- 表題
- 相手方と会い、通知書を渡す
書面での交渉、電話での交渉など、様々な交渉がありますが、実際に会って交渉を行うことも多いです。
不倫相手の場合、大ごとにしたくないといった考えから話し合いでの解決を望んでいることが多いので、直接会って話し合いをすることは有効です。
ただし、落ち着いて対応するようにしましょう。
少しでも不安があれば友人や兄弟を交えて一緒に話し合いを行うか、弁護士と一緒に話し合いをしても良いでしょう。
会った際には、作成した慰謝料請求書を渡してください。 - 条件について話し合う
慰謝料請求書を読んだら交渉のスタートです。
読んだだけで納得する人は少ないので、互いに納得できるように冷静に話し合いを行ってください。
基本的に「書面の通りです」と答えれば感情的にならずに済みます。 - 示談書の作成
交渉の結果、お互いに納得できれば示談書の作成に移ります。
示談書は、慰謝料請求書と一緒に作成しておくと便利です。
慰謝料額と署名する場所を空欄にして作成しておけば、署名捺印してもらうだけで成立となります。
示談書に記載すべき内容としては、- 事実の確認
- 謝罪
- 慰謝料の金額
- 支払い期限
- 支払い方法
- 制約
- 口外禁止
- 清算条項
などです。
清算条項は、「支払いが終了した際にはそれ以上慰謝料を請求することはない」といった内容です。
相手方には、署名捺印してもらい1枚は自分、もう1枚は相手に渡しましょう。
相手方との交渉…ポイントとは
慰謝料請求書の内容にすぐに納得する人は少ないでしょう。
中には話し合いの場に訪れない不倫相手もいるのです。
その場合の対処方法についてもご紹介します。
相手方が交渉に応じない場合
相手方が交渉の場に訪れない、内容に不満があり署名捺印に応じない場合も考えられます。
悪いのは不倫をした方であるにも関わらず、反省を全くしていない人も中にはいます。
怒りたくなる気持ちは分かりますが、裁判を起こす可能性があることはしっかりと伝えましょう。
問題を先送りにしていることで、もっと大変なことになることを認識してもらえばスムーズな解決を目指せます。
また、署名捺印したくないのであれば、内容証明郵便で自宅に慰謝料請求書を送付することも可能です。
感情のまま交渉をしないこと
相手が交渉に応じないとイライラしてしまいますが、感情のまま話をしないようにしましょう。
中には、思いのままに感情をぶつけて汚い言葉を投げかけてしまう人もいます。
口論になることも多く、中には手を出してしまい相手方に傷を負わせてしまう人もいるのです。
そうなれば、反対に訴えられる危険もあります。
交渉に応じないからと「家族や職場に言う」などといった行為は脅迫行為と受け取られる可能性もあるため、注意が必要です。
冷静に話し合いをするためにも、第三者を交えた交渉を検討し、落ち着いて行動できるよう計画を練ることも重要でしょう。
まとめ
慰謝料を請求するための示談交渉は、個人でも行うことは可能ですが分からないことも多いです。
冷静でいられない人も多いため、スムーズな解決ができない可能性もあります。
不安がある時には、法的知識のある弁護士に相談し示談交渉をスムーズに行うためのアドバイスをもらいましょう。
代理で相手方と交渉することも可能なので、不倫相手と顔を会わせたくない人にも有効な手段です。
慰謝料を請求するための書類作成も行ってくれるので、不安なく交渉が進められるでしょう。