配偶者の浮気相手に不倫慰謝料を請求するための条件
配偶者が浮気をしていた場合、離婚するのであれば配偶者だけでなく浮気相手にも不倫の慰謝料を請求したいと思うのは当然のことと言えます。しかし、配偶者が浮気をしていても浮気相手には慰謝料を請求できないケースもあるのです。
では、どのような条件を満たせば不倫慰謝料を請求することができるのでしょうか?
今回は、浮気相手に不倫慰謝料を請求するための条件についてご紹介していきます。配偶者の浮気相手へ慰謝料請求したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
浮気相手に慰謝料請求できないケースとは?
浮気相手に対して慰謝料を請求したいと考えていても、場合によっては請求できないことがあります。具体的にどのようなケースがあるのか、ご紹介していきましょう。
配偶者から十分な慰謝料を受け取ったケース
配偶者と浮気相手の両方から慰謝料請求をしたいと考えた場合、配偶者側から浮気によって受けた損害の支払いが既に済んでいると判断されれば、浮気相手への慰謝料請求は却下されてしまう可能性があります。例えば、配偶者に300万円、浮気相手に100万円請求した場合、配偶者が300万円の請求に応じて自分が既に慰謝料を受け取っていると、第三者視点から見て妥当な金額は既に支払われたと見られ、浮気相手から支払う必要はないと判断されてしまうのです。
ただし、慰謝料請求が不倫の問題だけでなくDVを受けていたケースではそれ以上の損害を被っていると判断され、同じ金額でも浮気相手から慰謝料請求することができます。
不倫慰謝料を請求する権利がなくなったケース
不倫の慰謝料を請求する場合、実は時効が設けられており、これを過ぎると慰謝料請求ができなくなってしまいます。しかも浮気相手からだけでなく、配偶者からも慰謝料を請求できなくなるため注意しなくてはなりません。
慰謝料請求は、配偶者が不貞行為をしている、もしくは浮気相手の名前を知った時から3年間か、配偶者と浮気相手の交際がスタートした時から20年間のどちらか短い方で完成します。
つまり、20年以上同じ相手と浮気を続けていた場合や浮気相手の名前や住所を特定しているにも関わらず3年以上経過してしまった場合は、慰謝料が請求できません。
ただし、浮気相手の存在や顔が分かったところで時効はカウントされず、浮気相手の名前や住所などがきちんと特定されてから3年にカウントされるので、浮気が発覚した時点で少しずつ行動を起こしていけば請求の時効が切れてしまうというリスクは避けられるでしょう。
浮気相手に慰謝料請求するための条件
浮気相手に慰謝料を請求する場合、様々な条件をクリアする必要がありますが、最低限クリアしないといけない条件が2つあります。
浮気相手が既婚者であることを知っていた
まず、浮気相手が故意に不貞行為を及んでいた場合は慰謝料請求することが可能です。
どういうことかというと、例えば浮気相手があなたの配偶者に対して結婚していると知っていながらもアプローチを掛けている場合、浮気相手は「故意」に不貞行為に及んだとして慰謝料を請求できます。
もちろん、配偶者から浮気相手にアプローチを掛けてきた場合も、結婚していると知っているのにそのアプローチを受け入れて不貞行為に及んでいれば同じことです。
では、浮気相手があなたの配偶者を既婚者だと気が付いていなければ、慰謝料を請求できないのでしょうか?
実は、気が付いていなかったとしてもケースによって慰謝料請求が認められる場合があります。
例えば、出会い系などで知り合い、素性を知らないまま不貞行為に及んだ場合は知る余地がなかったとして請求することができませんが、浮気相手と配偶者が元々知り合いだった場合、既婚者だと気が付く可能性は大いにあるでしょう。
それなのに浮気相手は気が付かず、不貞行為をしていれば請求条件を満たすことになります。
また、浮気相手は既婚者だと知っていたが勝手に婚姻関係は破綻していると勘違いしており、それに気が付ける状況だったのに不貞行為を及んだ場合も請求可能です。
この場合、配偶者が「婚姻関係は破綻している」と嘘をつき、あなたと浮気相手の接点が全くなかった場合、浮気相手は気が付けない状況と判断され、慰謝料請求できない可能性が高くなります。
不倫が原因で夫婦関係が破綻した
元々夫婦仲が悪く、別居している状況だと既に夫婦関係は破綻していると判断され、浮気相手に慰謝料を請求することはできないでしょう。
しかし、不倫が原因で徐々に配偶者とあなたの溝が深まっていき、円満だった夫婦関係が破綻してしまった場合は浮気相手が夫婦の権利を侵害したとして、慰謝料請求が可能となります。
もしも肉体関係に及んでいなかったとしても、夫婦関係が破綻してしまえば浮気相手に対して慰謝料請求を行うことができるのです。
これはあくまでも基本的なケースでの条件となります。
浮気相手や配偶者、あなた自身の状況などによっても慰謝料請求できるかどうかが変わってくるので、まずは法律の専門家に相談した方が良いでしょう。
まとめ
今回は浮気相手に対して慰謝料請求するための条件をご紹介してきました。
基本的な条件は決まっているものの、ケースバイケースで慰謝料請求できる場合とできない場合があります。
浮気相手に対して慰謝料請求しようとすると、配偶者が止めようとしたり、親族に止められたりするなど、辛いことも起きるでしょう。
しかし、明らかに損害を被っているのはあなた自身です。
配偶者と浮気相手、もしくは浮気相手だけに慰謝料を請求したい場合は、話が厄介な方向へ進む前に弁護士に相談するようにしましょう。