弁護士に依頼するメリット
配偶者の不貞を知ってしまい、相手に慰謝料を請求しようと考えた時、当事者同士で話し合うのもいいですが、弁護士に相談するという方法もあります。
配偶者の不貞というセンシティブな問題は、周囲に知られたくない、相談できる相手がいないなどの理由から当事者同士で解決しようとするため、トラブルに発展しやすい傾向にあります。
そこで今回は、慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットをご紹介しましょう。
慰謝料請求を弁護士に依頼したら裁判になるのでは?
配偶者の不貞による慰謝料の請求を弁護士に依頼してしまうと裁判になってしまうのでは、と不安に感じる人もいるかもしれません。
慰謝料はきっちり請求したくても、大事になるのはなるべく避けたいものです。
配偶者の不貞によるトラブルはまず相手との交渉で解決を図るのが一般的で、いきなり裁判に発展することはほとんどありません。
交渉が上手くまとまらなかった場合に限り、裁判で解決することになります。
しかし、弁護士が窓口になって相手と交渉に当たるため、多くの場合は裁判までいかずに解決できます。
慰謝料請求で弁護士がしてくれること
相談内容を聞き、慰謝料請求が可能か判断してくれる
配偶者の不貞が発覚しても、すぐに慰謝料の請求ができるわけではありません。
慰謝料の請求が可能かどうか、可能であればどれくらい請求できるのか、請求するにあたってどんな準備をしたらいいのかなど、法律の専門家である弁護士に相談することで明らかなります。
また、第三者である弁護士に自分の悩みを正直に話すことで事実を客観的にとらえることができるので、気持ちを落ち着かせ、冷静な判断ができるようになります。
自分の代理人となり、意に沿った交渉を進めてくれる
慰謝料請求が可能と判断され交渉を開始しようとする時、周囲には知られたくない、相手とは顔を合わせずに交渉を進めたいなどの要望を伝えておくといいでしょう。
連絡はすべて電話やメールで済ませるなど、弁護士事務所を訪れることなく打ち合わせをしたり、弁護士が代理人として相手と交渉を行ったりといった対応をしてくれます。
慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
では、慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
大きなメリットとして次の5つが挙げられます。
精神的な負担が軽減される
弁護士を代理人とした場合、その後の相手との交渉はもちろん、相手からの電話なども弁護士が対応してくれます。
交渉がまとまらずに裁判へ発展した場合も、原則として代理人である弁護士が出廷するため、相手と顔を合わせることなく進めることが可能です。
豊富な知識と経験で煩雑な事務手続きもスムーズ
慰謝料を請求するには、法的に効力のある書面を作成したり、交渉の段取りをしたりと、専門知識が必要な場面がいくつもあります。
交渉がまとまらずに裁判に発展した場合は裁判所特有の手続きも必要になるため、スムーズに進めるためには知識と経験が豊富な弁護士に任せるのが一番の近道といえるでしょう。
交渉を有利に進めてもらえる
慰謝料の請求を当事者同士の話し合いで行った場合に起こり得るのが、条件が折り合わず話し合いが平行線になることです。
話し合いが進まないことから感情的になってしまい、ますますこじれてしまうこともあります。
第三者である弁護士が交渉に当たれば、過去の判例などを基に俯瞰的な視線で話し合いができるので有利な交渉が可能になり、早期解決も期待できます。
慰謝料以外の要求も通りやすい
配偶者の不貞はあったものの、離婚はしないといった場合もあります。
そんな時に相手に要求したいのが「今後二度と配偶者に接触しない」「配偶者の不貞を周囲に吹聴しない」ということです。
当事者同士の話し合いでもし約束したとしてもすぐ反故にされる可能性が高く、根本的な解決にはつながりません。
また、慰謝料が支払われるどころか不貞の継続といった事態も起こりかねず、法的に効力のある書面を取り交わせる弁護士に依頼することで相手をけん制できます。
慰謝料が支払われるまでチェックできる
当事者同士の話し合いで慰謝料請求を行った場合、きちんと慰謝料が支払われないことも少なくありません。
一度は合意しても、「よく考えたらそちらにも落ち度があると思う」などと難癖をつけて支払いを拒否してくることもあります。
口約束だけでなく書面に残してあったとしても、法的な効力がないことが多く、泣き寝入りするしかない場合もあります。
弁護士に依頼すれば法的に効力のある書面を取り交わせるので、慰謝料の未払いを避けることが可能です。
弁護士に依頼するにはどんな準備が必要?
配偶者の不貞による慰謝料の請求には、不貞の根拠となる証拠が必要不可欠です。
証拠は相手との交渉や裁判に発展した時に大きな判断材料になります。
配偶者の不貞が明確であっても、その根拠となる証拠がなければ不貞とは認められず、慰謝料の請求は難しくなるのです。
そのため、証拠がなければ弁護士に依頼しても引き受けてくれない場合もあるので、配偶者の不貞を疑った時は速やかに証拠集めを行いましょう。
不貞の証拠となるものはいくつかあります。
具体的には、
- ホテルを出入りする様子を写した写真や動画
- メールやSNSでのやり取り
- 電話の会話などを録音したもの
- 妊娠や堕胎を証明できるもの
- 相手の住民票の写し
- 興信所などの調査報告書
といったものが挙げられるでしょう。
また、配偶者の不貞による慰謝料の請求は、“不貞が発覚し、相手が判明した時”から3年間で時効となります。
時効を過ぎてしまうと慰謝料の請求ができなくなってしまうので、不貞を疑った時は早めの行動が重要です。
まとめ
今回は、慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットをご紹介しました。
弁護士に相談すると聞くと大事のように感じるかもしれませんが、自身の代理人になってくれる頼もしい存在です。
確実に慰謝料を請求するためにも、配偶者の不貞を疑った場合は早めに弁護士に相談することをおすすめします。